「保険料下げて」「保険証奪うな」国保の願い 日本共産党へ
値上げ・制裁≠ノ拍車 民主党、橋下知事の「広域化」
いま、国民健康保険(国保)をめぐって、滞納者からの保険証取り上げや財産差し押さえなど、高すぎる国保料が府民の暮らしと命を脅かしています。保険料のいっそうの値上げにつながる「国保広域化」や取り立て強化を進める維新の会など「オール与党」か、住民とともに国保料の引き下げに奮闘する日本共産党か。いっせい地方選挙を目前に「命を守るのはどの党か」が鮮明になっています。
受診抑制、無保険者も
全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)が2日、経済的理由で受診が遅れ、死亡したとみられる事例が2010年の1年間に71件あり、05年の調査開始以来、過去最高になったと発表しました。高すぎる国保料の滞納などで、無保険や短期証・資格証明書を交付された人は42人に上りました。
死亡事例で大阪は3件。無年金のため警備のアルバイトで生計を維持し、収入が途絶えるのを理由に入院を断っていた国保加入の男性(66)や、無保険の男性(68)も含まれています。 大阪社会保障推進協議会(大阪社保協)が1月に実施した「国保なんでも110番」には、159件の電話相談がありました。72件(45・3%)が高すぎる国保料に関するもので、「国保料が高いので妻の治療(糖尿病)をやめようと思っている」(豊中市)、「借金して支払っている」(大阪市生野区)などの相談。差し押さえに関するものも24件(15・1%)ありました。 中でも、前職を辞めてから国保に加入していない「無保険状態」についての相談が25件(15・7%)あり、いずれも「国保料が高すぎる」ことを理由に加入手続きをしていないという深刻なケースです。負担高いと認めながら
日本共産党の堀田文一議員は1日の代表質問で、府内のモデル世帯(年間所得200万円)の国保料は、最高額46万1900円、最低額28万8350円であることを示し、「国保料が所得の2割以上。これではご飯を食べる前にまず国保料を払えということになる」と訴え、「知事はそれでよいと考えるのか」とただしました。
「高い。制度を改めないといけない」と答弁した橋下知事。しかし実際にやっていることは、正反対です。橋下知事が2年後をめどに進める「国保広域化計画」は、市町村ごとの国保を大阪府で統一し、保険料を抑えるために市町村が行っている一般会計からの法定外繰り入れ(08年度で総額299億円)をなくそうというもの。強行されれば、国保料は府内平均で1世帯2万円、大阪市内では3万5千円もの値上げになります。
厚生労働省は昨年5月、「国保広域化」を進めるため、市町村の一般会計からの繰り入れを中止する通達を出しました。「国はでたらめだ」と言いながら、民主党政権の方針を真っ先に実現しようとしているのが、橋下知事や大阪維新の会です。
府は昨年末に「広域化等支援方針」を決定。府内の保険料収納率は85・49%で、全国平均を3ポイント程度下回っているとして、高すぎる保険料の問題には触れず、市町村に収納率の引き上げ目標を設定。過去の滞納について、速やかな財産調査や差し押さえを求め、目標を下回れば府からの交付金を減額するペナルティーを設けています。
「大阪府議会議員選挙にのぞむ日本共産党の政策」から
●国保料が1世帯平均2万円もの値上げになる「国保広域化」に反対します。
●国庫負担復元を求めるとともに、府と市町村の努力で国保料を値下げします。
●低所得者の医療費負担の減免制度を拡充します。
●市町村を保険証の取り上げや学資保険まで差し押さえる強権的徴税に追い立てるやり方は中止します。
国保は社会保障
保険料引き下げへ奮闘
日本共産党
議会内外で活発に運動
国保財政の赤字と高すぎる保険料の最大の原因は、1984年に50%だった国庫負担が24%にまで減らされたことです。
日本共産党の志位和夫委員長は衆院予算委員会(2月2日)で、「民主党は、『政権をとったら国庫負担を9千億円増やす』と言ってきたが、それを放り投げて、高すぎる国保料をさらにもっと値上げする通達を平然と出す。こういうやり方は、絶対に改めるべき」と迫りました。
日本共産党は、国・府・市町村それぞれに国保への責任を果たさせ、国保料の大幅引き下げを実現しようと奮闘。府議会では、「国保は相互扶助の制度」「負担の公平を図るために収納確保は重要」と繰り返す橋下知事に対して、「国保は社会保障」ときっぱり反論。「広域化等支援方針」を撤回し、国庫負担を元に戻すことを国に求めよと迫っています。
一貫して国保料引き下げを主張してきた日本共産党大阪市議会議員団は、学資保険まで差し押さえるなど滞納者への厳しい制裁”は、「子どもの教育・進学という目的で掛けられている学資保険を差し押さえることは、行政としてやってはならない」と中止を要求。国会質問でも取り上げた志位委員長の論戦や市民世論を背景に、平松邦夫市長は2月25日に「丁寧な対応をする」と表明しました。
署名集めて引き下げへ
4人家族・所得300万円の世帯で48万6千円を超えていた堺市。2011年度当初予算案で、今年度と比べて年間1人当り4500円から4700円引き下げることを盛り込みました。国保料の引き下げを求める請願署名が07年から3万を超えて集まるなど、市民の運動と日本共産党堺市議団の論戦が市政を動かし、今年度はゼロだった一般会計からの法定外繰り入れ(7500万円)が行われることになりました。
社会保障しっかり立て直して
日本共産党大阪業者後援会会長 石倉昇さん
いま個人事業者の利益は1昨年から3〜5割減り、大変な状況です。それなのに自治体は国保料の滞納者への制裁を強めています。
大阪市ではネジ製造業の方が、取り引き先からの売掛金が入金されたところを、差し押さえられました。そのお金は次の仕事の材料代になるものでした。それを「財産だ」などと言うことは、「もう仕事なんかするな」と言っているようなものです。
社会保障をしっかり立て直してほしいと多くの国民が願っています。税金を負けてもらっている一握りの大企業や大資産家に、応分の負担を求めるという日本共産党の主張こそ、国民の願いに応えるものです。
高すぎる国保料が払えない人の立場で、議会内外で働いているのも日本共産党の議員と候補者たちです。
この党の議席を伸ばし、国保料を引き下げ、人権無視の取り立てをやめさせましょう。
投稿者 jcposaka : 2011年03月12日