大阪市議会代表質問 逃げの橋下市長「思想調査」違憲否定できず 日本共産党 北山市議団長が追及
2日開かれた大阪市議会本会議で、日本共産党市議団の北山良三団長が代表質問に立ち、橋下徹大阪市長による憲法違反の「思想調査」問題を正面から追及しました。北山団長は、今議会から本会議質問に導入された「一問一党」方式を生かし、今回の調査そのものが違憲・違法であることなどを指摘。橋下市長に対し、大阪府労働委員会(府労委)の勧告に従い自らの責任で調査をただちに中止し、収集データの廃棄、職員・市民に謝罪するよう求めました。(2面に「思想調査」問題での1問1答の大要を掲載)
北山団長は今回の調査が、憲法が保障する「思想・良心の自由」(19条)、「政治活動の自由」(21条)を侵す、「まさに『思想調査』だ」と迫りました。橋下市長は「憲法19条違反ではない」などと繰り返し答弁しましたが、問題はその理由です。 「市役所組織の健全かつ正常な労使関係を見極めるのが目的」「憲法19条違反といわれる事柄でも、外形的な行為を取り調べることは刑事訴訟法上許されている」と橋下市長。「思想・良心を調査する目的」ではなく、一定の条件があれば憲法19条違反とならないという言い訳です。 さらに橋下市長は「(調査結果を)僕自身が見ることもなく、廃棄される」などと答えたのに対し、北山団長は、「調査目的や、市長が見るか・見ないかにかかわらず、業務命令で全職員に義務的に調査すること自体が『思想調査』であり、内心の自由を侵すものだ」と強調。核心を突かれた橋下市長は、今回の調査が憲法19条にしない理由を最後まで説明できませんでした。 「思想調査」をめぐって大阪市労働組合連合会(市労連)が府労委に救済を申し立てたのを受け、調査の実務リーダーである特別顧問の野村修也弁護士が調査の「凍結」を表明したのが2月17日。府労委は同月22日、異例のスピードで勧告を出し、申し立てについての判断が出るまでは調査続行を差し控えるよう、橋下市長に求めました。責任逃れに終始
北山団長は質問の冒頭、橋下市長の全責任・全権限の下で大阪市の公金を使って野村氏に調査を依頼し、市長の業務命令により実名で回答を義務付けたものだと指摘。府労委の勧告に「従うか」と詰め寄ったのに対し、橋下市長は「しかるべき機関の勧告だから、従う」と表明せざるを得ませんでした。
ところが北山団長が、府労委勧告が市長の責任で調査続行の停止を求めたと指摘すると、橋下市長は、「野村特別顧問の判断を尊重するのが僕の責任、判断だ」などと責任逃れに終始しました。
北山団長が「野村特別顧問の『凍結』では駄目だということだ」と指摘したように、橋下市長が「勧告に従う」と言うなら、自らの責任で調査を中止し、収集データの即時廃棄、職員・市民への謝罪を行う以外にないことが、いよいよはっきりしてきました。
今回の調査では「この2年間、特定の政治家を応援する活動への参加の有無・内容・誘った人の名前」を回答する項目があり、市職員だけでなく一般市民も記入する対象になっています。
この点を北山団長がただしたのに対し、橋下市長は「野村特別顧問は弁護士として守秘義務を負っている」「収集した情報は公にしない」「市民とか、どこの対象が、どこまでの範囲に及んでいたか詳細は知らない」などと居直り。「思想調査」の矛先が市民に向けられていること自体について否定できませんでした。
市長の資格問う
北山団長は「一般市民の個人情報に関わることを自分の知らないうちに調査されている。あってはならないことだ」と批判。「憲法に従って市長として活動するのが当然。憲法に触れるやり方は、どんな理由をつけてもやってはいけない。日本国憲法の下で政治に携わる資格が橋下市長にあるのか、問わざるを得ない」と主張しました。(2012年3月11日付け「大阪民主新報」より)
投稿者 jcposaka : 2012年03月10日