比例定数削減 ″国民の声届かなくなる=@共産党が宣伝・申し入れ
菅直人首相が、衆院比例定数80削減、参院定数40削減を年内にも実行するとしている問題で、日本共産党大阪府委員会と府内各地の党支部・後援会は阻止を目指していっせい宣伝や各団体への申し入れを展開。20日には、府内63カ所で「民意を削る比例定数削減をやめさせよう」と宣伝。25日には清水ただし府国民運動本部長が公明党大阪府本部、社民党大阪府連、大阪弁護士会などを訪れ、共闘を申し入れました。
25日の申し入れでは、大阪弁護士会は金子武嗣会長が、公明党府本部は幹事長代行の野田昌洋府議副団長と西村晴天府本部副代表・府議団長が、社民党府連は岡元浩一幹事長が応対。公明党府本部には、日本共産党からは阿部誠行府議幹事長も同席しました。
申し入れ書は「比例定数削減反対の一点で党派の違いを超えて力を合わせましょう」と呼び掛けています。
清水氏は、「比例を削減すると少数の民意、多様な声が国会へ上げられなくなる」と話し、「力を合わせて止めたい」と申し入れました。
西村府議は、公明党は比例定数だけの削減には反対だと説明し、「一票の格差もひどい。小選挙区は死に票が多すぎる。2大政党制と言っても、自然の流れではなく無理矢理つくられたものだ」と述べました。野田府議副団長は、民主党を、「本来政治がしなければならないことをしていない」と批判しました。
大政党に有利
民主党はマニフェストで、衆院比例の定数を80削減、参院の定数も40程度削減するとしていました。菅首相は年内に野党合意を得るよう、党内に指示を出し、衆院予算委員会では「年内に実行できるテンポで議論を進めてほしい」と踏み込んでいます。
衆議院の選挙は小選挙区比例代表並立制で行われています。小選挙区で300人を、比例代表で180人を選出します。
比例定数削減は大政党に有利に働きます。民主党が昨年の総選挙で得た42・41%の得票率では、削減後は議席占有率68・50%。民主党と自民党を除く少数政党は、同じ選挙で合計30・86%の得票率でしたが、削減後は議席占有率8・00%になると試算されています。
この問題では、公明党や社民党も反対。自民党の石原伸晃衆院議員はテレビ番組で、「少数政党に不利な比例の部分だけを削るのは反対」。みんなの党の渡辺喜美代表も「比例だけ削減するとか言うのは駄目です」と発言しています。
府内63カ所でいっせい宣伝
共産党・後援会
府内63カ所で行われた20日のいっせい宣伝には延べ215人が参加。4890枚のビラを配布しました。 京阪枚方市駅前で宣伝した、おりぐち勲府会予定候補は「『政治家が自ら身を切る』というのなら、政党助成金こそ廃止するべきです。320億円の削減は、国会議員450人の削減に匹敵します」と訴えました。宣伝には6人が参加し、1時間で用意したビラ130枚をほぼすべて配布しました。
JR森ノ宮前で行われた宣伝には5人が参加。「4割の得票率で議席の8割近くを占めることになれば、国民の声が届かなくなります」とマイクで訴えました。参加した竹隈初美さん(53)=大阪市中央区在住=は、「こんなことが通ったら独裁政治になる。通させてはなりません」と話していました。投稿者 jcposaka : 2010年09月02日