景気壊す消費税増税 消費税廃止連絡会がシンポ
「景気を冷やす消費税増税を食い止めよう」と、消費税廃止大阪連絡会は20日、大阪市北区内で「消費税10%反対ひろげるシンポジウム」を開催。281人が参加しました。 石川康宏神戸女学院大学教授による問題提起の後、清家裕税経新人会全国協議会理事長・税理士と迫川緑関西テレビ報道部記者、稲田暁地域労組おおさか青年部書記次長らが、さまざまな視点で消費税を語りました。
中低所得者への負担増で不況に
日本は消費税を導入してからも税収が落ち込んでいます。そのため政府の「社会保障と税の一体改革」では、社会保障給付の抑制策が並んでいます。
財政赤字の拡大を石川氏は、「法人税収と高額所得者の所得税が下がったからだ」と分析します。法人税率は1980年代に40%超だったものを引き下げ続け、民主党政権は25・5%にすることを決めています。
所得税の最高税率も引き下げ続け、さらに証券優遇税制など、大資産家向けの優遇税制も存在します。
中低所得者に負担を求めたことが個人消費を冷やし、経済の低迷を招いたと石川氏は指摘するとともに、ヨーロッパ諸国における企業の社会保障費負担の重さなどにも言及しました。
応分負担の拡大で福祉国家≠ノ
清家氏は、ギリシャの財政破たんの原因が法人税率を引き下げ、その穴埋めに消費税(付加価値税)率を引き上げたことにあると紹介。逆に、法人税増税など負担能力に応じた課税を拡大することにより、「日本は福祉国家への第一歩を進んでいける」と展望を語りました。
選択肢狭める報道するメディア
テレビ番組で消費税を特集した迫川氏は、親会社からファクス1枚で消費税分の値引きを強要される下請け中小業者の訴えを紹介。社会保障などの財源で、大手メディアは決まって「消費税何%分」などと報道し、視聴者は「それ以外の選択肢がないと思わされている」と指摘しました。
非正規の拡大で節税できる制度
稲田氏は、税額控除できない人件費を減らし、控除対象となる派遣労働に置き換えることによって、企業が節税できる仕組みになっており、この仕組みが非正規雇用の広がりや自殺者増加につながっていると指摘。選挙に行かない若者は、「政治について考えること自体を損だと思っている」と述べ、労働組合の活動を通して働き掛け、若者の力で「政治を企業の金もうけの道具から解放したい」と話しました。(2012年2月26日付け「大阪民主新報」より)
投稿者 jcposaka : 2012年02月24日