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原発ゼロの会・大阪 いまこそ原発ノー 府民運動飛躍へ大学習・交流集会 「事故収束」に根拠なし

2011年12月24日

 民主党・野田政権が東京電力福島第1原発の「事故収束」を宣言するなど、原発推進勢力の巻き返しが強まっている中、「原発なくせ」の運動と市民の共同を強めていこうと、「原発ゼロの会・大阪(原発をなくし、自然エネルギーを推進する大阪連絡会)」が17日、大阪市浪速区内で「大学習・交流集会」を開き、148人が参加しました。

自然エネ転換を求め

 主催者あいさつした大阪労連の川辺和宏議長は、野田佳彦首相が16日に発した「収束宣言」には何の根拠もなく、問題のもみ消しを図る政治の流れがあると批判。東日本大震災と福島原発事故を受けて、日本の政治・経済・国民生活をつくり変えていくことが求められている中、「原発ゼロと自然エネルギーを求める大道を前進させる運動を飛躍させよう」と訴えました。
 「自然エネルギーの可能性と日本での普及促進」をテーマに、「原発ゼロの会・大阪」の呼び掛け人の一人で、日本環境学会会長、自然エネルギー市民の会代表の和田武氏(元立命館大学教授)が講演(3面に詳報)。報告した「原発ゼロの会・大阪」の中村毅事務局長は、会員拡大や「原発なくせ」ポスターへの賛同者募集、署名運動や学習会など各地で運動を広げるとともに、東日本大震災・福島原発事故1周年の来年3月11日には、大規模な府民集会を開くことを提案しました。

団体や地域で多彩に

草の根からデモ行進で

 各団体や地域からの取り組みを交流しました。
 「原発撤退を求める淀川実行委員会」の古里宏司事務局長は、原発からの撤退を求める過去2回のデモの取り組みを報告しました。
 6月に地域労連で原発問題の学習会を開催した際、「兄が静岡の原発で働いているので心配」と書かれた感想文を見た参加者が、「運動を続けていかなければ」と思いを強くしたと古里さんは語りました。
 震災4カ月目の7月11日に140人でデモ行進。関西電力三国営業所前のデモ隊が通りがかった時は、門も全窓のブラインドも閉められていましたが、通り過ぎると再び開け、何もなかったかのように業務をしていたといいます。
 10月のデモには170人が参加し、来年2月11日にも計画。古里さんは「地域の中で草の根でデモをやり、たくさんの方に『原発なくせ』という思いを語り広げ、大阪、日本全体の活動に貢献したい」と話しました。

宮城へ支援 地域で学習

 「社会保障を守る運動と脱原発の運動を、地域の中で息長く続けることが大切」と語ったのは、西成医療生活協同組合活動部の竹中朗さん。同医療生協は宮城県へ救援隊を3度派遣しており、「心に深い傷を負った被災者のつかの間の笑顔≠見ることができた」という参加者の声を紹介しました。
 原発問題学習会も数多く開催。西成区民センター(10月15日)には住民ら300人が詰め掛け、研究者の講演と弁護士や宗教者、医師の討論を聞き、問題を共有。これまでの学習会には、「日本は原発輸出を推進しながら放射能汚染への責任は誰も取らない。阻止したい」「汚染を地球全体のこととして見なければならない」などの感想が寄せられていると話しました。
 八尾市の「山本駅前九条の会」の大中明夫さんは、学習会と原発視察を同市平和委員会と共同で取り組んだことを報告。「九条の会としても、これからも取り組みたい」と話しました。

関西電力と懇談会開く

 大阪母親大会連絡会の朝倉みどり副会長は、会として関西電力へ粘り強く働きかけ、30人の母親と共に「懇談会」を開いたことを報告。関西電力に対して母親たちは「子どもの命を守ることを一番大事にして欲しい」と、大企業としての責任を果たすよう願いをぶつけました。
 朝倉さんは、広島・長崎への原爆投下、米国の水爆実験で「死の灰」を浴びた第五福竜丸事件を受けて、母親大会連絡会が、子どもたちを被ばくから守る運動を58年間続けてきたことを振り返りながら、「今回の福島原発事故に大きな衝撃を受けた。6月の大阪母親大会での原発問題の特別分散会には、広い会場、廊下の隅々までいっぱいの参加者の姿に、『この問題を広げていかなければ』と感じた」と語りました。

政策転換で閉塞を打破

 大阪革新懇の服部信一郎事務局長は、「エネルギー政策の転換は雇用を増やし社会の閉塞感を打ち破る可能性がある」と訴え。関西電力広報部とのやり取りで、関西電力側が「安全を確保している」と主張、和歌山県の白浜原発も「計画は破棄していない」とするなど、「恐るべき回答を繰り返す関西電力の姿を具体的に住民へ伝えたい」と話しました。
 服部氏は、職場や地域の革新懇での取り組みも紹介。損害保険業界の労働者でつくる「損保革新懇」では約170人の会員が「損保と原発リスク」という、自らの仕事と結びつけて討論。交野革新懇では市当局からデータを取り寄せ、地域の再生可能エネルギーの可能性を示し問題提起しています。
 公害環境測定研の後藤隆雄さんは小型の放射線測定器を紹介しながら、「日本の原発は安全保障上無防備すぎる。やめさせる以外ない」と訴えました。

投稿者 jcposaka : 2011年12月24日

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