「都」ありきで法定協へ 維新・公明が規約案採決強行 大阪市議会財政総務委 山中議員が批判
橋下徹大阪市長が1月24日開会の臨時市議会に提出した「大阪都構想」の区割りや財政調整制度を決める「大阪府・大阪市特別区設置協議会」(法定協)の規約案を審議する大阪市議会財政総務委員会が同月28日に開かれました。日本共産党、自民党、民主党系のOSAKAみらいが反対、維新の会と公明党が賛成し可否同数となり、木下誠委員長(維新の会)が可決を決定。採決に先立つ質疑で、日本共産党の山中智子議員は「市民の理解のない『大阪都構想』の制度設計ありきの議論を急ぐもの」として反対意見を表明しました。
公約を反故にしバラバラにする
山中議員は、「大都市制度推進協」での議論を振り返りつつ、「大阪経済の低迷の原因は東京一極集中や雇用の悪化、大型開発の失敗などであり、統治機構のあり方ではなく、政治の中身の問題。各会派からも異論が出ており、法定協に移行できるほど議論を重ねてきたとは言えない」と強調しました。
さらに11年秋の「ダブル選」で維新の会が「大阪市をバラバラにはしません」「『大阪都構想』は市民生活を良くするための手段」と書いたビラを配って大宣伝したことをあらためて紹介。「実は大阪市はなくなり、市民サービスも現状を維持できない可能性が高い。市民に問い掛けることなく、法定協に移れば、後戻りができない」と批判しました。
京極副市長は「市民が具体的に理解できない、分かりにくい部分があるのは事実と思う」としながら、「(法定協に)具体的な制度のたたき台を示すことで、初めて実質的な住民の意向も聞ける」などと話をすり替えました。
府・市特別区設置協議会(法定協)
同協議会は昨年8月に成立した「大都市地域における特別区の設置に関する法律」(いわゆる「大阪都」法)に基づくもの。規約案は、知事、大阪市長、府議会・大阪市議会両議長、府議、大阪市議の計20人で構成し、大阪市を解体して設置する特別区の名称・区域、議員定数、府との税源配分や財政調整などを決める「協定書」を定めることを盛り込んでいます。大阪府議会では昨年12月に可決しています。
規約案の前文は「大阪にふさわしい大都市制度推進協議会(大都市制度推進協)」で「大阪府と大阪市が担っている広域機能を一元化し、大阪市を特別区に再編するなど新たな大都市制度の枠組みが確認された」と明記。維新の会が掲げる「大阪都構想」を前提とした制度設計を行うのが法定協議会です。(2013年2月3日付「大阪民主新報」より)
投稿者 jcposaka : 2013年02月02日