大阪市当初予算 大規模開発推進を鮮明に 市民の暮らしに厳しく
大阪市は8日、一般会計1兆7205億円(前年度比300億円増)の2011年度当初予算案を発表しました。特別会計を含めた総額は3兆9354億円(同804億円)で、市債残高は5兆688億円(11年度見込み)で、市民1人当たり190万円となります。
危機感あおり市民犠牲推進
平松邦夫市長は、中期的財政推計で2018年度に累積赤字が2700億円に上り、15年度には財政再建団体に陥るなどと危機感をあおり、市民犠牲の経費削減を推進してきました。
今回の予算案では、18年度の累積赤字見通しは1200億円と大幅に改善したことが明らかになる一方、関西財界の意向に沿った「企業呼び込み」施策に重点を置きながら、市民の暮らしには厳しく、大阪経済の再生には程遠い内容となっています。
子ども医療や可動柵で前進
予算案には、切実な要求実現を求める市民運動と日本共産党の議会論戦などの反映もあり、地下鉄駅への可動式ホーム柵設置は、長堀鶴見緑地線(11年度完成)、千日前線(14年度中完成)に続いて新たに御堂筋線(19年度完成)で進められます。
乳幼児医療費助成は入院が中学校卒業まで拡充され、民間住宅の耐震改修費補助の充実などが盛り込まれました。国民健康保険料は3年連続で据え置かれ、敬老パスと水道料金福祉減免も存続されます。
こうした前進の一方、中学校給食実現は、昼食提供事業の推進にとどまったままです。「国際コンテナ戦略港湾」づくりに21億5469万円、「夢洲・咲洲地区等の街づくり」に71億5367万円、大阪駅周辺開発に4億2701万円などを計上するなど、平松邦夫市長の下、大阪駅周辺地区や臨海部での大型開発推進の立場が鮮明になってきます。
名称を変えて同和事業温存
同和事業はゼロになったとしているものの、人権文化センター・青少年会館・老人福祉センターを廃止・統合して10年4月から「市民交流センター」に衣替えし、この管理運営に9億1600万円を計上、人権博物館(リバティおおさか)の運営助成金5100万円も計上しており、事実上特別対策にメスが入ったと言えない状況となっています。
2011年度予算案を審議する大阪市議会は17日開会。21、22の2日間代表質問を行い、3月16日が最終日となります。
投稿者 jcposaka : 2011年02月19日