活用広がる自然エネルギー 共産党国会議員団がウオッチング
原発ゼロ社会の実現、自然エネルギーの本格的普及を目指し、日本共産党国会議員団近畿ブロック事務所は2日、大阪府内で自然エネルギーを活用する施設を視察する「自然エネルギーウオッチング」を行いました。清水ただし、堀内照文両衆院比例候補ほか、吉川れいこ(大阪1区)、山本陽子(同2区)、わたなべ結(同3区)、石川たえ(同7区)、いそがわ和洋(同8区)、みわ智之(同11区)、吉井よし子(同12区)、てらやま初代(同13区)、野沢みちあき(同14区)、岡井勉(同16区)の各氏ら約50人が参加。吉井英勝衆院議員、たつみコータロー参院大阪選挙区候補も参加しました。
気温32度を超えた午前11時過ぎ。東大阪市東鴻池町1丁目のポッポ第2保育園の屋根に設置された太陽光発電パネルが降り注ぐ太陽光に輝いていました。
NPO法人自然エネルギー市民共同発電(大阪市中央区)が同園屋根を借りて06年2月に設置した「ポッポおひさま発電所」。これまでの発電量は7万1千`h時を超え、大部分は同園で消費。電気を使わない日は関西電力に売電し、火力発電所で発電した場合と比べて、約49dのCO2を削減したことになります。
自然の恵みを環境教育に生かそうと、園内2カ所には雨水を貯めるドラム缶「雨水くん」も設置。蛇口から出た水が園庭に小さな川をつくり、園児たちは泥んこ遊びに夢中です。ビオトープや給食の野菜クズを肥料に変える「ミミズのお家」などもあり、父母や子ども、地域の人たちと一緒に、地球温暖化問題や環境問題を考え続けてきました。
一行は屋上で太陽光発電設備を見学。同園事務長の宮村恵さん(49)は、「子どもたちにどんな自然環境を残していけるかと考え、毎日の生活の中に“自然”を取り込んで、子どもたちと学び続けてきました。これからも地球環境を守る活動を続けていきたい」と話していました。
一行は次に堺市東区の同市クリーンセンター東工場へ。堺市方式と言われ資源エネルギー庁長官賞も受賞した高効率の「スーパーごみ発電システム」を視察しました。
家庭ごみ焼却時のごみ発電に加え、ガスタービン発電を組み合わせたシステムで、省エネと未利用エネルギーの有効活用策として考案されたもの。生み出される電力は約1万5千世帯分の家庭電力に相当。堺市30万世帯の約5%に当たり、隣接するスポーツ施設などで活用されるほか電力会社に売電。年間約4億円を売電しています。
続いて堺市南区の泉北ニュータウンへ。桃山台配水場に設置された小水力発電設備を視察しました。
同配水場は、府営水道から送られてきた水道水を貯留し、各配水池へポンプで送水する施設。2007年に水車型の水力発電機が設置され、これまでは失われていた水力エネルギーを、電力として回収できるようになりました。
最後に大阪市役所の屋上に設置された太陽光発電設備を視察。2009年3月に当時市議だった清水氏が、民生保健委員会で、太陽光発電普及のための個人向けの補助制度充実と合わせ、市庁舎屋上に太陽光発電設備を設置するよう求め、10年11月に庁舎屋上の南側に、25`hの発電設備が設置され、庁舎照明などの電力として活用されています。
清水氏は「原発ゼロ、自然エネルギー普及を願う国民の先頭に立って奮闘していきたい」と語りました。
持続可能な将来への道
吉井衆院議員が講演
視察に先立ち吉井氏が講演。福島第1原発事故に触れ「原発頼みで将来のエネルギーは保障されない」と強調し、日本の総発電電力量(年間)約900億`h時に対し、再生可能エネルギーの物理的限界潜在量は約12兆`h時に及ぶと説明。「再生可能エネルギーと自然エネルギーの発展こそ持続可能な将来への道だ」と力説しました。
太陽光や水力、風力、海、森林資源、農畜産廃棄物など再生可能エネルギーと自然エネルギーの特徴を説明。全国一律ではなく、地域特性に合わせた活用で爆発的普及が可能になると強調。自然エネルギー先進地の高知県梼原町や長野県伊那市など農林業や中小企業の仕事と結び付けている事例を紹介しました。
安全保障の見地からエネルギー政策について言及した吉井氏は、在日米軍基地の広大な土地も、エネルギー開発に活用できると発言しました。
最後に大飯原発再稼働に触れ、電力、原発メーカー、ゼネコン、鉄鋼・セメント、メガバンクなどで形成される「原発利益共同体」の狙いは、原発再稼働を通じて原発輸出に走ることだと指摘。「原発撤退、自然エネルギーへの転換のたたかいを各地で広げ、日本の政治と経済、社会のゆがみを正し、未来を切り開こう」と呼び掛けました。
(2012年7月15日付「大阪民主新報」より)
投稿者 jcposaka : 2012年07月14日