幼稚園つぶし 橋下市長暴走 「民営化ありきやめよ」 共産党・寺戸議員が追及
目前に迫った堺市長選(15日告示・29日投開票)で、橋下徹大阪市長(日本維新の会共同代表)は「大阪都」構想に向けて「堺市乗っ取り」を狙っています。一方、お膝元≠フ大阪市では、「改革」の名で強行する維新政治が市民に犠牲と混乱を拡大。その一つが市立幼稚園を一方的に廃園・民営化する計画です。
要支援児の受け入れで
市立幼稚園の役割鮮明
8月28日、大阪市議会教育こども委員協議会で、橋下市長が8月に公表した市立幼稚園民営化計画案の集中審議がありました。 「計画案」は全59園のうち第1期に8園を廃園(14年度末から15年度末)、11園を民営化(15年度〜17年度)すると打ち出しました。幼稚園のある22区の各区で1園を廃園・民営化するという前提です(3区3園は第2期以降)。
日本共産党の寺戸月美議員は、地元淀川区内にある3園のうち廃園対象の新高幼稚園について、周辺地域はマンション建設で子どもが増える一方、私立幼稚園はなく、廃園の理由はないと強調。同幼稚園に要支援の子どもを通わせる母親からの手紙を紹介しました。 手紙は、区内すべての私立幼稚園に入園を断られたが、市立の先生に支えられ子どもが成長していることに触れ、「障害を持っている子どもたちも他の健常児と同じ大阪市民」「学ぶ場所の選択の権利を奪わないで」と訴えたものです。 「要支援児の受け入れで市立幼稚園の果たす役割は鮮明だ」と迫った寺戸議員。榊正文淀川区長らが「私立でも受け入れられるよう、支援する」と答えたのに対し、担保がないと指摘。「先に民営化ありきの議論を改め、公私共存で教育充実こそ必要」と説きました。保護者・地域の声無視
団体・市民が撤回要求
橋下市政が市立幼稚園を3期(5年)に分けて全園を廃止・民営化する基本方針を示したのはことし2月。保護者や地域から反対の声が噴出し、3月市議会では当初予算の採決に当たり「全園を対象とした民営化案を見直すこと」とした付帯決議が付きました。
公私立の園長や保護者代表も入った市関係者協議会や各区関係者協議会では「特別な支援を必要とする幼児が市立のように受け入れてもらえるか不安」(市立保護者)、「選択肢として市立があってもよいのではないか」(私立保護者)などの声が上っていました。
8月6日の市協議会では「こういうやり方で廃園とか売却はおかしい」との批判も。橋下市長は席上、「きょうのご意見、協議会だけで終わらせるつもりもない」と述べていましたが、わずか2日後に計画案を発表。会見で「資本主義を認めるかどうかだ」「民間でできるなら民間でやってもらうのが一番いい」と、「民営化ありき」の姿勢をあらわにしました。
「保護者、地域の声をないがしろにする暴挙」と、大阪市学校園教職員組合(大阪市教)や大阪市保育運動連絡会などが廃園・民営化の白紙撤回を求める陳情署名を展開。各地の保護者や地域住民も陳情署名に取り組むなど、10日開会の大阪市議会に向けた運動が広がっています。(2013年9月8日付「大阪民主新報」より)
投稿者 jcposaka : 2013年09月08日