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大阪は独裁に屈しない ダブル選挙 梅田氏、平松氏が健闘 民主主義守る共同さらに

2011年12月03日

 橋下徹氏が率いる維新の会の独裁政治を許すのか、府民・市民の共同の力で民主主義を守るのかが正面から問われた、府知事・大阪市長の「ダブル選」は11月27日投開票の結果、府知事選で「明るい民主大阪府政をつくる会(明るい会)」の梅田章二氏は37万7159票(得票率9・74%)、大阪市長選では日本共産党が自主的に支援した現職の平松邦夫氏は52万2641票(同41・04%)を得ましたが、いずれも当選には及びませんでした。当選は大阪市長選で橋下氏、府知事選で松井一郎氏。(2面、3面に関連記事、6面に府知事選・大阪市長選の市町村・行政区別開票結果)

 「明るい会」の梅田氏は11月27日午後9時過ぎに、大阪市北区内の選挙事務所に姿を見せ、支援者がねぎらいの拍手で迎えました。独裁政治を許すなと市長選立候補を中止した「大阪市をよくする会」の渡司考一氏も駆け付け、記者会見に同席しました。

 あいさつした梅田氏は、争点の一つとなった「教育基本条例案」は維新の会のマニフェストにさえ具体的内容が示されず、「大阪都構想」も主張する内容が次々と変化したと述べ、「選挙の結果だけで民意が反映されたとはいえない」と強調しました。さらに府内各地を遊説する中で多くの有権者から維新の会に対する不安と「反独裁」の声を聞いたとし、「独裁政治とのたたかいはこれで終わりではありません。『教育基本条例案』反対の運動を全力で続け、選挙で掲げた安全・安心・やさしさの大阪実現へ頑張りたい」と語りました。  続いてあいさつした、渡司氏は、「選挙結果は残念だが、独裁政治に反対し民主政治を守る市民的共同の広がりは、今後のたたかいに必ず生きてくる」と指摘。「私たちのたたかいが終わったわけではありません。市民的共同を維新の会に投票された人たちも含めてさらに広げていく」と語りました。  選挙戦で「大阪に独裁はいらない」と訴えた平松邦夫氏は、大阪市西区内の選挙事務所での記者会見で、選挙戦の争点となった「大阪都構想」について、「市民へのメリット、デメリットが記されていない」と指摘し、「厳しい経済、雇用状況があるのだから、やれることを先にやってほしい」「大都市の多くの人たちの命、暮らしがかかっている」と述べました。

新たなたたかいへ全力
日本共産党 山口勝利府委員長

 「明るい会」の記者会見で、日本共産党府委員会の山口勝利委員長は、「橋下氏と維新の会による独裁政治を許すのか、大阪の民主主義を守り抜くのか」が大きな争点となったと述べ、市長選では反独裁の立場を明確にした平松邦夫氏を自主的に支援するなど、これまでの選挙と全く違う様相となったと指摘しました。
 山口氏は「個々の政策の違いを超えて民主主義の根幹を守り抜く点で全力を挙げてたたかい抜き、短期間の選挙戦で『反独裁』の一点で党派を超えて大きな共同が広がったことは、今後のたたかいの大きな力になる」と強調。「大阪を独裁政治の拠点にしてはならない。府民の大きな力を結集し、『大阪都構想』、『教育基本条例案』、『職員基本条例案』を必ず阻止し、大阪と日本の民主主義を守り抜く新たなたたかいに、今日を起点に全力を尽くす」と決意を語りました。

維新の会
「信任得た」と暴走加速
橋下氏 「民意*ウ視の職員は去れ」

都構想実現へ権力集中して

 橋下・維新の会は11月27日、「ダブル選」の開票に先立つ全体会議で、今後の活動方針を確認していました。「当確」後の記者会見では、「大阪都構想」実現へ知事・大阪市長・府市職員でつくる「府市統合本部」を旧WTCビル(府咲洲庁舎)に置くことなどを明らかにしました。
 「大阪都構想」について橋下氏は、「さらに理解が得られるよう説明しなければ」としつつ、「大きな方向性は信任された」と強調。大阪市を8〜9の「特別自治区」に再編すると公約しながら、「24区、24色の鮮やかな大阪市に」(法定ビラ)と宣伝をした問題で記者から「根本を変えた印象がある」と聞かれると、「全然変わっていない」「8〜9の政治的理想に向けて政治的コンセンサスをとっていく」と居直りました。
 維新の会が府知事も大阪市長も握ったことについて、記者団から「一時でも権限が集中することに不安を感じる市民もいる」との問いが出ましたが、橋下氏は「どこに集中か?」などと逆襲。「市長は僕、知事は松井さん。議会もそれぞれある。市議会で維新は33人しかいない。独裁でもなんでもない」「たまたま維新の会として取った」とごまかしました。
 その一方で橋下氏は、大阪市議会への対応について、「(リコールは)いまのところ考えていない」としながら、「話し合いで解決できないなら、もう一度民意に問うこともあり得る」と可能性を否定していません。

有権者を欺き2条例強引に

 「『独裁』なんて日本であり得ない。あくまで形容詞として使った」と橋下氏。しかし「ダブル選」後、その独裁ぶりが最も露骨に表れているのは、「教育基本条例案」「職員基本条例案」の問題です。教育基本条例案について府教育委員は「(府議会で)可決されるなら、総辞職」と表明するなど、府内外で反対世論が広がっていますが、松井氏は「教育委員は対案すら出していない。辞職されるなら仕方ない」とばっさり。
 大阪市議会に維新の会が提出した両条例案は否決されましたが、橋下氏は市長提案すると言明。橋下氏は「裁判と同じで反論の機会は十分与えた。政治や行政ではその判決が民意」「有権者が選択して我々に信を寄せた。行政マンは基本的にそれに従うのが当たり前」と言い放ちました。
 橋下氏は、選挙公報で「大争点」としていた「教育基本条例案」について一言も触れないなど、有権者を欺く選挙戦術に訴えていました。それが一転、「民意を無視する職員は大阪市役所から去ってもらう」「まずは自主退職だ」などと、「恐怖政治」をむき出しにしています。

国政進出狙い候補者擁立も

 橋下・維新の会は、「大阪都構想」の実現には法改正が必要になることから、国政に進出する目標を鮮明にしました。みんなの党代表の渡辺喜美衆院議員は応援演説で「大阪維新の会を全国に広げよう」(11月26日、大阪市中央区内)と絶叫、維新の会との連携を表明しています。
 自民党の石原伸晃幹事長が「ダブル選」結果を受けて「都構想で協力要請があれば検討したい」とのコメントを発表したことについて、橋下氏らは国や民主、自民、公明の各党に働き掛けると同時に、賛同が得られない見通しであれば、年内にも、維新の会として次期衆院選に向けた候補者擁立の準備に入ると言明。「大阪都構想は大阪だけの問題ではなく、大都市戦略、国家戦略そのもの」(橋下氏)として近畿一円で擁立する方針です。
 橋下氏は「行政機構だけでなく、生活保護、社会保障、産業政策、税の問題などを政策に含む大都市戦略を掲げる議員集団になる。ひいては関西州へ」と、その狙いを語っています。(2011年12月4日付大阪民主新報より)


投稿者 jcposaka : 2011年12月03日

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