公約と正反対・ウソ満載.維新の会の法定ビラ 市民欺く橋下氏・「維新」
「だまされないで下さい」――維新の会の府知事選用の政治活動用ビラ(法定ビラ)2号で、こんな見出しが躍っています。「大阪市をバラバラにしません」「大阪市は潰しません」などと主張しますが、説明を読むと、橋下氏や維新の会の公約とはまるで正反対、見過ごせない大ウソがいくつも並んでいます。こんなウソで有権者を欺き、選挙に勝てば「民意」と何でも強行 。こんなやり方こそファッショ的ではないでしょうか。
ウソその1
24区、24色の鮮やかな大阪市に 法定ビラ
本当は「大阪市を解体する」
維新の会の法定ビラでは「今は24区特徴のない一色の大阪市を、24区、24色の鮮やかな大阪市に変えます」として、大阪市域を「灰色」から「色とりどり」にしたイラストまで掲載。橋下氏は各地の街頭演説などで「区役所ですべてが決められる仕組みにして、市内を24色とりどり、多色豊かな市に生まれ変わらせる」と叫び、「平松市長はねずみ色一色に染め上げる」と攻撃しています。
これは、維新の会のマニフェストや橋下氏が告示前に出した著書『体制維新――大阪都』(堺屋太一氏との共著、文春新書)を見れば、すぐにウソだと分かるデマです。
維新の会の「市長選マニフェスト」は「大阪都」の下で「現在の大阪市を人口30万人程度の複数の特別自治区に再編」と明記。大阪市を解体するのです。「大阪都」実現までの間も、「現在の24行政区を市内8〜9にブロック化」としており、現在の行政区がそのまま存続するかのように宣伝するのは、明らかにごまかしです。
橋下氏は著書で「大阪府も大阪市もありません。両方を解体して、新しい統治機構を作り上げる」と、大阪市解体宣言≠はっきりと打ち出しています。
ウソその2
財源と権限を、区に取り戻します 法定ビラ
本当は「1人に権限と財源」
維新の会の法定ビラでは「大阪都構想では、大阪市の財源をむしり取られるの?」という質問を立て、「大阪市が持っている財源と権限を、区に取り戻します」などという回答を載せています。
これもウソ。橋下氏の著書では「大阪市役所が有する権限と財源からすれば、名前は市でも立派な都道府県と同じです」と断定。「大阪府域内という全国で二番目に狭い地域に知事二人は不要です。原則通り知事は一人、船頭は一人にすべき」と、「大阪市役所が所有する権限と財源」を「知事一人」に「むしり取る」ことをはっきりと打ち出しています。
橋下氏は選挙戦の中で、「市長と市役所で全てのお金と権限を握って、大阪市内24区、金太郎あめのように同じ政策」と批判し、「平成の時代に合わせた役所の組織をつくる」と繰り返しています。
そもそも、「統治機構を変える」「体制を変える」として橋下氏と維新の会が狙う「大阪都構想」は、大阪府と大阪市を解体・再編し、「広域自治体(大阪都)に一元化された権限と財源を活用し」、「関空リニア」や「カジノ」などをやりたい放題にできるようにするのが狙いです。
ウソその3
都構想で市民の生活は良くなる 法定ビラ
本当は「都の仕事ではない」
維新の会は法定ビラで、「大阪都構想が実現すれば市民の皆様の生活は良くなります」と説明しています。
ところが橋下氏は著書で「大阪都構想が実現したからといってすぐに住民サービスが具体的に変わる、ということではありません。装置をつくる話ですから、保育所が増える、健康保険料が下がる、学校が増える、といった施策の話とは違います」と記しています。
維新の会は「広域自治体(大阪都)」と「基礎自治体」との「役割分担」を強調。身近な住民サービスは、「特別自治区」や市町村など「基礎自治体」の仕事で、「大阪都」には関係がないというのが持論だからです。
また、橋下氏や維新の会は「行政サービスを充実します」と言います。しかし橋下氏は著書で、「住民サービスの総量は現在の大阪府・大阪市体制と大阪都・特別自治区体制で違いはありません。ですから必要な財源総量も変わりありません」とも主張。では、それでどうやってサービスを充実するのか、何の説明もありません。
こうしたウソ宣伝は、橋下氏や維新の会が、広がる「独裁ノー」の世論と共同を恐れてのことです。(「大阪民主新報」2011年11月27日付より)
投稿者 jcposaka : 2011年11月26日