大阪市議会閉会 市民にはサービス切り捨て 市職員には政治行為を禁止 維新・公明が悪政推進
自治体の原点に反する「改革」
大阪市の7月臨時市議会は7月27日、橋下徹市長の「市政改革プラン(案)」に基づく12年度補正予算案、「職員の政治活動の制限に関する条例案」、「市立学校活性化条例案」などを維新の会、公明党などの賛成多数で可決し、閉会しました。
補正予算案は維新の会、公明党の賛成で可決。反対討論に立った日本共産党の北山良三議員は、橋下市長の市政運営について、国の悪政から市民を守る防波堤となるべき地方自治体の原点に真っ向から反するものと批判しました。
北山議員は、あらゆる世代の市民の暮らしと福祉を支える事業を廃止・削減する道につながる「市政改革プラン」の問題点を指摘。自民党が提出した補正予算の組み替え動議に賛成しました(組み替え動議は自民・みらい・日本共産党の賛成、維新の会・公明党の反対で否決)。
言いなりになれというどう喝
「職員の政治活動の制限に関する条例案」は、違反すれば「原則懲戒免職」だったのを「戒告、減給、停職又は免職」に修正。維新の会と公明党、自民党が賛成しました。8月1日から施行されます。
本会議で反対討論に立った山中智子議員は、大阪市役所で長年続いてきた不適切な労使の癒着、選挙時などの一部労働組合のあるべき姿からの逸脱など、悪しき組織風土と決別し、すべての職員が住民全体の奉仕者としての自覚と誇りを持ち、市民に信頼される職員集団を目指すのは当然だと述べた上で、「休日などのプライベートな時間を含めて、極めて広範に政治的行為を禁止する条例は許されない」と強調しました。
山中議員は、条例案が引き写しにしている国家公務員法の禁止項目自体が「時代錯誤であり、国際社会から批判を浴びている」と指摘。「憲法、時代の流れに照らしても、国際標準から見ても、一日も早く撤廃されるべきものを引用して条例案が狙うのは、市長の言いなりになる物言わぬ公務員であれという、どう喝以外の何ものでもない」と批判。修正しても時代錯誤の人権侵害と異常な公務員敵視という条例案の本質は何も変らないと主張しました。
市立学校活性化条例 軽はずみな空論
「市立学校活性化条例案」は維新の会と公明党の修正案を両会派の賛成で可決。反対討論で日本共産党の井上浩議員は、校長を原則公募し、職員以外からの採用は任期付職員とすることについて、「教育の専門化としての力量・資質・経験が求められる校長の役割からみて、あまりに軽はずみな空論」と批判しました。
井上議員は、修正案が「学校協議会」の委員を校長・区長の意見を聞いて教育委員会が任命するとしていることについて、「特定の政治的主張を学校運営の中に持ち込みやすくしようとすること」と指摘。さらに条例案によって、学校間の競争をあおる「学校選択制」導入を推進しようとしていると述べました。(2012年8月5日付「大阪民主新報」より)
投稿者 jcposaka : 2012年08月04日