慰安婦制度必要だった 橋下大阪市長、暴言再び 撤回・謝罪・辞任求める声相次ぐ 米軍には風俗業活用の勧め

橋下徹大阪市長(日本維新の会共同代表)が11日、日本軍「慰安婦」問題に触れ、「慰安婦」制度を正当化する暴言を行った上、米軍に「風俗をもっと活用を」と勧めた問題で、抗議と発言の撤回、辞任を求める声明が相次いでいます。15日には緊急集会が大阪市役所前で行われました。(3面に橋下発言要旨)
市長の資格も国政を語る資格もない
日本共産党の市田忠義書記局長
日本共産党の市田忠義書記局長は13日の記者会見で、「人間の血が流れているのかと思うぐらいだ。公の党首の資格がないだけでなく、市長たる資格も、国政を語る資格もない」「『慰安婦』制度を公然と認めるなどというのは論外で、許しがたい」と述べ、同党府委員会の柳利昭書記長も、「驚くべき歴史認識、人権感覚の欠如を示すもの」とした談話を発表。同党大阪市議団は14日、橋下市長あてに発言の撤回と関係者への謝罪を申し入れました。
すべての女性に対する挑戦
日本軍「慰安婦」被害者が共同生活する韓国・ナヌムの家のコメント
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橋下大阪市長の発言は、全世界の女性の人権に対する挑戦です。いまなお解決されていない日本軍「慰安婦」被害者問題は、韓国と日本の歴史問題を超えて、国際社会が共に解決しなければならない普遍的な人権問題であり、被害者たち自身の問題を離れて全世界の女性たちの問題です。
橋下市長の妄言は、戦争が起これば、あなたの祖母、母、そして娘も「性奴隷」化し、人権を侵害するという犯罪的発想です。
いまも世界のいたるところで、精神的肉体的な苦痛の中で、毎日苦しみながら暮らしている性暴力被害者を、あなたはどのように考え、戦争犯罪被害者の本当の人権回復は何であると思っていますか?
ナヌムの家で共同生活をしている日本軍「慰安婦」被害者は、日本が起こした戦争に強制的に連れて行かれ、日本軍の「性奴隷」になり、現在も肉体的精神的な傷を抱えて生きています。韓国と日本の真の平和構築と発展のためには、この方々が生存している間に、日本政府が公式謝罪を通じて解決しなければなりません。ナヌムの家を訪問し、歴史的真実を学び、二度とこのような犯罪が発生しないように、被害者の皆さんを通じて真の女性人権意識を学ぶよう希望します。
日本の恥 即刻辞任すべき
「慰安婦」問題の国家責任や戦争犯罪などを研究している林博史関東学院大学教授の話
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日本軍「慰安婦」制度は、国際法・刑法違反の犯罪だと認識しながら、軍だけでなく警察や内務省、外務省なども含めた国家ぐるみの犯罪で、これほどの国家による組織的系統的な性奴隷制度はナチスドイツを除くと他に例をみません。「強姦予防」の名による「慰安婦」制度は、日本独自のものでした。
国際社会には、戦後、日本軍「慰安婦」問題をきちんと裁かなかったことが、今日の戦時性暴力の横行を招いたという反省があります。だからこそ、00年の国連安保理決議では、すべての国に対し、「性的その他の女性・少女に対する暴力を含む戦争犯罪の責任者への不処罰を断ち切り、訴追する責任がある」としました。現代の問題を解決するためにも、組織的大規模な性暴力である日本軍「慰安婦」制度の事実を認め、償いをすることこそが大切です。
今回の橋下発言は、「慰安婦」問題をと風俗と同列に置いたこと自体にも問題がありますが、同時に、風俗をあてがっていれば男はおとなしくするものだという、彼の人間観を明らかにしたもので、女性だけでなく男性に対する侮辱でもあります。
このような発言をする人間は公職につく資格はなく、日本の恥です。即刻辞任すべきだと思います。(2013年5月19日付「大阪民主新報」より)

投稿者 jcposaka : 2013年05月19日
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