橋下「改革」具体化許さぬ 共産党市議団.決算市議会前に懇談会
秋の大阪市議会(7日開会)を前に、日本共産党大阪市議会議員団(北山良三団長)が4日、大阪市役所内で市民団体との懇談会を開きました。
市民との間に大きな矛盾が
7日開会した大阪市議会は11年度の公営・準公営企業の決算、10月12日からは同年度の一般会計決算を審議します(12月14日までの会期99日間)。
開会あいさつした北山団長は、橋下徹市長就任から約9カ月が経過する中、市民施策切り捨ての「市政改革プラン」や、「府市統合本部」が打ち出した住吉市民病院の廃止など、悪政を具体化すればするほど、市民との間に大きな矛盾を引き起こすことになると強調。新たに就任した公募区長が、橋下市長の意向をくんで区政を運営すると住民との矛盾を広げると述べ、橋下「改革」の問題点を明らかにし、市民の暮らしを守る運動を党派を超えて広げようと呼び掛けました。
役割を放棄し人災招くもの
大阪市政の焦点と決算議会の特徴について井上浩政調会長が報告。井上氏は、橋下市長が進める新自由主義的な「改革」は、あらゆる世代の市民施策を軒並み切り捨て、地方自治体の役割を放棄・否定するものだと指摘。企業の利益を最優先にした地下鉄民営化や住吉市民病院の廃止方針など、「自己責任を市民に押し付け、どの分野でも人災を招く」と批判しました。
井上氏は11年度の公営・準公営企業決算(表)のポイントを説明。地下鉄は10年度に全国の公営地下鉄で初めて累積欠損金を解消し、大きな黒字を生み出す超優良企業となっていると指摘。「その財産を市民にどう活用するのかという矢先に橋下市政が誕生し、民間に丸投げする方向を出した。民営化には一片の道理もない」と述べました。
市バス解体で大混乱必至
市営バスについて、「府市統合本部」は58系統を民営化し、残る81系統はいったん廃止し、廃止後の空白地域のあり方は区長が判断するとしています。
「こんなことをすれば大混乱は必至」と述べた井上氏は、10年当時にバス600両体制(赤バス含む)で3億円の経常黒字になるとの試算があることを示し、「バス事業単体でも黒字を出せる。バス解体にも道理なし」と述べました。
また井上氏は、住吉市民病院の廃止方針について、「府市統合本部」が統合先に挙げている府立急性期・総合医療センターそのものが飽和状態にあることを示し、「住之江、住吉、西成の南部医療圏は最も高齢化が進み、診療科も少なく、分娩施設も少ない。一つの総合病院をつぶすのはあまりに乱暴」と述べ、現地建て替えこそ必要だとしました。
続いて山中智子幹事長が、国会で可決・成立した「大阪都」法案の内容や問題点、「大阪にふさわしい大都市制度推進協議会」での議論について報告しました。
共同を広げて運動を広げる
参加者からは、「橋下市長に『従軍慰安婦』問題での暴言の撤回を申し入れた。クレオ大阪を5館残すためにも引き続き共同を広げて頑張る」(新婦人府本部)、「住吉市民病院がなくなると子どもが産めない地域になる。廃止方針を知らない人もあり、全戸配布や保育所前宣伝に取り組む」(住吉市民病院を充実させる市民の会)などの発言がありました。
(2012年9月16日付「大阪民主新報」より)
投稿者 jcposaka : 2012年09月16日