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新しい日本≠ヨ革新懇 の役割発揮を 大阪革新懇が府民のつどい 2条例案許さぬたたかいを

2011年12月17日

 太平洋戦争開戦(1941年)から70周年の8日夜、進歩と革新をめざす大阪の会(大阪革新懇)は大阪市中央区のドーンセンター(府立女性総合センター)で、「原発ゼロと『新しい日本』を考える12・8府民のつどい」を開き、約450人が参加しました。

来年10月に全国交流集会

 大阪革新懇代表世話人の鰺坂真・関西大学名誉教授が開会あいさつで、府知事・大阪市長の「ダブル選」で「反独裁」の共同が広がったことは、大阪からファシズムの台頭を許さないこれからのたたかいの基礎となったと強調。「教育基本条例案」「職員基本条例案」を許さない運動や、震災復興と「原発ゼロ」の日本を目指す国民の共同、消費増税や福祉制度の大改悪など山積する諸課題で、革新懇の役割を発揮しようと呼び掛けました。全国革新懇の全国交流集会が、来年10月に大阪で開かれることを報告しました。

 文化行事では、民謡歌手の高宮佳美さんとお囃子の松葉隆山さん、松葉拡和さんが南部牛追唄(岩手県)、津軽じょんがら節(青森県)はじめ東北民謡を披露しました。

震災・原発で討論

 トークセッション「震災復興、『放射能汚染と子ども』を考える」では、藤永のぶよさんを進行役に、福島県農民連の根本敬事務局長、東日本震災の被災者支援のダンスイベントなどに取り組む佐々木唯さん、京都府立高校講師(物理学)で原発・放射能問題の学習会講師として活躍している市川章人氏が報告・討論しました。

復興ビジョンの柱は憲法
根本敬さん
都市から「原発ゼロ」の運動を

 根本さんは福島県議選(11月20日投票)の二本松選挙区(定数2)に「放射能汚染から子どもを守る市民の会」の候補者として無所属で立候補(日本共産党推薦)しました。
 「福島では農民はもちろん、大変な状況になっているのは、お母さんと子ども」だと語った根本さん。「子どもを連れて多くの母親が県外に避難している一方、夫は仕事で残り、家族はばらばら。『この際(離婚する)』がキーワードになっている」と話しました。
 そのままでは無投票になるという中で、根本さんは「選挙ができないというのは意志と権利が奪われる。TPP(環太平洋連携協定)がやられれば、農業がつぶれ、中小企業は大変になり、被災地は復興できない。『原発ノー』と言えない候補者に負けるわけにはいかない。TPPを許す候補者に負けられない。子どもたちを守れない候補者に任せられない」と出馬を決意した思いを語りました。
 出馬表明は告示の10日前。当選には及びませんでしたが、6082票を獲得。根本さんは「血のにじむような一票一票。人間がまず復興しないといけない。復興ビジョンの柱は憲法。原発はゼロ。そして人権」と強調。東京電力に損害賠償を求める農民連のたたかいや、30年先を見通した農林業の営みにも触れながら、「自然エネルギーへの転換へ、大阪はじめ都会が、自分たちの暮らしを見直すきっかけにしてほしい。自然エネルギーの宝庫である農村から、福島から発信したい」と話しました。

ダンス通じて被災地支援
佐々木唯さん
助け合うのが普通≠ネ社会に

 「EastJapanRE:project」代表の佐々木さんが呼び掛けた被災地復興支援のダンスイベント(ことし4月)を呼び掛けたところ、子どもからお年寄りまで約1千人が参加し、96万8457円の募金が集まりました。震災直後は「何もできない状況で無力だと思った」と振り返った佐々木さん。「ツイッター」などインターネット上の交流サイトで仲間に呼び掛け、自らが続けているダンスを通した企画を進めました。
 佐々木さんは、「府民のつどい」参加者と一緒に手を動かしたり、隣の人と触れ合う動きの体験実演をしながら、「言葉を交わさなくてもお金を掛けなくても、音楽がなくてもできるもの」とダンスの魅力を説明。「これで何かできないかと考えました」とイベント。
 国内や海外の友人からも「自分も何かできないか」とメールが届く中、「つもり募金」も発案。当日イベントに参加できなくても、「来たつもり」で、会場まで来るのに必要な交通費分を募金してもらおうというもの。さらに11月にもダンスバトル(コンテスト)を開き、参加者に募金してもらうイベントも企画しました。
 そんな取り組みを続ける佐々木さんは、スペインの友人が「君はすごく普通だね」と感想を語ってもらったことを紹介しました。「その人が言いたいのは、困っている人がいれば、助けて普通だということ。被災者のために募金をするのは普通。電車でもお年寄りに席を譲るのが普通。君は普通だと。私は、特別なことをした気もありましたが、友人の言葉に感動しました。そういう普通が広がって、日本が普通になれば、世界も変わる。私も発信します。普通を広げてほしいです」と訴えました。

最も危険な若狭の原発群
市川章人さん
原発の本質を知ることが重要

 市川さんは京都を中心に、4月から原発・放射能問題での学習会講師を務めるようになり、「府民のつどい」が99回目。京都の乙訓地域の革新懇が主催した学習会では、90人の参加者のうち、初めて革新懇の取り組みに参加するという人が36人もいるなど共同の広がりがあることを示し、「『原発・放射能問題は難しい』という声が出るが、3・11以降、日本ではこの分野は常識にしないといけない。原発や放射能の本質を知ることが、国のありようを変え、福島の子どもを救う力になる」と語りました。
 市川さんは、放射能被害のさ中にある子どもたちを救うためにも、日本と世界の英知を集めて事に当たることが必要と強調。さらに福井県の若狭湾原発群について、活断層が多く、直下型地震で大事故は必至など、日本で最も危険性が高いと指摘し、「若狭湾から京都市は半径60`、大阪は100`。事故が起きれば京都、大阪などは全部やられてしまう。あそこの原発を止めることが必要だ」と述べました。
 また世界一危険な高速増殖炉「もんじゅ」はこれまでに2兆4千億円が投じられ、停止中で1`hの電気もつくっていないのに維持費は1日5500万円かかると紹介。「これくらいのお金があるなら、東北に送るべき。原発があること自体がいろんなことを困難にし、危険を近づけている」と訴えました。
 市川さんは、細胞分裂が活発な子どもほど放射線被害が大きいだけに、大々的な除染が急務だと指摘。食品を通じた放射能汚染の拡大を抑えるために、規制値を下げることや、ベクレル値の表示も必要だと提言しました。(「大阪民主新報」2011年12月18日付より)

投稿者 jcposaka : 2011年12月17日

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