後期高齢者医療 6千万円の過払い返還へ 府広域連合 北山議員が要望し実現 窓口負担 約2900人が対象
後期高齢者医療制度の被保険者が、2008年8月から09年7月までの1年間、医療費窓口負担を過徴収されていた問題で、府後期高齢者医療広域連合が先月29日から対象者約2900人に文書で通知し、総額約6千万円を返還することがこのほど分かりました。同広域連合の8月臨時議会で、日本共産党の北山良三議員(大阪市議)が早期の返還を求めていました。
同広域連合は同じ時期に、逆に窓口負担が過小だった被保険者には、ことし4月にすでに不足分を請求しています。
国制度に不備
独自に整備し
不足分の請求が先行し過徴収の返還が遅れた理由を、同広域連合は、国のシステムが整っておらず、独自に返還システムを整備していたためとしています。
過徴収が生じたのは、本来、窓口「1割負担」のはずの被保険者に「3割負担」の保険証を送っていたからです。
窓口負担の割合は前年度の所得額で決まります。6月に確定し、8月に保険証を交付します。
ところが08年は制度が始まった年で、所得が確定前の4月に、前々年度の所得を基準にして、09年7月まで有効な保険証を交付。6月に確定した前年度所得額を基準に、窓口負担割合が変わった被保険者へあらためて保険証を送りましたが、確定前の保険証の回収と周知が不十分でした。
後期医療制度では、課税所得145万円以上の被保険者は窓口「3割負担」、同145万円未満は「1割負担」になります。
また、△世帯に被保険者が1人で収入が383万円未満△世帯に70歳以上の高齢者が2人以上おり、収入520万円未満△世帯に被保険者が2人以上で収入520万円未満―の被保険者は、申請によって「1割負担」に変更できます。
矛盾だらけの制度.国の責任重大
北山良三議員
国は、高齢者からお金を取り立てるシステムは作っていましたが、逆にお返しするシステムは作っていませんでした。これが対応の遅れを生みました。矛盾だらけの制度を強引に進めた国の責任は重大です。
また、保険証を回収する努力が足りなかったことも問題を大きくしました。このような特別な事情があるため、「1割負担」への変更を申請すれば、さかのぼって適用するべきです(2010年11月7日付け「大阪民主新報」より)
投稿者 jcposaka : 2010年11月07日