生活保護引き下げやめよ 共産党が政府交渉 府民要求の実現へ奮闘
日本共産党国会議員団大阪事務所は5月22日、生活保護を取り巻く問題や国民健康保険の財政支援、アスベスト被害者への補償、35人学級完全実施など、大阪府民の要望を基に、政府交渉を行いました。山下よしき書記局長代行・参院議員、たつみコータロー参院大阪選挙区候補はじめ、門真、貝塚、四條畷、泉南、大東の各市議団、各地区委員会の政策担当者らが同席しました。
石綿被害者の補償必ず
厚生労働省では、生活保護を取り巻く問題や国民健康保険の財政支援、アスベスト被害者への補償について交渉。アスベストについて発言した泉佐野市議は、国の責任・賠償責任を認めた大阪地裁判決を国が控訴し判決が取り消されたこと、被害者が高齢化しすでに9人の原告が亡くなっていることに触れ、「被害者を国と企業の責任で救済し、企業責任が明確になるよう調査を進めること」「広く調査を進め、これまで被害が明らかになっていない被害者にも補償を図る」など3点を求めました。
厚労省の担当者は、「すぐに認められない現状はあるかも知れないが、一定の基準をもって科学的知見の中で対応している。被害者が亡くなられても遺族が訴えられるようにしている」と回答しました。
山下よしき書記局長代行は、「被害者の皆さんは苦しみ、実際に亡くなっている。裁判を理由に耳を傾けないというのは間違い。しっかり被害者の思いを聞き入れ、すぐ改善すべき点は改善していくのが行政の役割です」と求めました。
「水際作戦」やめさせろ
生活保護について、共産党側は、▽生活保護基準の引き下げをしない▽水際作戦につながる『扶養義務調査』の停止▽生活保護受給者の市営住宅転居の際、転居費を支給しないことの撤回(大阪市)などを要求。大阪市西成区が実施する医療機関等確認制度の違法性について、政府の見解をただしました。
厚労省側は、扶養義務問題について、「受給要件ではないが可能な場合は扶養してもらいたい」、「転居費の取り扱いについては厚労省として変えていない。支給できる」などと回答しました。
問題なのは低い捕捉率
たつみ候補は、「物価下落を理由に生活保護の引き下げを言うが、物価が下がっているのは電化製品などで、生保受給者とあまり関係ない。引き下げの基準がおかしい」と述べ、本人の実家まで出向いて扶養要請を行う行政の実態を示し、「水際作戦が合法化されれば、北九州市で相次いだ餓死事件が繰り返される」と指摘。「そもそも生保の捕捉率が低い中、生活保護を受けやすい方向に改革することが必要。生活保護引き下げは不当であり反対だ」とし、現行の生活保護制度を改悪させてはならないと述べました。
午後から交渉項目のグループに分かれ経済産業、文部科学、環境、国土交通各省と交渉しました。参加者から、「現場、当事者の声をリアルにつかんで国政に届ける必要を痛感した」などの感想が寄せられました。
国の悪政が地方苦しめる
たつみコータロー候補
「三位一体改革」による国からの補助金、交付金の削減が地方財政を苦しめています。生活保護費の削減が強行されれば、非課税基準引き下げなどに連動し、多くの市民サービスの利用や料金にも影響は広がります。
国民生活に責任を負わない政府の姿勢に怒りを感じます。政治を大本から変えるために全力を挙げます。(2013年6月2日付「大阪民主新報」より)
投稿者 jcposaka : 2013年06月02日