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草の根の力強め参院選勝利へ/たたかいの最前線・大阪で奮闘を/日本共産党大阪府委員会山口勝利委員長

2013年01月06日

山口勝利府委員長 12月の総選挙後、政治の新たな激動が始まる中、2013年は参議院選挙での勝利を目指す日本共産党。山口勝利党大阪府委員長に、総選挙結果をどう見るのか、今後の展望などを聞きました。
(聞き手は編集部)


虚構の多数による“自民党圧勝”

――あけましておめでとうございます。
山口 新年おめでとうございます。昨年にも増して激動の年明けとなりました。本年もどうぞよろしくお願いします。

得票を5分の1に減らした民主

――総選挙、お疲れ様でした。新たな激動の始まりです。
山口 総選挙は未曾有の激しさとなりました。ご支援・ご奮闘いただいた皆さんに心から感謝します。
 民主党政権の失政への国民の怒りが広がり、民主党は全国で議席を4分の1に減らしました。大阪では得票を5分の1に減らし、比例代表の得票率9・2%は全国46位となりました。
 自民、公明両党が3分の2を超す議席を獲得しましたが、これは小選挙区制の弊害である「虚構の多数」の上に築かれたものです。大阪でも自民党の得票を有権者比でみると小選挙区は14・4%、比例代表は12・0%にすぎません。
 一方、維新の会は、行き場を失った「2大政党」批判票を一定吸収し、大阪の比例得票率は35・9%と全国一となりました。橋下市長が市長選で獲得した75万票に対し、今回の大阪市内の得票は42万票でした。
 
 「改革ビジョン」への共感広がる
 
――選挙後、安倍自公政権を中心に「増税連合」「改憲連合」がつくられています。
山口 これは極めて重大です。日本共産党は、野党として安倍・自公体制と正面から対決していきます。
 「アベノミクス」などと称されていますが、金融緩和と公共事業を進め、消費税増税を実施するのでは、物価上昇の下で賃金が下がり続け、国民の暮らしが一段と苦しくなります。消費税増税を中止し、働く人の所得を増やす政策に転換してこそ、デフレ不況から抜け出ることができます。
 また、憲法9条を標的に、憲法改定の国会発議要件を3分の2から2分の1に緩和しようとしています。9条を守り抜き、9条を生かした平和外交でこそ、アジアと世界の信頼を得ることができるのです。
 
 重要課題で展望示せぬ自公政権
 
 
 原発問題の解決、TPP(環太平洋連携協定)、米軍基地問題、領土紛争など、どう解決していくのか、安倍・自公政権は、何らの展望も示せていません。これからの国民運動が重要です。日本共産党が提起してきた改革ビジョンが重要な意義を持ってくると思います。
――共産党の改革ビジョンに対する共感も広がりましたね。
山口 日本商工連盟大阪地区代表世話人の小池俊二さんには、「国民所得を増やす経済改革で、中小企業も仕事も増えて税金を納められるようになれば、財政赤字も解消します」、真面目な政党は共産党だけ、総選挙で共産党が増えなければと激励していただきました。
 作家の瀬戸内寂聴さんが「言っていること、していることがぶれない政党を選ぶべきだ」と話されたのが話題になりましたが、インターネットの「Yahoo!みんなの政治」でも共産党に投票した大阪の人の理由に、「ブレてない野党に一票」とか「本当に信頼できる党だから」などの声が投稿されていました。
 また、「基本的人権をないがしろにする憲法を制定しようとする政党には投票できない。脱原発、反TPP、憲法改定反対」という声もありました。
 
 政党間の力関係変える取り組み
 
――総選挙で前進への足がかりもつかんだといわれていますが。
山口 大阪の共産党の比例得票率は7・7%で、高知、京都、長野に続く全国4位。小選挙区得票率は11・7%で、高知、京都に続く全国3位で、大阪の奮闘が反映されていると思います。
 清水忠史さんの議席を確保できなかったことは本当に残念です。近畿であと16万6730票が必要でした。1支部当たりにすれば38票差。参院比例票の1・1倍あれば競り勝てました。
 この悔しさをバネに参院選での勝利を目指したいと思います。寝屋川南部後援会では、投票日翌日、さっそく事務所前に、手作りの「たつみコータロー」さんのポスターを張りだしていただきました。
 大阪の小選挙区得票は、前回48万9612票に対し、今回46万2260票で得票をほぼ維持しました。得票率は10・6%から11・7%になり、前回より1・1ポイント増です。3区(得票率25・6%)と5区(同23・7%)が2位となりました。政党選択に発展させれば、比例代表の前進につながります。
 
 大阪市内で民主比例票を上回る
 
 大阪市内では、共産党比例票(10万3388票)が、民主党比例票(9万5210票)を上回り、府全体でも大きく接近しています。橋下・維新と正面から対決する共産党への信頼と共感が反映していると思います。
 公明党は、前回比例票から11万4千票減らし59万票に後退。社民党は、9万9千票減で5万1千票に。維新の進出がありますが、政党間の力関係を変化させ、参院比例代表、選挙区の勝利を切り開く足場があると思います。


各分野で生まれた新しい共同に

――総選挙以外にも、さまざまな運動が繰り広げられた2012年でしたね。
山口 昨年は、大震災の復興支援に引き続き取り組みながら、消費税増税反対、原発ゼロ、TPP参加反対、電機リストラ許すなのたたかいなど、府民の暮らしを守るたたかいに力をつくしてきました。

反動的逆流を許さないたたかい

 同時に、「2条例」阻止など、反動的逆流を許さないたたかいに全力を挙げました。「橋下市長による違憲・違法な『思想調査』の中止・データ廃棄へ、民主主義を守る一点での広範な共同を」と呼び掛け、大阪と全国のたたかいに広がりました。55人の原告による思想調査裁判は、人間の尊厳を懸けた誇りあるたたかいです。
 さらに、橋下市長による市民向け施策全面切り捨ての「大阪市政改革プラン」に反対するたたかいも、地域振興会の皆さんなどと共同し、大きく広がりました。この中で、前大阪府教育委員長の生野照子さんが党演説会でゲストスピーチしてくださるなど、新しい共同が生まれました。
 私たちは総選挙勝利を目指し「党勢拡大大運動」に取り組む中で、2千人の新しい党員を迎えました。選挙中も「入党した若い女性党員が、アナウンサーデビューしてみんなを励ました」「新入党員が、壁をつくらず80人に声を掛け、結び付きで支持を大きく広げてくれた」など、新入党員の皆さんは、党活動の活性化の原動力となっていただきました。
 大阪がかわれば日本がかわる
 
――2013年の幕開けです。
山口 大局的な視野で見れば、自民党型政治が行き詰まり、新しい政治を求める、新しい時代に入っています。今回の選挙で一定の支持を集めた維新の会も、府民の願いに応える立場はありません。
 複雑な展開を見せていますが、新しい政治を求める大阪の政治・政党状況は、たたかいの最前線にあることは間違いありません。大阪がかわれば日本がかわる≠フ気概で、共同をさらに広げ大いに奮闘していきたいと思います。
 
 選挙区勝利の悲願を実現したい
 
 今年の大仕事は、半年後の参院選の勝利です。比例代表では山下よしき参議院議員をはじめ5議席を獲得することです。大阪選挙区は定数が4になります。たつみコータローさんの当選で、選挙区勝利の悲願を実現するたたかいです。
 山下議員は、党国会議員団で大きな役割を果たしています。リストラ問題で大企業の責任を追及し、国会で「思想調査」問題を取り上げました。
 たつみコータローさんは、若さと抜群の行動力を発揮しています。生活相談活動、1人区の府会に3回挑戦した、文字通り試され済みの政治家です。
 1月27日投票の茨木市議選をはじめ、中間選挙の一つ一つを勝ち抜き、参院選への勢いを強めていく決意です。
 府民と深く結び付き、日本と大阪の前途を示す力を持った、強大な党の建設がいよいよ不可欠となっています。さまざまな困難に直面し、その解決を求める各層の広範な国民に溶け込み結び付く力、「草の根の力」をどう強めていくかです。

「赤旗」と「民報」が果たした役割

 総選挙では、マスコミ情報の大洪水の下で、「しんぶん赤旗」「大阪民主新報」は大きな役割を果たしました。毎日、毎週、変化する政治の状況をどう見るのか、豊富な材料で、的確な情報を伝える役割はかけがえのないものです。
 大阪でのたたかいが焦点となる中、「大阪民主新報」に大きな注目と期待が集まりました。今年も、「大阪民主新報」の役割が欠かせません。魅力ある紙面で大きく読者を広げていきましょう。
(2012年12月30日・2013年1月6日合併号「大阪民主新報」より)

投稿者 jcposaka : 2013年01月06日

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