15日告示の堺市長選 維新が橋下氏参加でタウンミーティング ウソで始まった「最大の政治決戦」 市民の共同 分断に躍起
堺市長選(15日告示・29日投開票)で維新の会は、「大阪都」構想の成否や党の存亡を懸け、橋下徹代表(大阪市長)自身が「最大の政治決戦」と叫んでいます。橋下氏も参加するタウンミーティングを同市内全7区で開催。第1回目は8月29日、市議補選も行われる同市西区内で開かれましたが…
「総力戦」の構え
橋下氏の発言は、真っ赤なうそから始まりました。「選挙の時だけしか伺わずに、本当にすみません」と切り出した橋下氏。「選挙の時にお願いして、後は市役所の中とか役所の中に閉じこもって仕事をやってる関係もあって…」などと釈明≠オました。
昨年の総選挙で、大阪市長としての公務を投げ出して全国遊説などに飛び回り、批判を浴びた橋下氏。参院選があったことし7月の「公務日程」も9日間だけ。「閉じこもって」いたどころではありません。
タウンミーティングは馬場伸幸衆院議員の進行で、テーマ別に橋下氏、松井一郎知事(維新の会幹事長)、市長選に立候補を表明している西林克敏前市議が討論するというもの。約500人でほぼ満員となった会場の前列には維新の会の府議や大阪市議が陣取りました。
維新の会は国会議員に最低3回の「堺入り」を指示するなど「総力戦」の構え。この日も小沢鋭仁国対委員長(山梨1区)や村岡敏英(比例東北)、遠藤敬(大阪18区)の両衆院議員が参加し、小沢氏は開会あいさつで「これからの日本の地方のあり方を変えていく、まさに起爆剤になるたたかい」と強調してみせました。
堺市の廃止分断
討論で橋下氏は、竹山修身市長が「堺をつぶすな」「堺は一つ」を掲げ「大阪都」構想に反対していることについて、「われわれの『大阪都』構想は堺をつぶさないし、堺という名前はなくさない」と説明しました。しかし堺市を廃止・分割するのが維新の会の狙いです。
「堺市の税金が都に吸い上げられる」という批判について橋下氏は「竹山市長のやる仕事(の一部)を知事がやるというふうに役割分担を変えただけ」と反論。しかし8月の府市特別区設置協議会で示された「大阪都」構想の制度設計案に盛り込まれた「財政調整制度」では、特別区に配分されるのは調整財源の76%でしかありません。
「堺が『大阪都』に入ったときに、どういういいことがあるか」という馬場衆院議員の問い掛けに、西林氏は「大阪全体のことは大阪で、堺のことは堺の区で判断していただく」などと述べるにとどまりました。
松井知事は「『光の饗宴』というイルミネーションを冬の大阪の風物詩にしたいのに、堺が入ってこない」など「大阪都」構想とは関係のない説明も。質疑応答では参加者から「防戦一方の説明だけではないか」という声も出たほどです。
市民の良識恐れ
橋下氏は竹山市長を「自民党、民主党、そしてあろうことか共産党とまで手を握ってしまった」「共産党と考え方が一緒になれるわけがない」などと攻撃しました。
竹山市長は「都構想ノー」を示すためには「広範な政党、団体、市民の固い絆が必要」と力説。日本共産党は「住みよい堺市をつくる会」の一員として、「大阪都」による「堺市つぶし」「堺市乗っ取り」を許さない立場から竹山市長を自主的に支援しています。
堺市議会では6月、「日本維新の会共同代表らによる、いわゆる従軍慰安婦問題等に関する発言の撤回及び謝罪、さらに公職の辞任を求める決議」が賛成多数で可決されました。ソレイユ堺(民主系含む)、日本共産党、自民党・市民クラブが共同提案したものです。
西区でのタウンミーティングで橋下氏は自らの暴言問題について一言も触れずじまい。逆に、「都構想ノー」で広がる共同や市議会決議に示された市民の良識を恐れる橋下氏の姿が、透けて見えるというものです。(2013年9月8日付「大阪民主新報」より)
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投稿者 jcposaka : 2013年09月08日