「賃上げ待ったなし」 日本共産党「アピール」で懇談 政治動かし流れ変える 大阪でも広がる対話と共同
「働く人の所得を増やしてこそ、日本経済はまともに発展する」――日本共産党が2月に「働くみなさんへのアピール 賃上げと安定した雇用の拡大で、暮らしと経済を立て直そう」で打ち出した提案が政治を動かし、大阪でも立場を超えた対話と共同を広げています。
賃上げ当たり前の社会に
日本共産党は、賃上げと雇用確保、国民の暮らしを守ってデフレ打開を進めようと、党中央委員会が発表した「働くみなさんへのアピール」を各企業の労働組合に届ける懇談活動を続けています。
府内では、これまでに200を超す労組を訪問してきました。大阪中央地区委員会は、これまで78労組にアピールを届けて懇談。賃上げへの関心は強く「執行委員10人分の資料をください」との反応も。
北福島地区委員会は、毎日、読売、中日はじめ新聞社や阪急、ダイキン工業など大手企業の労組を軒並み訪問。「5年間500円のベースアップを要求するがゼロ回答」「春闘の応援ありがとうございます」などなごやかに懇談しました。また阪急電鉄関連の企業の労組では「賃上げが当たり前の社会にならないと駄目ですね」との声も。電力関連の労組では「国から20%賃金カットを言われているが困っている」との意見も。
茨木豊能地区委員会は、連合傘下の12労組を訪問。初対面でも30分を超えて対話が弾むことも。「職員採用はすべて非正規で、その中から正社員登用がある。アピールにはまったく同感です」、「一部大企業の賃上げは一時金だけで、基本給こそ上げるべき。これでは中小企業や非正規労働者まで波及しない」との意見もありました。
世界的にも当然の要求
日本共産党府委員会は14日、大阪市此花区の梅花殿で「賃上げ・安定雇用についての懇談会」を開き、労働組合の代表や中小企業経営者ら約100人が参加しました。同党書記局長代行の山下よしき参院議員が、「働くみなさんへのアピール」に基づいて報告。たつみコータロー参院大阪選挙区候補があいさつしました。
山下氏は、長期にわたる賃金減少や非正規雇用の急増、無法な解雇の横行は、先進国でも日本だけの異常な事態だと述べ、「賃上げと安定した雇用の拡大は、労働者とその家族の実態からも、世界の流れから見ても極めて当然の要求」と指摘。働く人の所得を増やすことが、デフレ不況を打開する上でも待ったなし”の課題になっていると語りました。
賃金引き上げの方向が生まれる
山下氏は、260兆円にも上る大企業の内部留保を、各企業が社員の給与を増やす方向で使うことが、内需を拡大して日本経済の好循環を作り出す突破口になると強調。「大企業が、巨大な影響力にふさわしい社会的責任を果たすべき」と述べると同時に、政府が賃上げ目標と、それを実現する政策を持って責任を果たすべきだとしました。
山下氏は、日本共産党の国会質問に安倍晋三首相が「正規、非正規の関係なく(賃上げを)呼び掛けたい」などと答弁したことを紹介。「そのことが国民世論にもなり、日本経団連が『賃下げ』さえ口にしていた中で、正社員の一時金とはいえ一部に賃金引き上げの方向が生まれている。正論とたたかいで賃上げに流れを変えよう」と力を込めました。
参加者の討論から
「労働者を大切にしてこそ」
ゲスト発言した道修商事株式会社(保険業)の取締役で、兵庫県立大学大学院生の松浦章さんは、「『生産性を上げるために賃下げや長時間労働、非正規雇用もやむを得ない。そうでなければ国際競争に負ける』と財界は言うが、1人当たりGDP(国内総生産)が日本より上位の北欧4国には長時間労働はない。利益第一主義の思想を払拭(ふっしょく)し、労働者を大切にしない限り、真の『企業の社会的責任』は果たせない」と語りました。
参加者からは、「大リストラの中で、会社に在籍しながら仕事を与えられず、1日机に向かって『自己学習』を強いられる実態がある。電機産業14万人リストラが2倍3倍になる恐れがある。ぜひ食い止めてほしい」(電機情報ユニオン)、「440万円だったタクシー労働者の平均年収が、消費税増税(97年)を機に減少し、いま270〜280万円。誰でも賃金を上げ、まともに暮らせる社会に」(自交総連)、「非正規労働者は正規職員と同様に仕事をしながら、慶弔休暇が無給になるなど大きな差別がある。中小企業支援とセットで最低賃金引き上げを求める運動に取り組んでいる」(大阪労連非正規部会)などの発言がありました。
安定した雇用確保を
たつみ候補 オフィス街で宣伝
日本共産党のたつみコータロー参院大阪選挙区候補は12日、大阪市中央区のオフィス街で街頭宣伝し、「解雇自由化を許さず、安心して働き暮らせる日本を実現しよう」と訴えました。
金融機関や商社などのビルが集まる御堂筋。昼休みの本町駅頭で、女性後援会員らがビラを配ると、次々と通行人らが受け取っていきました。
たつみ氏は、安倍政権が雇用の柔軟化と称して解雇規制の緩和など労働法制大改悪を狙っていると告発。正社員から期間不明の有期雇用など、非正規への置き換えがさらに進むと指摘し、「安定した雇用が失われれば、労働者の生活は土台から崩れてしまう」と訴えました。
(2013年4月21日付「大阪民主新報」より)
投稿者 jcposaka : 2013年04月20日