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編集長のわくわくインタビュー プロレスで関西を活性化したい 笑い、見どころいっぱいの試合 大阪プロレス会長 阪上雄司さん

2010年05月28日

 大阪ミナミのど真ん中を拠点に活動している大阪プロレス。流血試合は絶対禁止、大人気のビリケーン・キッド、えべっさん、タコヤキーダーなどが繰り広げる、笑いあり、見どころいっぱいの試合は、年齢問わず多くのファンが通います。昨年10周年を迎え、新たな目標は「プロレスで関西を活性化させること」と語る大阪プロレス会長の阪上雄司さんを訪ねました。(聞き手 佐藤圭子編集長)――大阪ビジネスパークのIMPホールで開催された、11周年記念の大会を拝見したんですが、すごい盛り上がりでしたね。生でプロレスを見たのは初めてでしたが、子どもさんや家族連れも多くて、これまでのプロレスのイメージが、がらっと変わりました。

阪上 プロレスというと、痛いとか、子どもさんには見せられないとか思われがちですが、大阪プロレスのコンセプトは血を流さないこと。お笑いがあって、激しい試合もあって、女性にうれしいイケメンレスラーもいてというのが、大阪プロレスならではなんです。

子どもたちにも大人気

 覆面レスラーは、子どもたちからするとウルトラマンや仮面ライダーと一緒。初めて見に来た子どもたちが、「ビリー」(ビリケーン・キッド)とか「くいしんぼう」(くいしんぼう仮面)とか声援を送っているのを見て、一緒に来たお母さんが、「ごはんを食べに行っても、ジュースのおかわりもよう言わん子が、あんな叫ぶ子やと思わんかった」とびっくりされたり。
 自閉症のお子さんを楽しませてあげようと思って、親御さんが大阪プロレスに連れて来られたら、何回も通ううちに、その子がいつの間にか気持ちを表に出せるようになったという話も聞きました。
――先日の試合では、数年ぶりに復帰したレスラーに、観客席のあちこちから「お帰り!」の言葉と拍手が送られ、レスラーも感極まって涙されるのを見て、こちらもジーンときました。
阪上 ドラマもいっぱいなんです。僕自身も一番前で見ていて、感動して、やばい!涙出てまうわー(笑い)というのがよくあるんです。
 試合が終わった後、ロビーに立ってると、レスラーでない私までサインを求められたり。「あー、楽しかった」と言いながら帰るお客さんたちを見てると、ほんまにいい仕事してるなあと思いますよ。

文化として発展させる

――阪上さんは3年前に会長になられたそうですね。
阪上 以前はプロレスラー自身が経営にたずさわっていたんですが、常設会場を新今宮のフェスティバルゲートから千日前に移した際に、これからずっと大阪の文化としてプロレスを残していくためにも、経営的な目線で考えていける人間に経営を託そうということになって、僕に声が掛かったんです。
 素人の僕らがほんまにできるのかなと悩みましたが、プロレスラーの意見も聞きながら、お客さんの目線、経営者の目線で考えて、とにかくプロレスに触れてもらう人を一人でも増やそうという思いでやってきました。
 グッズも作ったり、プロレス教室に取り組んだり、子どもたちにもたくさん来てもらおうと、夏休みや冬休みには小学生以下は無料にしたり。
 以前は土日しか試合をしてませんでしたが、観光客やサービス業の人にも見てもらえるようにと月曜日の定休日以外、毎日するようになりました。そんな中で、日本全国や海外からも来てもらえるようになって、この3年間で売り上げが180%ぐらいアップしました。
――この不況下で、しかもリーマンショックや新型インフルエンザも乗り越えながら。

企業として社会貢献も

 それにしてもこの千日前の商店街の一角のビルに、こんなプロレスの常設会場があるなんて意外ですね。
阪上 300人入れるんんですよ。
 プロレスというと、リングの下から観戦するのが普通ですが、僕は野球少年だったので、野球場の小型版にして上からも楽しめるような観客席を作ったんです。
 ここはうち以外のプロレスの団体の試合や、最近では、結婚式や結婚式の二次会、企業の慰安会などにも使ってもらったりしています。このリングをステージにして、音楽、照明、スクリーンもあって、立食で料理も出しながら大阪プロレスのレスラーが演出にも加わって。
 ――まさにフル回転ですね。
  この間の大会では、ピンクリボン(乳がん撲滅や検診の早期受診を啓発・推進する運動)の寄付贈呈式もやっておられましたね。
阪上 いつも試合前にやってるんです。
 企業なので、やはり社会貢献もしなければと思って。何からできるかなあと考えた時に、女性が乳がんになる確率が3人に1人だと聞きましたし、大阪プロレスを支えてくださるファンの中には、女性もたくさんおられるので、何かお役立ちにできるかなと思って始めました。骨髄バンクにも寄付させてもらっています。

フェスティバル開催へ

 ――今後の夢は?
阪上 もちろん大阪プロレスをもっとメジャーにすることですが、プロレス界のいろんな団体の垣根を越えて、どんどん対抗戦をやっていきたいですね。
 そして大阪プロレスがこのミナミの街に来たから、商売も繁盛するようになったと言われるようになりたいですね。
 それとプロレスだけでなく、大阪や関西を元気にしたいという人たちに声を掛けて、無料で楽しんでもらえるようなフェスティバルのようなものをやってみたいですね。
 その中で、お互いにこんな物を売り込みたいという商品を出店に出したり、みんなで盛り上がるようなイベントを。大阪プロレスが中心になって、大阪を、関西を活性化させたいですね。

 さかがみ・ゆうじ 1968年、大阪市生まれ。飲食店の全国チェーン「ハンジョーグループ」社長を務めながら、07年、大阪プロレス会長に就任。ラジオのパーソナリティとしても活躍。試合日程などの問い合わせ先06・4708・1180大阪プロレス。ホームページは、http://www.osaka-prowres.com

投稿者 jcposaka : 2010年05月28日

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