「歪んだ人間観と歴史観にもとづく 橋下市長の暴言に抗議し、辞職を求める」アピール
2013年5月23日 日本共産党大阪府内全女性議員一同
13日に日本維新の会共同代表・橋下大阪市長が、旧日本軍「慰安婦」問題について、「慰安婦制度というものが必要なのは誰だってわかる」と述べ、さらに米軍海兵隊の司令官に「もっと風俗業を活用してほしい」と求めました。公人としての歴史認識のひどさに驚くとともに、戦時下のみならず女性を男性の欲求の道具としてしか見ない、世界にも通用しない女性観、歪んだ人間観は男性の尊厳も踏みにじるものです。橋下氏の「従軍慰安婦は必要だった」の発言は、元「慰安婦」とされた女性たちの苦しみ、怒りを全く理解せず、人権のかけらも感じられません。さらに橋下市長は国内外からの批判に対しても、批判に耳を傾けるどころか、「従軍慰安婦は必要だった」との「発言は撤回しない」「日本だけが批判されるのはおかしい」と居直り続けています。公職の座にいすわり続けながら、女性の人権を繰り返し蹂躙し、侵略戦争の事実から目をそらし、過去に日本が犯した過ちを自ら認めようとしない態度は許されません。
戦時下における女性への性暴力が取り上げられた国際女性戦犯法廷(2000年)や、政府が調査した「河野談話」(1993年)の裏づけとなった被害者の証言は、誰もが真実であると認めざるを得なかった重いものです。日本政府はこれまでも、国連やILOなどの国際的な人権擁護機構から、元従軍慰安婦問題に対し早期解決をはかるよう繰り返し、勧告・指摘をうけています。すでに大阪府下の6自治体(箕面・吹田・高槻・泉南・堺)で「日本軍『慰安婦』問題の早期解決を求める意見書」が採択され、大阪市議会では2010年10月に採択されています。橋下氏がこうした事実も踏まえず、歴史の真実から目をそらす態度をとりつづけること、その橋下氏の暴言に安倍内閣が否定も批判もしない態度をとり続けることに、不信と批判の声が広がりつづけています。今、日本の政治家に求められるのは、アジアで2000万、日本で310万人の命を奪った侵略戦争の事実に向き合い、ドイツのようにヨーロッパ各国の信頼をとりもどした真摯な姿勢に学び、憲法9条の立場でアジアの平和共同体の要として役割を果たすことです。
維新の会共同代表・橋下市長の一連の暴言が、改憲の動きを強めている安倍内閣のもとで発せられていることに、私たちは大きな危惧を抱いています。私たちは再び戦争する国にしようとするすべての企てを決して許しません。また、それにつながるすべての暴言を許しません。私たち大阪府内の日本共産党全女性議員は、維新の会共同代表・橋下大阪市長の「女性の人権を蹂躙し冒涜する発言の撤回と謝罪、公職の辞職」を強く求めるものです。
投稿者 jcposaka : 2013年05月23日