山下参院議員 「朝まで生テレビ」で対決 橋下大阪市長 教育基本条例案の危うさ露わに犯罪多発は先生が言うことを聞かないからだ°エ下氏の暴論・すり替えに出演者が一斉に反論
山下参院議員 「朝まで生テレビ」で対決 橋下大阪市長 教育基本条例案の危うさ露わに犯罪多発は先生が言うことを聞かないからだ=@橋下氏の暴論・すり替えに出演者が一斉に反論
テレビ朝日系「朝まで生テレビ」で1月28日、「激論!大阪市長“独裁・橋下徹”は日本を救う?!」と題したテレビ討論会が放映され、日本共産党から山下よしき参院議員が出演しました。
番組は田原総一郎氏の司会で進行。山下氏のほか、自民党の柳本顕大阪市議、精神科医の香山リカ氏、手塚山学院大学の薬師院仁志教授、元大阪市教育委員長の池田知隆氏らが出席しました。 冒頭、大阪市を解体して8〜9の特別自治区に再編する「大阪都構想」をめぐる討論が行われた後、テーマは橋下・維新の会が進める教育基本条例案に移り、池田氏は、橋下氏が『君が代』の起立斉唱強制にこだわる問題をただし、「恫喝による教育支配は時代錯誤だ」と指摘。東京都で「君が代」の起立斉唱をしなかった教職員への重い処分を取り消した最高裁判決(1月16日)に触れ、最高裁の判断は無視できないと語りました。最高裁判決を踏まえるべき
山下氏も、最高裁判決に触れ、教育基本条例案で、知事や市長が「教育目標」を決め、教員が同じ命令に3回違反したら首にできるとしている問題を追及。最高裁判決で「君が代」の起立・斉唱について、@「日の丸・君が代」問題は個人の世界観・歴史観にかかわる問題であり、セクハラや体罰とは違うA学校の式典は年2回であり、2年で教壇に立てなくなるのは重過ぎる―と判断した点に触れ、1回起立しなかったら戒告、2回で減給、4回目で停職とした東京都の処分について、減給以上は行き過ぎであり違法、職権濫用だと強調。「最高裁判決を踏まえるなら、こんな条例案を出すことはできないはずだ」と迫りました。
橋下氏は教育基本条例にこだわる理由として、「大阪の犯罪率は全国一だ」などと語り出し、ルールすら守れない先生が生徒にルールを守れと言っても聞く訳がないなどと発言。「議会が決めたルールに、教員が自分たちの思想・良心で違反していいのか」と開き直りました。この暴論には「君が代」問題と教育問題をごちゃまぜにしていると出演者がいっせいに反論しました。
「君が代」強制で犯罪減るか
薬師院氏は府議会で維新の会が強行した『君が代』強制条例について、府議選で公約すらなかったと批判しました。
香山氏は、「先生が『君が代』を立って大きな声で歌ったら子どもの犯罪率が下がるのか」と指摘。橋下氏は、「君が代」強制と犯罪率の問題についてはまともに答えることもできませんした。柳本氏も、「国旗・国歌は尊重すべきだが、それを条例で強制するのはいかがなものか」と批判しました。
田原氏も、「日本政府は太平洋戦争についての総括をやっていない。それで規制、規則というのはちょっと違うのではないか」と指摘。橋下氏も「そこはいろいろ考えがあると思う」と述べざるを得ませんでした。
学力低下の問題で、池田氏は、「大阪の学力低下の背景には、大阪の地盤沈下、(家庭の)環境悪化がある。大阪の先生の休職者数は全国平均の2倍、精神疾患の比率は全国平均の3倍。もっと先生をたくさん配置することなどが必要だ」と力説しました。
山下氏は、教員に「5段階相対評価」を持ち込み、「D評価」が2回続いたら首にできる教育基本条例案が通れば、「先生が子どもたちに目を向けられなくなる」と述べました。
「核保有」について明言せず
最後に「維新の会」の国政進出の狙いがテーマになりました。
田原氏は、「石原(慎太郎)都知事が、自分がどこかの党と一緒になるとすれば、前提は核保有だと言っているが賛成か」と質問。橋下氏は、「公の立場と個人の(意思の)表明とは違う」などとかわすのに精いっぱい。「核武装」論への態度は明らかにせず、憲法問題についても、「これから議論する」と述べるだけでした。
これに対し田原氏は、「個人の考えはあるけど、いまは言えないというのは(隠ぺい体質の)関電と同じだ」と批判しました。(2012年2月5日付「大阪民主新報」より)
投稿者 jcposaka : 2012年02月05日