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地下鉄民営化・敬老パス見直し・幼保民営化・教育の支配 橋下流改革で市民に負担 共産・山中市議団幹事長の追及で浮き彫り 市長のすり替え答弁に失笑も

2012年01月21日

 11日の大阪市議会本会議で質問に立った日本共産党の山中智子幹事長は、橋下徹市長が推進する「大阪都構想」や「大阪再生」の問題点を批判するとともに、橋下流の「市政改革」についても質問。「広域行政は府市統合本部、市民に関わることは区長で」「民間でできることは民間で」と繰り返す橋下市長のやり方が、市民の暮らし・福祉に何をもたらすのかが、浮き彫りになりました。

市営交通民営化で市民の足≠奪う

 橋下市長は所信表明で「地下鉄、バスを行政で抱え込む必要はまったくない」と民営化推進を宣言しています。
 これに対し山中氏は、視覚障害者はじめ利用者の長年の要望だった転落防止のための可動式ホーム柵も、今里筋線、長堀鶴見緑地線に設置されたのに続き、千日前線、御堂筋線でも計画されていることを示し、「『民間に任せる』というが、安全のための投資は保障されるか」とただしました。

公営でこそ安全守れる

 「地下鉄・市バスの民営化はやる」と固執する市長に、山中氏は大阪市内では、市営地下鉄以外に可動式ホーム柵を設置しているのは、JR東西線の北新地駅しかないことを示し、公営でこそ安全対策が守れると指摘。
 橋下市長は「確かにその通り」と言いながら、「可動柵をやるのはいいが、運転手が覚せい剤をやって運転していれば、最悪の安全状況だ」などと話を完全にねじ曲げ、「やっぱり民営化が絶対必要」などと答弁。傍聴席から失笑がわき起こりました。
 山中氏はバス事業について、地下鉄駅まで利用者を運ぶなど、地下鉄と一体的に交通ネットワークを形成していると指摘。「地下鉄からバスへの経営支援は道理あるもの。もうからないバスを地下鉄から分離する、補助は認めないなどという市長発言に、バスを頼りに暮らしている方たちから、不安とおののきの声が上がっている」と述べ、「地下鉄民営化・市バス分離」が市民の足≠奪うことになると強調しました。

公的責任を投げ捨て弱者を切り捨て

 橋下市長は所信表明で「選挙の票になりやすい高齢世代に直接お金をばらまくことではなく、現役世代に重点投資する」と発言しています。
 山中氏は「この発想は、高齢者や障害者を切り捨てることにつながらないか」と問い掛けるとともに、どんな高齢者施策を削ろうとしているのかと質問しました。
 答弁で橋下市長は「高齢者を決して切り捨てるつもりはない。障害者を含めて弱者を切り捨てることは絶対にしない」と言いつつ、敬老パスの維持に関連して、「いままで通りのお金の使い方を継続したらいいという時代は終わった」などと、施策の見直しを否定しませんでした。

認可保育所の増設こそ

 また保育所待機児解消について山中氏は、子どもの心と体を育てるためには、認可保育所の増設こそ進めるべきと強調。橋下氏が掲げる公立保育所や公立幼稚園の民営化方針に対して、「保育などに対する公的責任を投げ捨てるつもりか」と質問しました。
 橋下市長は「民間を蔑視しないで下さい。なんで民間に委ねたら駄目なのか」と問題をすり替え、居直りました。

歴史の教訓踏みにじる教育基本条例

 維新の会が提案した教育基本条例案は大阪市議会で昨年9月、堺市議会でも昨年12月に否決されていますが、橋下市長は大阪市議会に再提案するとしています。
 同条例案は、首長が教育目標を設定するなど、政治による教育への介入・支配は、政府も閣議決定で「一部を除いて教育委員会の職務権限に属するもので、首長にその職務権限はない」と違法性を指摘していることなどを示しました。
 山中氏は教育が戦争に利用された反省から、教育に対する政治・行政の「不当な支配」を禁止した教育基本法が制定された歩みを振り返り、「『国際競争に迅速的確に対応できる人材』などと首長が求める人間を良しとし、そうでない子を切り捨てるような教育を行う危険な条例案にストップののろしが上がるのは当然。真理に逆らい、歴史の教訓に目をつぶり、法さえ踏みにじる。こんな条例案は絶対に提案すべきではない」と求めました。

組合支配′実にして

 橋下市長は「政治が過度に教育に介入するのは問題」としながら、「教職員組合が教育を牛耳るのは問題。市民による市民のための教育になるように、一定のルール化は必要」などと述べ、あくまで条例案を提出する構えを見せました。(2012年1月22日付「大阪民主新報」より)


投稿者 jcposaka : 2012年01月21日

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