医療費助成→抜本見直し/府営住宅→半減へ 広域的責任投げ捨て 府が「財政構造改革プラン(素案)」公表 福祉・医療 軒並み削減
大阪府は5日、11年度から3カ年の「財政構造改革プラン(素案)」(以下、構造改革プラン)を公表しました。橋下徹知事が就任直後に策定した「財政再建プログラム案」(08年度から3年間)の後継計画となるもの。これまでの「橋下改革」の中でも、府民の世論と運動で守られてきた福祉や医療、営業を守る制度・施策なども軒並み廃止・縮小し、「住民の福祉の増進を図る」(地方自治法第1条)という府の公的・広域的責任を徹底して投げ捨てていく内容になっています。(関連記事2面)
府は6月末に「たたき台(試案)」を公表し、庁内論議を進め、今回の「素案」では財政収支見通しを修正しましたが、「たたき台」の基本的な内容や施策の廃止・縮減計画は、拡大されています。
485億円を生み出すため
「構造改革プラン」では11年度から3年間に「歳出歳入改革」で計485億円の財源を生み出すと明記。「歳出改革」のための「主要分析事業」の中では、私学助成では私立高校授業料の無償化の拡大を理由に、私立小中学校の経常費助成の削減などを盛り込んでいます。
福祉医療費助成制度では「国での制度化」を求めているものの、その実現までは「持続可能な制度」にするとして、13年度実施をめどに抜本的な見直しを行うと明記。中小企業向けの制度融資では、ごく一部の成長企業への支援に重点を置き、多くの業者が利用するセーフティーネット融資の切り捨てを打ち出しています。
府営住宅では将来の管理戸数を半減。「素案」を決定した戦略本部会議では、橋下知事は「(半減への工程表を)早急に示せ」と指示し、府幹部からは「府が公営住宅を持つことの是非もある。基礎的自治体(市町村)で議論すべき時代だ」(綛山哲男副知事)などの発言も出ました。
これら以外の個別400事業に対する「評価・点検」では、法令による義務負担となっているものを除く230事業のうち、「当面はこれまでどおり継続」は100事業で、「廃止」は8事業。「課題付き継続」も含め見直しの対象になっているのは122事業で、府民の福祉や医療に直結するものも多数含まれています(表)。
撤回・再検討を要求
日本共産党府議団
日本共産党大阪府議会議員団(宮原威団長)は11日、橋下知事に11年度の当初予算編成要望で意見交換すると同時に「財政構造改革プラン(素案)」の撤回・再検討を求める要望書を提出しました。
要望書では当面の府政運営について、財政危機の下でも福祉・教育の充実や中小企業振興などに努め、関空2期工事など大型開発は現在進行中のものも含め根本的に見直すことを強調。財政再建策の策定では、国による地方財政縮減など根本原因にメスを入れ、情報公開と府民的討論を行い、府民生活の向上を基本にすることを求めています。
中小業者の「命綱」守れ
制度融資改悪の撤回を
大商連が対府交渉
大阪商工団体連合会(大商連、三谷信雄会長)は5日の府金融支援課との交渉で、「財政構造改革プラン」による制度融資の切り捨ての撤回などを求める、橋下知事あての要望書を提出しました。
これには府内各地の民主商工会から約110人が参加し、「中小企業の命綱を
投稿者 jcposaka : 2010年08月20日