WTCは無駄な買い物 府議会決算特別委 堀田府議が松井知事追及
咲洲庁舎(旧WTC)の購入について日本共産党の堀田文一府議は、16日の府議会決算特別委員会で「無駄な買い物をしたのではないか」と松井一郎知事を追及しました。 松井知事は「(咲洲庁舎の)執務環境はすごくいい。職員の意識も高くなっている」などと強弁し、「来年度の中央防災会議の結果を待つ」と繰り返しました。 咲洲庁舎は橋下徹前知事時代に、府庁全面移転で「費用対効果の最大化」などを主張し購入したものです。
府は10年度、咲洲庁舎購入費84億9700万円のほか、改修費8億4600万円、移転関連費9600万円、計94億3900万円を支出。さらに咲洲庁舎管理費は昨年度だけでも10億5700万円かかり、今年度は15億7900万円の支出を予定しています。 長周期地震動対策として、耐震補強などに今年度以降23億8200万円の支出を予定していました。しかし咲洲庁舎は東北地方太平洋沖地震で被災し、防災拠点になり得ないことが発覚しました。この地震で52階部分が最大2・74b幅で10分間以上揺れ、エレベーター4基が損傷しました。パネル損傷は360カ所に及びます。 修繕費だけでも約1億円かかり、追加耐震補強も9億9700万円が必要となりました。 橋下前知事はこれを受けて全面移転を断念し、咲洲庁舎と現庁舎を併用することとしました。2庁舎間のシャトルバス運行経費や職員の交通費、時間経費など、2重庁舎による経費が今後、かかることになります。 堀田府議は、府がことし9月に作成した財政シミュレーション(09〜41年度)を示し、両庁舎を併用する場合、テナント収入を見込んでも1201億円がかかると指摘しました。 これに対し、最初から現庁舎改修と集約庁舎建設を行った場合、08年度作成のシミュレーションでは、08年〜41年度で737億円の支出にとどまったと指摘しました。同和の特別扱いやめよ
堀田府議はまた、旧同和金融公社・現財団法人地域支援人権金融公社へ無利子で貸し付けた約70億円の返済について、「特別扱いが続いている」と、知事の見解を質しました。
松井知事は「現契約で全額回収を目指す」と述べるにとどまりました。
これは69―85年の間に、府が当時の同和対策事業として貸し付けたもの。06年9月議会で堀田府議は、貸し付けの残高48億円に対し年間わずか2143万円の返済で、全額返済に200年かかると指摘していました。
この指摘を受けて府が回収を進めた結果、34億円になりましたが、依然として無利子で完済は27年後という特別扱いが続いています。
南大阪食肉市場株式会社への無利子貸付金についても堀田府議は質問し、新たな担保や保証人の差し入れを要求しました。
松井知事は「経営改善を求めて債権回収につなげたい」と繰り返しましたが、堀田府議は「要求は同社の営業に何ら影響を与えないはず」と重ねて質問しました。松井知事は「担保や保証人の追加も検討する」と答弁せざるを得ませんでした。
同社は、多額の負債を抱えた松原食肉市場公社の廃止に伴い02年に設立されたものです。同社設立にあたり府は21億円の補助金を支出し、25億3900万円を無利子で貸し付けました。
この貸し付けに日本共産党府議団は反対していました。返済の前提は年間3万頭の食肉牛の集荷でしたが、実際の集荷数はその半分程度で推移しています。
投稿者 jcposaka : 2011年12月23日