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民意は都構想ノー 堺のフォーラムに200人 前堺市副市長の高橋氏らが報告

2012年03月24日

 堺市を3つに分割する橋下・維新の会の「大阪都構想」に対して、同市の竹山修身市長が不参加を表明し、市議会でも大都市制度協議会の設置条例案が否決される中、フォーラム「堺市の未来と『大阪都構想』〜堺市の民意は」(主催・同実行委員会)が18日開かれました。会場のサンクスエア堺(堺市堺区)の会議室には200人以上が詰め掛け、用意した150部の資料集がすぐになくなり、立ち見や会場の外で聞く人も。「堺の民意は都構想ノー」の熱気にあふれました。

破壊には創造で敵意には信頼で

 前堺市副市長の高橋保氏、立命館大学の森裕之教授、大阪市労働組合総連合の中山直和書記長が報告しました。
 高橋氏は、橋下氏が知事任期を残しダブル選に出馬、当選会見で国政進出に言及するなどは「異様な光景だ」と批判。維新の会の次期総選挙公約「維新八策」が「消費者のニーズのない雇用を税でむりやり創出しない」などとしていることについて、「適者生存、優勝劣敗で、人の住めない荒涼とした土地のイメージだ」と批判しました。
 また高橋氏は、橋下氏が支持される背景には、非正規雇用の増大など、国民につくられた分断があると指摘。「開かれた関係の再構築を目指し、破壊には創造を、憎悪や敵意には信頼や協働で応じ、共生社会へのグランドデザインを対置することが重要。国を破壊する動きに、堺から待ったをかけよう」と呼び掛けました。

都構想言いながら道州制に言及

 森氏は、橋下前府政が「大阪発地方分権改革<rジョン」(09年3月)で関西州の実現と府内市町村の合併を打ち出したことに触れ、関西広域連合の設立(10年12月)など、シナリオ通りに進んでいると指摘。「『大阪都構想』は堺市や大阪市の財源を吸い上げ、景気回復にならないことが明らかな大型公共事業をやろうというものだ」と述べました。
 さらに森氏は、橋下大阪市長が就任直後に「次の国政選挙は道州制が争点になる」と発言したことに関連して、「『大阪都構想』では大阪府域は残り、府県域をなくす道州制とは両立しない。こういう論理が平然と流れている」と、橋下・維新の会のでたらめさを批判しました。

暮らしの向上求める願いと矛盾

 「暮らしを良くしてほしいという住民の願いと『大阪都構想』は根本的に矛盾する」と強調した中山氏。第1に「府市統合本部」で、カジノ誘致や大阪湾ベイエリアへの企業誘致、道頓堀への巨大人工プールなどが議論されており、「ベイエリアの再開発や関空リニアを含めると1兆円の公共事業が浮上している」と批判しました。
 第2に中山氏は、橋下市政の「区政改革」で区長権限とされているのは、学校選択制や赤バスの存廃、保育所民営化など住民サービスを向上させる話ではないと指摘。「市政改革プラン基本方針編(案)」でも、区役所はNPOや民間社会福祉法人などを支援するだけになっていることを示しました。
 会場からは「『大阪都構想』は、独立自治体としての堺市をなくすもの。イタリアのフィレンツェやベネチアと並ぶ日本の自治都市が堺。そのことを再認識することが堺を守る出発点」「教育基本条例は、『激化する国際競争を勝ち抜くための人材育成』というが、自民党政権時代の中央教育審議会の答申そのもの。橋下氏は『革新』『改革』ではない」などの発言がありました。

堺を守る一点で市民が共同して

 最後にあいさつした、住みよい堺市をつくる会の丹野優事務局長(堺市職員労働組合委員長)が、「大阪都構想」から堺市を守り発展させるという一点での共同を強めるため、「自由と自治・堺の会」(仮称)のような組織をつくることを提案。満場の拍手が起きました。(2012年3月25日付「大阪民主新報」より)

投稿者 jcposaka : 2012年03月24日

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