「就職超氷河期」 自己責任でなく政治の問題 打開へ共産党が懇談会 大企業は社会的責任を果たせ
同党は昨年4月、新卒者の就職難打開に向けた提言を発表。非正規から正社員への切り替え、長時間労働の是正による雇用創出、社会保障拡充や環境保全への政策転換での雇用創出、卒業後3年間を新卒扱いとするなど、学業と両立できる就職活動のルールの確立、奨学金の返済猶予、「新卒者雇用確保・促進法」の制定など企業の社会的責任の明確化などを提言しています。
懇談会で清水ただし党府国民運動部長は、政府の規制緩和によって、非正規労働者が増え、若者では2人に1人が非正規だと述べ、人間らしく働くルールが必要だと強調。「苦しむ若者を放置せず、大阪から解決の取り組みを広げていこう」とあいさつしました。背景にある弱肉強食の政治
黒田まさ子府議は、全国ワースト1となった失業率など大阪の雇用をめぐる指標を提示。大企業の内部留保が増える一方で、正社員が減っていると述べ、背景に弱肉強食の政治があることを指摘。橋下府知事が「(労働法制の)規制はとっぱらうべき」と答弁していることを厳しく批判しました。
また府内の教職員・自治体職員も非正規が急増していることにも触れました。
黒田府議は、そうした中でも、就職相談活動の強化、新卒採用増のための奨励金などを実施していることも紹介。特別養護老人ホームの建設や、河川改修など、生活密着型に公共事業を切り替えることで雇用が生まれると述べました。
大学生内定率の詳細を紹介した宮本たけし衆院議員は、若者が自分の将来像が見えないというのは、「自己責任ではなく、政治と社会の問題」と強調しました。
法人税減税は間違った政策
例えばパナソニックは、同社社長が月刊誌に、「グローバル採用」などと称して国内の新卒採用を減らすことを公言。5年前は800人だったのに、今春は290人だと紹介しました。
宮本議員は、大企業は内部留保を増やし、手元の資金は潤沢なのに、国内に還流せず、海外志向を強め、日本人を雇わないと公言しており、「こういう大企業に減税してやる必要があるのか」と法人税減税を打ち出す政府の誤った政策を厳しく批判。社会的責任を果たさせることが大事だと話しました。
雇用を支える中小に支援を
出席者からは、「高学費でアルバイトは必須。しかも就職活動を早くからしなければならず、学業がおろそかになっている現状をなんとかしなければいけない」(大学教員)、「バブル崩壊直後の様相と同じ。就職が難しいため、進路を変える学生が多く、実際の数字よりも就職率は悪い」(高校教員)、「若い人を雇う気はあるが、力がない。雇用の6割を支える中小企業が、それぞれ少しでも採用を増やすと大変な積み上げになる。政府には中小企業の懐に直接の支援をしてほしい」(中小企業家)、「若者の多くが自己責任論に縛られている。面接では、企業の望むことばかり答えるので、自分が分からなくなったという若者もいる」(民青同盟)などの発言があったほか、青年の雇用確保を求める陳情署名を進めている運動などの報告もありました。
(大阪民主新報1.30付け記事より)
投稿者 jcposaka : 2011年01月29日