歴史の逆戻り許さない 海外から「9条堅持を」2つの9条会議に5500人
9条は世界の模範
世界会議はフリーアナウンサーの小山乃里子さんの司会で進行。海外からはアジア、ヨーロッパ各国から18氏が参加し、代表して4氏がスピーチしました。
元米陸軍大佐のアン・ライトさんは、日本のイラクでの米国への軍事的な空輸支援は、日本政府と米国や他の諸国との軍事協力拡大の格好の例を示すものだとし、「自衛から本格的な軍国主義の道はすべりやすい急な下り坂であり、日本は不幸にもその下り坂をすべり落ちている」と指摘。そんな中で、「憲法9条を守り、アメリカが選んだ戦争への関与拡大の要求をはねつける国であり続けようと、声を大にして訴えていることは、日本の皆さんの功績だ」とし、「日本は憲法への干渉に対するたたかいをこれからも続け、素晴らしい日本国憲法第9条を堅持することを確信している」と語りました。
韓国の仁荷大学教授のイ・キョンジュさん(憲法学)は、「9条がなかったら、果たして軍国日本をアジアの友達にしてくれたか」と問い掛け、安倍首相や橋下徹大阪市長・維新の会代表の一連の言動を批判。「世界でも隣の韓国でも議論されている平和的生存権を先取りしているのが9条。韓国も日本国憲法の仲間になりたい」と語りました。
第2次大戦中、レジスタンスとしてナチスとたたかった経験もある、95歳のフランス人弁護士、ローラン・ベイユさんは、「日本の皆さんの9条の攻撃に対するたたかいは、世界全体の人類にかかわる問題」だとし、「9条は、平和の国際法という、文明の計り知れないほど貴重な進歩を目指す方向に厳密に合致している。憲法9条を廃止してはならない。9条は模範であって他の国はこぞってこれにならうべきだ。未開の時代に再び戻させないために、私たちは連帯し、その一点において、人類の希望を担う役割を共に果たそう」と力強く訴えました。
1985年生まれのチュニジアの弁護士、ベルハッセン・エヌーリさんば、ことし3月、チュニジアで開かれた世界社会フォーラムで「9条を発見。条文の存在そのものに驚いた」と述べ、若い弁護士たちでつくるグループで、新しいチュニジアの憲法に日本国憲法の平和条項の精神を取り込む提案を準備していることを報告しました。
原発、戦争いらない
日本からは、那覇市議で、「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の高里鈴代さん、福島原発告訴団団長の武藤類子さんがスピーチ。
高里さんは、沖縄で日本国憲法が実現したのは、復帰後の1972年だったとし、復帰後も日米軍事同盟下で県民の人権が侵害され続け、憲法が形骸化されてきたと強調。「憲法が日本全体に行使されているかという意識も持ちながら、憲法改正への明確な反対をしていこう」と呼び掛け。 武藤さんは、「福島の事故は何も終わっていない」とし、避難者への支援打ち切り、賠償が進まない現状などを報告し、責任をとろうとしない日本政府と東京電力を強く批判。「今こそ、一人一人が大切にされ、誰かに犠牲を強いる世界のあり方を問い、原発も戦争も差別もない社会をつくるために力を合わせよう」と訴えました。
若者アピール
若者アピールでは、日韓の若者がリレースピーチで「安倍首相は原発を売り歩く前に、憲法9条を世界に伝えてください」「憲法改正に反対していたわけではないが、今のこの日本社会の流れの中で変えたら、ろくでもないことが起こる」「戦争はその国に住む人々を守るどころか脅威にさらす。どのような理由があっても戦争には反対。憲法の改悪を防がなくては」など発言。
反原発を発信し続けているジュニアアイドルの藤波心さんは、「原発、TPPの問題でも大丈夫です、安全です、絶対に守りますよとさんざんうそをついてきた人たちが、皆さんの将来のために憲法を変えましょうと急に言われても、信用できない」と語りました。
会議のラストには、上條恒彦さんが登場。上條さんは、「前の戦争でもいろんな悲劇があった。戦争に賛成した人ばかりじゃなかったけれど、声が圧殺された。今度はそうさせない。みんなでつながろう」と呼び掛けました。
「行動につなげたい」
●参加者の感想●
石橋敏江さん(70)=元小学校教員、西宮市在住=「9条の素晴らしさをあらためて感じた。若い人にも伝えていきたい」。
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23歳の男子学生= 「憲法9条の意義は、ただ日本が軍隊を持たないだけでなく、地球上から戦争をなくし、平和な国際社会を実現するためにも大切なんだと実感できました。憲法について考えることで視野が大きく広がりました」。
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20歳の女子学生=「日本が憲法9条を守ることは東アジアの諸国を含めた国際社会との約束。絶対に変えてはいけない。戦争と沖縄の歴史について学ぶ中で、憲法9条について考えるようになった。大学の講義では得られない貴重な体験になった。今後の学習と行動につなげたい」。(2013年10月20日付「大阪民主新報」より)
投稿者 jcposaka : 2013年10月20日