大阪市民の足・赤バス守れ 交通権守る日本共産党 市民と共同し要求実現へ
大阪市が市内27ルートで運行している赤バスの廃止を含めた精度見直し問題。「『市民の足』を奪わないで」の強い声に押され、路線再編の実施を「2011年度末」から「2012年度末」へとさらに1年間先送りとなったことが明らかになっています。“赤バスの存続・充実は交通権を守ること――”。切実な要求実現へ、日本共産党は積極的な論戦と運動を展開しています。
平日の午後1時過ぎ。大阪市福島区の野田阪神駅。買い物袋を手に下げた若い女性と、初老の男性を乗せて福島ループの赤バスが出発しました。 2分ほどで停車した3つ目のバス停「公団鷺洲第2団地北」では、年配の女性2人が乗車。始発から乗った男性は5つ目の停留所「福島7丁目」で降車、若い女性は「福島2丁目」でバスを降りました。 次のバス停は「玉川1丁目」。若い夫婦がベビーカーの赤ちゃんと3人で乗車。車内にはほのぼのとした空気が流れ、それぞれの乗客を目的地まで運んで行きます。 バス停2つ、3つ分などで降車するお年寄りが目立ちます。若くて元気な人なら歩くような距離ですが、お年寄りにとって、赤バスはまさに足がわりなのです。 バスは、公営スポーツセンターや、学校、公営住宅や地下鉄駅、福島区役所などの身近な施設などを結びながら、約50分で出発地点の野田阪神に到着しました。ダイヤ・路線改善で充実を
赤バスは、大阪市交通局が運行する小型のコミュニティバス。1回100円で乗車でき、現在24区内に27路線が運行されています。
マイカーがあっても運転できない高齢者。大型店舗の進出で近くの商店がつぶれて買い物に行けない「買い物難民」。こうした住民の足が失われていく現実の中、各地で広がっているのが、手軽な運賃で乗車できるコミバスです。
全国的に地方自治体が直接運行するものと、路線バスを走らせるバス事業者に運行を委託するケースがあります。国土交通省の調べなどによると、05年現在、全国の市区町村の38%でコミバスが運行され、利用者に喜ばれています。
ところが大阪市は、「経済性と公共性が著しく低い」などと、赤バスの役割を不当に低く評価。一度は2011年3月末に全路線を廃止する方針を表明しましたが、住民の反発で存廃の結論を先送りに。4月から利用状況調査を実施した上で、12年度末には赤バスを廃止し、「赤バスに代わる別のサービスを提供」するなどとしています。
「市民の足」である赤バスを守ろうと、民主団体などで構成する「赤バスの存続を求める市民連絡会」は、街頭署名や行政への申し入れ、赤バス実態調査に基づいたダイヤ改善・路線拡充など、サービス向上を求める運動を多彩に広げてきました。
これらの市民の声を、大阪市議会で真っ先に取り上げてきたのが日本共産党です。市民連絡会の運動とも連携し、各地域で全力を挙げてきました。
3月市議会の交通水道委員会で日本共産党のわたし考一議員は、高齢者や移動困難者にとって赤バスが重要な交通手段になっていると指摘。適切な支援を行い「市民の足」を守れと強く求めました。
投稿者 jcposaka : 2011年04月10日