よりよい子育て支援を 保育・子育て集会に1600人 新制度の問題点話し合う
「第45回みんなで保育・子育てを考える集会」(同実行委員会主催)が14日、堺市堺区内で開かれ、保育関係者や保護者ら約1600人が参加しました。政府が消費税増税を前提に2015年度から実施するとしている「子ども・子育て支援新制度」についてシンポジウムを開き、中山徹奈良女子大教授のコーディネートで各パネラーは「関係する住民と繋がり、制度を少しでも良いものにするため運動しよう」など語り合いました。
市町村の責任が大幅に後退
新制度は市町村の保育実施義務が限定的なものにされ、市町村が保護者について保育の必要性を認定し、保護者と施設が直接契約することが基本となります。国が骨格を示し、各自治体がニーズ調査を行い「子ども・子育て会議」での議論を経て事業計画を策定、面積や人員配置の基準などを定めます。各市町村間で保育の質に格差が生まれることが懸念されます。
ひどい現状にまひしないで
けやきの木保育園(名古屋市)の平松知子園長は、産業廃棄物施設の隣や鉄道の高架下などにある保育園、「認可保育園に入れるなら、兄弟児がバラバラになってもいい」という親の声を紹介し、「ひどすぎる現状にまひしてはいけない」と訴えました。
大阪保育運動連絡会会長の河村学弁護士は、「子どもが安全に過ごすために必要な面積や人員配置を、科学的・実証的に示し運動することが必要ではないか」と問題提起しました。
子の成長に責任持つ制度に
ジャーナリストの木村雅英さんは、「市町村が公立保育園を直接に設置運営することは、住民福祉の増進という基本的役割を果たす上で要になる」と強調し、新制度を、市町村が全ての就学前の子どもの成長に責任を持つものにする必要性を述べました。
(2013年7月21日付「大阪民主新報」より)
投稿者 jcposaka : 2013年07月18日