大阪市議会本会議 市民無視の姿勢改めよ 日本共産党・尾上市議が追及 共産党を敵視・すり替えに終始.橋下市長
17日開かれた大阪市議会本会議で日本共産党の尾上康雄議員が質問に立ち、市民の暮らしや地域のきずなを壊す「市政改革プラン」の撤回などを求めました。橋下徹市長は、まともに答弁せず、「共産党は無責任」などのすり替えに終始。逆に、同市長がいかに市民無視の市政運営を行っているかが浮き彫りになりました。
「改革プラン」
敬老パス有料化やめよ
橋下市長無料は異常事態
橋下市長が防災・防犯やボランティア活動の中心を担ってきた地域振興会への予算削減や食事サービスへの補助金削減などを打ち出していることについて、尾上議員は「地域福祉を大きく後退させるもの」と指摘。地域活動の担い手の声に耳を傾け、新たな「地域活動協議会」づくりを押し付けないよう求めました。
クレオ大阪はすべて存続を
尾上議員は、敬老パスの有料化や市バス路線の半減、上下水道料金福祉措置の廃止に高齢者から怒りと不安の声が出ていることを示して中止を要求。公衆浴場の固定資産税減免は「廃止」から「1年継続」になったが、内風呂のない家が市内で8万戸に上る中、公衆浴場を保護する上でも継続するよう求めました。
またクレオ大阪について尾上議員は、中央館(大阪市天王寺区)以外の4館を廃止することは「男女共同参画施策を充実する必要がないということか」とただし、5館とも存続するよう迫りました。
橋下市長は地域活動について「地域で住民サービスを展開することで地域自らが財源を確保する」と説明。敬老パスは「大阪市だけが全国唯一無料なのは異常事態」と攻撃しました。「公衆浴場は守らないといけないが、支援のあり方は議論する」と答え、「クレオ大阪を建てることが男女共同参画施策ではない」と話をすり替えました。
「学校選択」制
教育環境整備こそ必要
橋下市長統廃合進まない
統廃合促進が本当の狙い
橋下市長が公立小中学校への導入に固執する「学校選択制」。尾上議員は各行政区の「学校教育フォーラム」で「学校の序列化を助長する」「子どもの安全通学面で問題」など懸念の声が多数出ていることを紹介し、いじめ問題などで指定校に通えない理由がある場合は「指定外就学」で柔軟に対応できると述べました。
尾上議員は「『学校選択制』の本当の狙いは、学校間の過剰な競争をあおることで競争格差を生み出し、『選ばれない学校』の統廃合を進めることではないか」と追及。義務教育にふさわしい教育環境を整えることこそ公教育の現場に必要であり、その議論が抜け落ちた「学校選択制」の導入はきっぱりやめるべきと力説しました。
さらに尾上議員は、学校維持運営費が年々削減されている中で、プールの水の入れ替え回数を減らしたり、必要な教材が買えないなど教育実践に支障が生まれていると指摘。学校維持運営費を増額することや、市立高校の耐震化は60%と小中学校(98%)に比べて遅れているとし、100%の耐震化を急くよう求めました。
橋下市長は「『学校選択制』は進めていく」と答弁。「(1校)12クラスないと集団教育ができないと専門家が結論を出している」「共産党のような主張で統廃合がなかなか進まない」などと、「学校選択制」によって統廃合を進める狙いをあからさまに語りました。
あいりん地区
医療センターの存続を
橋下市長 挑発・居直り繰り返す
橋下市長が掲げる「西成特区」構想に関連して、尾上議員は、まずあいりん地区の対策が必要だと強調。結核対策では、結核健診時に即判定して治療に結び付けるなどの予防対策で98年から10年間で結核罹患(りかん)率が半減したことを示し、「一層徹底できるように体制を強化すべき」と求めました。
尾上議員は、橋下市長が「市政改革プラン」で社会医療センターの入院機能の縮小・廃止を打ち出していることについて、「結核対策、公衆衛生、社会医学的対策の拠点としても、入院機能も存続させ、現地で建て替えるべき」と要求しました。
医療を受ける権利侵害する
西成区で8月から生活保護受給者に対して実施されている「医療機関等確認制度」は、1診療科の受診はあらかじめ登録した1医療機関に限定し、薬局も1カ所に制限するもの。尾上議員は「生活保護受給者の医療を受ける権利を侵害するもの」と批判し、即時中止を求めました。
橋下市長は社会医療センターのあり方について「専門家でない共産党の人がいろいろ言っても仕方ない」などと発言。「医療機関等確認制度」についても「別に何も侵害していない。(医療扶助の)適正化は必要」と居直りました。
震災がれき
真摯な姿勢著しく欠如
橋下市長自然放射浴びてる
最後に尾上議員は、橋下市長が岩手県の震災がれき3万6千dの受け入れを表明し、11月には舞州ごみ焼却工場で試験焼却を実施しようとしている問題で質問。市民説明会で橋下市長が、「沖縄が米軍基地を受け入れているように、大阪でがれきを受け入れるのが日本人のきずな」「皆さんの意見を聞いて決めようとは思っていない。選挙で選ばれた私の考えで決める」などと発言したことを尾上議員は紹介し、市民の不安と不信を広げていると述べました。
安心と納得与える説明を
尾上議員は「不安を持つ市民に、安心と納得を与える誠実な説明をせず、真摯(しんし)な政治姿勢が著しく欠如している」と批判し、科学的で冷静な議論ができる公開討論会や説明会を繰り返し開くよう要求。橋下市長は「いま現時点でもわれわれは自然放射能を浴びている。岩手県の要望があるので大阪市で対応する」などと述べるにとどまりました。
(2012年10月28日付「大阪民主新報」)
投稿者 jcposaka : 2012年10月27日