第2弾 府民連 府の施設ウオッチング 廃止は府民の損失
橋下徹知事が「財政構造改革プラン」で府立の施設の廃止・見直しを一方的に打ち出している中、府民要求連絡会(府民連)は15日、8月に続いて第2弾「府立の施設ウオッチング」に取り組みました。今回は府内北部にある、おおさか府民牧場(能勢町)、箕面公園昆虫館(箕面市)、服部緑地都市緑化植物園(豊中市)を訪問。いずれも、緑の中で人々が集い、動植物と触れ合える府民の財産だけに、参加者からは「子育て中の若い世代にとっても貴重な施設」「長い目で見れば、廃止は府民の損失」などの声が上がりました。
親しまれ、来場者も増加――おおさか府民牧場
おおさか府民牧場は1999年に開設。豊かな自然の中で家畜と触れ合い、人と家畜とのかかわりを学び、府民生活の潤いを確保するというのが設置目的です。ウシやヒツジ、アルパカ、ウサギなどとの触れ合い、乳しぼりや乗馬をはじめ体験コーナーのほか、季節ごとの多彩なイベントもあります。
年間の入場者は06年度まで約13万人でしたが、08年度15万人、09年度16万人と年々増加。中学生以下は無料であることから、学校遠足にも利用されています。 運営は指定管理者の大阪府みどり公社。府は08年の「財政再建プログラム」で民営化を打ち出しましたが、「財政構造改革プラン」では「受け手がない」として11年度中の廃止を含めてあり方を検討するとしています。 指定管理の期限は今年度末に迫っていますが、次期指定管理者の募集がどうなるかは、現場には知らされていません。牧場関係者は「入場者も収益も増え、経営的な見直しはこれからという矢先に、なぜ廃止なのか。単なる観光施設ではなく、教育の場であるこうした施設こそ、残すべき」と話します。熱帯のチョウも生態展示――箕面公園昆虫館
阪急箕面駅から徒歩15分、名勝「箕面滝」に通じる滝道の途中に、箕面公園昆虫館(府直営)があります。1948年の開設以来、昆虫標本を主に展示していましたが、81年の改築後は水生昆虫の生態展示を開始。92年に、熱帯に生息する20種類以上のチョウを観察できる「放蝶園」がオープンしました。
年間6万人が訪れる同館。これまでも府の「財政再建」の中で経費や人員削減も余儀なくされる中、小学校など年間50回を超える「移動昆虫教室」も開催。講師を務める久留飛克明館長は「子どもたちが身近に昆虫を見ることが減り、理由のない『虫嫌い』も増えている。私たちの生活と昆虫との関係を理解する機会になればと思います」。
「財政構造改革プラン」では年間約5千万円の府費投入を挙げ、地元箕面市への移管や閉館を含め、13年度までに施設のあり方を抜本的に見直すとしています。
住宅地の中で緑あふれる――都市緑化植物園
都市緑化植物園は、服部緑地公園の付属施設として84年にオープン。園内には亜熱帯の植生を再現した展示温室があるほか、屋外では芝生広場やせせらぎ、約700種のツバキが植えられた「椿山」などがあり、09年にはハーブ園が新たに設けられました。
園芸や家庭菜園などの疑問に専門家が答える無料の「花と緑の相談所」を、休館日以外の毎日実施しているほか、ボランティアによる園内の植物の説明、各種講座や展示会も行われています。
運営は指定管理者である大阪府公園・都市緑化協会が行っていますが、「財政構造改革プラン」では次の指定管理者の募集(12年度中)までに経費削減を具体化するとともに、施設のあり方について見直すとしています。
メモ
●おおさか府民牧場 能勢電鉄山下駅から阪急バス片山口下車。午前10時〜午後5時(11月から2月は4時)。火曜休館(休日の場合は翌日)、年末年始。入場料500円(中学生以下無料)、団体割引あり。駐車場は普通車1日500円(450台)、バス1200円(5台)。072・734・0220。
●箕面公園昆虫館 阪急箕面から徒歩15分。午前10時〜午後5時(入館4時半)。火曜休刊(休日の場合は翌日)、年末年始。夏休みと11月は無休。入館料270円(中学生以下無料)。団体割引あり。072・721・7967。
●服部緑地都市緑化植物園 北大阪急行服部緑地駅下車すぐ。午前10時〜午後5時(入園4時まで)、火曜休園(休日の場合は翌日)、年末年始。入園料270円(中学生以下無料)。06・6866・3622。
投稿者 jcposaka : 2010年09月26日