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命・暮らし売り渡すTPP 参加阻止へ声上げよう 共産党吹田市議団がシンポ開く

2012年12月02日

すべてが金もうけの対象に♀~原正澄関大教授

 総選挙で熱い争点となっているTPP(環太平洋連携協定)が、日本の農業、食と暮らし、医療に重大な影響を与える問題点を明らかにし、阻止に向けて声を上げようと、日本共産党吹田市議会議員団(塩見みゆき団長)が11月23日、吹田市内で「TPP問題を考えるシンポジウム」を開き、約120人が参加しました。 

農業の保護は先進国の流れ

 シンポジウムで基調講演した関西大学の樫原正澄教授は、TPPについて「国の形、国民生活のあり方を変え、すべてを金もうけの対象していこうという重大問題」と強調。農業は国民に食料を供給し、土地はじめ自然に依存した「生命産業」であり、工業と同じ基準で競争すれば破壊されることから、農業を保護するのが先進国の流れだと述べました。
 樫原氏は、TPPの本質はアメリカ主導であり、交渉の対象は農業や食の安全だけでなく、工業、保険・金融、公共事業など24項にわたり、すべての物品貿易の関税を撤廃するなどの問題点を挙げ、「農産物の産直運動も国際法違反で訴えられることになる」と警告しました。
 パネル討論では吹田市医師会の四宮眞男会長、農民組合大阪府連の佐保庚生副会長、日本共産党の石川たえ衆院7区候補が報告しました。

医療の分野も営利産業化へ

 「総選挙の中でTPP問題を一番注目している」と切り出した四宮氏は、アメリカは30年前から日本に対し医療分野の市場開放を要求してきたことを振り返り、「小泉『構造改革』が医療の営利産業化が進め、民主党政権は『開国』の名でTPPを推進してきた」と批判しました。
 四宮氏は、「混合診療の全面解禁で公的保険の範囲が狭まり、国民皆保険が崩れ、お金のあるなしで医療が決まることに。総選挙でもこうした問題点を考えて行動を」と呼び掛けました。

食料自給率が10%代になる

 佐保氏は、現在の日本の食料自給率(40%)でまかなえる国民1人当たりの食事(農水省試算)は、朝食はごはん1杯・こふきいも1皿・ぬか漬け、昼食は焼きいも2本・ふかしいも1本・果物1切れ、夕食はごはん1杯・焼きいも1本・焼き魚などでしかなく、「TPP参加で自給率が13〜14%になればどうなるか、考えてほしい」と問い掛けました。都市農業も含め、日本農業を持続的に発展させることを考えることが重要だと述べました。

TPP反対の一点で共同を

 石川氏は農薬アレルギーの娘を育てるために、完全無農薬の米を苦心して食べさせてきたことや、家族の医療費負担が高いことを紹介しながら、「日本の農業を破壊し、残留農薬などが危険な輸入農産物をどんどん入れていいのか。混合診療が解禁になれば、貧しい者は病院に行けなくなる」と強調しました。「国民の命と暮らしを売り渡すTPPに、皆さんと一緒に反対の声を上げていきたい」と決意を語りました。

どの分野にも打撃を与える

 会場からは「TPPは『問題』どころか、絶対阻止しなければならない。農業だけでなく日本の各分野に打撃与えるもの。安保条約でアメリカにものも言えない日本では駄目だ」「産業振興条例を基に官公需の地元優先発注などに取り組んでいるが、TPP参加で安価な商品・労働力が入り、地域経済の破壊を招くのは必至」などの発言がありました。
(2012年12月2日付「大阪民主新報」より)

投稿者 jcposaka : 2012年12月02日

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