府知事（10日告示）、大阪市長（13日告示）の「ダブル選」（27日投開票）に突入しました。大阪市長選に「大阪市をよくする会」から出馬表明していた前大阪市議の渡司考一氏は５日、維新の会を率いる橋下徹氏のファッショ的な独裁政治を食い止めるとして、立候補を中止することを表明。その決意を受けて、独裁政治に「ノ―」の審判を下そうと、二つの選挙戦で全力の取り組みが広がっています。（２面に渡司氏の決意と関連記事）

ファシズムの台頭許してはならない

　記者会見で渡司氏は市長選への出馬中止について、「この決断が独裁政治を阻止し、私たちの要求実現への道を切り開いていくための現時点で最善の判断だと確信する」と語りました。

独裁反対の立場堅持を

　暮らしに対する問題や巨大開発のあり方について、「現大阪市政の評価を変えるものではない」とした上で、平松氏が「維新の会」の独裁的なやり方を批判し、「大阪都」構想や教育基本条例に反対の態度を明らかにしていることを挙げ、「今後ともこうした立場を堅持されることを願い、選挙戦では独自の立場から支援する」と述べました。

決意は新たな「闘争宣言」
山口勝利府委員長

　記者会見で日本共産党大阪府委員会の山口勝利委員長は、「渡司さんの決意は新たな闘争宣言ともいうべきもの」「英断を正面から受け止め、ファッショ的な独裁政治を阻止するために全力を尽くしたい」と強調。「大阪は独裁・橋下知事に屈しない。恐怖政治から市民を守る」と述べている平松氏の当選のため、同党としては自主的な支援を呼び掛けると語りました。
　また知事選挙では、維新の会幹事長の松井一郎氏は橋下前知事の後継者であること、前池田市長の倉田薫氏は橋下・「維新の会」の政治を転換する姿勢は見えないとし、「明るい民主大阪府政をつくる会」の梅田章二候補勝利に全力を挙げるとあらためて表明しました。

渡司氏の決断受け、支持と共感
「断固たる闘い。私も頑張ります」
「橋下さんで福祉はめちゃくちゃ」

　渡司氏の出馬中止を知った市民から、日本共産党にもメールや電話が相次いでいます。ある女性は、大阪市議団にあてたメールで「共産党支持ではありませんが、今回の英断は素晴らしい。知事には一票入れます。大阪市を地域を守っていくためにどうかみなで協力してください」。「共産党と一致した見解を持つ者ではありません」という学校教員も、「よく判断してくださいました。これは苦渋の撤退ではなく、断固たる闘いになる。私も頑張ります」としています。
　大阪市北区では共産党のポスターを貼り出している酒店の経営者が、渡司氏の出馬中止について、訪れた党員に「よく降りてくれた」と最敬礼の姿勢をし、高齢女性は橋下氏について「ヒットラーを思い出す」と話しました。同党北福島地区委員会が７日開いた活動者会議では、「棄権や白紙投票では橋下氏を勝たせるようなもの。チャンスを生かそう」と、「反独裁」を掲げる平松氏支持を広げる決意が語られました。
　７日、大阪市住吉区の南住吉支部が同党の井上浩市議と共に対話。ある女性（77）は「橋下さんは言うことが変わるからついていけない」。別の女性（55）も「日本（の統治機構）を変えると言うならなぜ市長選挙に出るのか。知事時代に一体何をしたのと問いたくなる」と話し、橋下氏の「独裁」発言に反感を抱く知人が多いと語りました。
　明るい民主大阪府政をつくる会女性連絡会と大阪市をよくする会は６日、渡司氏の地元、大阪市旭区内の商店街などで合同宣伝。ある老人会関係者は、「すぐに地下鉄民営化すべきと主張する橋下氏が市長になったら大阪市はどうなるのか」との不安を語り、別の市民は、「橋下さんは府の障害者施策をばっさり削った。こんな人が市長になったら大阪の福祉がめちゃくちゃになる」と語りました。
府知事選
梅田さんで府政転換
暮らしと営業守り、原発ゼロの大阪へ

　「明るい民主大阪府政をつくる会」の梅田章二知事候補は６日、豊中市内の商店街を歩いて市民にアピール。商店主や通行人らとがっちり握手を交わし、「暮らしと営業を守り、原発ゼロ、防災に強いまちづくりを」「大阪を壊す『維新の会』の独裁政治は許せません」と支持を呼び掛けました。

　この日午前、梅田候補は、大阪市内で支持を訴えた後、能勢町や池田市で演説。豊中市の阪急庄内駅前では、地元の支援者や日本共産党豊中市議団の松下三吾議員らが小雨の中でビラを配布、「梅田さんで府政転換を」と訴えました。 （２０１１年11月13日付大阪民主新報より)