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市民施策切り捨てやめ自治体本来の役割果たせ 暮らし応援と福祉増進 中小企業の営業支援を 来年度予算案 共産党大阪市議団が要望

2013年01月19日

 日本共産党大阪市議会議員団(北山良三団長)は11日、昨年末にまとめた「2013年大阪市予算編成と施策に関する要望書」(別項)に基づいて橋下徹市長と意見交換しました。

市政改革プランを撤回せよ

 議員団の8人全員が出席。あいさつした北山団長は、市民の暮らしを守る立場で国に言うべきことを言うと同時に、大阪市が本来の自治体の役割を果たして安全・安心の確保と福祉の増進、中小企業の営業を守るために優先した予算と施策を進めるべきと強調。橋下市長が打ち出してきた住吉市民病院の廃止や地下鉄民営化や市バスの解体(民営化と廃止)、「市政改革プラン」に基づく敬老パス有料化はじめ市民施策の切り捨てを中止すべきと主張しました。
 また北山団長は、橋下市政下で昨年11月から中学校卒業まで拡充された子どもの医療費助成制度について、日本共産党がこれまで条例提案を24回行い、市民運動と力を合わせて実現を求めてきたことなどを示し、「私たちは『何でも反対』ではなく、市長の提案に賛成できるものもある」と指摘。「問題は市民にとってプラスになるかどうか、中身をしっかりと議論したい」と述べました。

保険料引き下げは強い要望

 井上浩政調会長が要望書の主な内容を説明。高齢者施策については、高い介護保険料・国民健康保険料の引き下げが市民の強い要望だと述べ、軽減努力を行うべきと要求。障害者や高齢者など「交通弱者」を直撃する市バスの解体・民営化、赤バス廃止は撤回するよう求めました。
 昨年3月、橋下市長は認可保育所の面積基準(1人当たり)が「0歳児5平方b」「1歳児3・3平方b」だったのを、0〜5歳をすべて「1・65平方b」へと大幅に引き下げる条例案を提案し、日本共産党以外の各党が賛成。井上議員は当時の付帯決議に基づいて来年度以降も実施には慎重に取り組むよう強調しました。
 また住吉市民病院の廃止問題では、存続を求めて広がる地元住民の声をよく聞き、現地建て替えを行うよう求めました。

中小企業は大阪経済の主役

 橋下市長は、中学校給食などを実施する財源のために「市政改革プラン」があり、「それを外すと(改革が)実行できない」などと発言。これに対し北山団長は、総事業費3千数百億〜4千億円といわれる淀川左岸線延伸部事業など無駄な公共事業を進めようとしていることを示し、「市民に関わるものを削って改革と言うのはおかしい」と批判しました。
 また北山団長が、湾岸地域への進出企業を無税にする「特区」など大企業誘致に力点を置くのではなく、大阪経済の主役である中小企業を活性化することが経済対策として重要だと力説。橋下市長が「大阪市だけで景気を上向きにさせることはできない。関西州くらいにならないと駄目」と決め付けたのに対し、北山議員は「自治体としても経済対策はとれる」と反論しました。

共産党大阪市議団の要望から

 同議員団の要望書は前文で「いまこそ国民のくらしと家計を応援し、所得を増やす改革への抜本的転換が必要」とし、「市民の暮らし・健康・福祉を最優先にする自治体に」「原発の即時廃止、震災・防災対策を抜本的に強める」「公営交通を守り、充実させる」など10の柱に計約350項目を盛り込んでいます。
 要望項目では「市政改革プラン」の撤回、市独自の高齢者施策の拡充、憲法と法に基づく生活保護制度の実施、市としての雇用対策や中小企業対策の推進、「大阪都構想」の撤回や「教育行政基本条例」「市立学校活性化条例」「職員基本条例」「政治活動制限条例」の廃止などを掲げています。

共産党大阪府議団が要望

 日本共産党府議団(宮原威団長)は9日、2013年度予算や施策などについて、「暮らし応援や雇用拡大、中小企業振興で景気回復を図る府政を」と要望しました。

中小企業振興条例具体化を

 中小企業向け施策では、融資制度の改善をはかるとともに中小企業金融円滑化法の延長を国に求めることを要求しました。「特区」など大企業に依存する成長戦略ではなく、府中小企業振興基本条例を具体化するため、「中小企業振興会議(仮称)」を立ち上げ、中小企業振興計画を策定すること、条例の「基本方針」の具体化のための施策を検討するワーキンググループを、中小企業の参加で立ち上げることを求めました。
 シャープやパナソニックなど電機情報関連企業の大規模な雇用削減の中止、正規雇用の拡大など雇用への社会的責任を果たさせるよう要望しました。「若者雇用奨励金制度」、「府公契約条例」を創設・制定し、正規雇用を拡大し「官製ワーキングプア」をなくすことを求めました。
 暮らしの問題では、子どもの医療費助成制度を就学前まで拡大、児童虐待に対応する職員体制の拡充、生活保護基準を切り下げないよう国に求め、法に基づく適正な生活保護行政となるよう市町村への指導・助言を徹底することなどを求めました。国民健康保険や介護保険の保険料負担軽減など改善を国に求めるよう要望しました。

少人数学級の拡充など要望

 教育分野では、35人以下学級の拡充を国に求めるとともに、府が小学3年生と中学1年生に拡充すること、府立高校の学区撤廃中止、3年連続定員割れ校の統廃合は行わないことなどを求めました。正規雇用の教員を増やし定数内講師を減らすなど、教員の多忙化を解消し、授業準備の時間確保や子どもたちに向き合う条件を整備、養護教員やカウンセラーの増員も要望しました。
 子どもたちを過度な競争に駆り立てる小中学校「府学力テスト」をしないことや、支援学校の新設、私学助成(経常費助成)を国標準額に戻すことなども求めました。

体罰容認する風潮の根絶を

 要望に絡み、堀田文一政調会長は、大阪市立桜宮高校で体罰を受けた生徒が自殺した事件に触れ、体罰の禁止を徹底するとともに「『教育は強制』などと体罰を容認する風潮を根絶しなければならない」と述べました。
 中之島図書館の存続、文楽協会への補助金を削減しないこと、上方演芸資料館(ワッハ上方)の存続、国際児童文学館の機能充実、国際平和センター(ピースおおさか)の補助金を削減しないこと、「近現代史施設」構想の中止なども求めました。
 関西電力大飯原発(福井県)の停止を国や関電に求め、「原発ゼロ、自然・再生可能エネルギー推進都市」宣言を行うなどとともに、学校などの耐震化を急ぎ、豪雨対策なども求めました。
 小西禎一副知事らが応対し、「雇用問題では経済団体に申し入れたい」などと応じました。
(2013年1月20日付「大阪民主新報」より)


投稿者 jcposaka : 2013年01月19日

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