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原発ゼロで命守れ 宗教者がシンポ・デモ

2013年06月22日

 宗派の違いを越えて宗教者が集い、「原発ゼロの日本を目指す」シンポジウムが13日、大阪市中央区の南御堂で開かれ、仏教やキリスト教、天理教、金光教など多様な宗派から150人が参加。終了後は「命を守ろう」「子孫に核のごみを残すな」など唱和しながら、関西電力本店前(同市北区)を通り同市福島区までデモ行進しました。滋賀や京都、奈良、和歌山、大阪の各宗教者平和協議会(宗平協)の主催。

 コスモス寺として知られる般若寺住職で奈良宗平協代表理事の工藤良任さんが、「宗派の違いを越えて自らの信仰に基づき、原発の有害性と将来の危険性を説いていかなければならない」と開会あいさつ。全日本仏教会が脱原発を目指す宣言を採択した当時の会長で、臨済宗妙心寺派管長の河野太通さんは、「政治を超えた命の問題」と強調、再稼働や海外輸出を「経済的利潤を一部の人間が受けている」と批判し、「自己の欲望を満たすことが幸せだと錯覚している。物事は相互依存し、ご縁をいただいて生きているという心理が重要だ。運動が長く続くことを願う」と話しました。  シンポジウムは、総本山聖護院門跡・門主の宮城奉年さんのコーディネートで、真言宗明通寺住職の中嶌哲演さんと浄土宗宝鏡寺住職の早川篤雄さん、日本福音ルーテル稔台協教会牧師の内藤新吾さんが発言しました。  原爆被爆者支援や原発設置反対運動に取り組む中嶌さんは、原発の行方を左右する「立地地元」に加え、福島第一原発事故以降に「被害地元」の概念が生まれたと指摘し、さらに「消費地元」の考え方を提唱。消費者としての自覚を持つよう促しました。経産省が、原発廃炉の費用を電力会社が長期間に分割して決算処理できる仕組みを検討していることを、「原発をやめられる道を暗示している」と紹介しました。  内藤さんは「宗教者は命を守り危険を遠ざける役目がある」として、静岡県の原発反対運動を紹介。会場からの「北朝鮮の脅威に備え核武装も必要悪では」との質問に、「武器で対抗するのは愚かで、外交により解決することが必要」と述べ、「原発で商売したい人にとって憲法9条が邪魔。原発と憲法は密接に関わっていることを知る機会がいる」と指摘しました。  1395年開山の宝鏡寺は福島原発から30`b圏内で、「私の寺に限っても600年来の人々の暮らしが断たれた。(事故は)危険性を指摘してきた住民の声をことごとく無視した結果」と、原発を推進・安全神話を振りまいた国や電力会社、マスコミを厳しく批判。「原発事故は人々の過去・現在・未来すべてを剥奪した。いつ避難生活を終えられるのか、いまどう暮らせばいいかの見通しもつかない」と早川さんは語り、「毎週金曜の官邸前行動が全国に広がり、根強く続いている。みんなで継続することが大切」と訴え掛けました。(2013年6月23日付「大阪民主新報」より)

投稿者 jcposaka : 2013年06月22日

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