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「住まいの貧困なくせ」「脱法ハウス」緊急対策を 入居者の実態調査急げ 家賃補助は政府の責任 参院国土交通委 辰巳議員が初質問

2013年11月10日

たつみコータロー国会初質問

 7月の参院選で大阪選挙区から当選した日本共産党の辰巳孝太郎議員が5日の参院国土交通委員会で初質問に立ちました。社会問題になっている「脱法ハウス」問題の実態を示して緊急対策を要求すると同時に、公営住宅に入れない低所得者への施策を実施し「住まいの貧困をなくせ」と政府に迫りました。
 「私は格差と貧困問題をライフワークに活動してきました」――こう質問を切り出した辰巳議員。此花生活と健康を守る会の事務局員として9年間に約7千件の生活相談に乗ってきただけに、貧困ビジネスの一種である「脱法ハウス」(注)は見過ごせない問題です。
 辰巳議員は、調査が進んで違法な施設の閉鎖が進めば、数千人の入居者が退去を迫られ、路頭に迷う恐れがあると述べ、政府として実態調査するよう迫りました。太田昭宏国土交通相は「特定行政庁や担当福祉部局と連携して対応する」と答えるにとどまりました。

「後は知らぬ」は許されない

 「放置した行政の責任は免れない」と詰め寄った辰巳議員は、自ら実態調査した施設には120人が入居し、閉鎖による退去者の9割が同様の「脱法ハウス」に移らざるをえない実態があると紹介。「(違法を)取り締まるだけで『後は知らない』では行政の責任放棄だ」と厳しく批判し、相談窓口の設置や低利・無利子貸付制度など緊急対策を求めました。
 辰巳議員は、可処分所得に占める家賃の割合について1989年と2009年を比べると、40歳未満の単身男性は12・4%から19・9%、同年代の女性は19・0%から24・7%に増加していると述べました(2012年度「国土交通白書」)。
 辰巳議員は「理由は家賃そのものが上昇し、非正規雇用の増大で低賃金の労働者が増えてきたこと。国の政策に責任がある。『脱法ハウス』はこのような低所得者の受け皿になってきた」と力説しました。
 さらに国の住生活基本計画が、住生活での憲法25条の具体化として「公平かつ的確な住宅セーフティーネットの確保」を明記しているのに、公営住宅にも入れない低所得者への支援策は極めて不十分だと強調。「住まいの貧困」を解消するため、民間家賃補助制度の創設など実効ある施策を政府の責任で実行するよう提案しました。

(注)脱法ハウス
 事務所の一室などを2畳ほどのスペースに細かく区切り、「貸しルーム」と称して賃貸料金を取って居住させる施設。「すぐに入居できる」「家賃が安い」「保証人がいらない」などの理由で入居先に選んでも、窓がなく、防火設備も不十分で建築基準法に違反するため「脱法ハウス」「違法貸しルーム」と呼ばれています。
 ことし国土交通省の調査(9月30日時点)で対象物件は820件で、建築基準法違反で是正指導されたのは254件、指導準備中は107件。392件が調査中となっています。大阪府内の調査対象物件(同)は15件、是正指導3件、指導準備中3件、調査中5件です。

質問を終えて…
活動の成果出せた

 初質問でどぎまぎしましたが、直前の自民党や民主党の、政府を特段追及するわけでもない質問を聞いて緊張が取れました。格差と貧困の解消を目指してきた僕の活動の成果を大いに出せたと思います。
 質問づくりの他に苦労したのは質問時間。各委員会でばらばらですが、会派人数や委員の構成から自民党が一番長く獲得しますが、国会は政府の方針をただすところ。野党には多く割り当てが必要で、まさにここに与野党の攻防があります。
 国土交通委員会は与党190分(自民党160分)、野党170分となりましたが、これは異常です。厚生労働委員会は、野党225分で与党135分(自民党同85分)より90分も長いのです。
 国土交通省は公共事業を審議するため、「実績」を地元に持ち帰りたい自民党議員も多いということでしょう。今回僕は20分でしたが、やはりこれでは少ない!。1分でも多く質問時間を確保できるよう、粘り腰も見せながら頑張ります。(辰巳孝太郎)

インターネット中継で視聴
「生活の土台は国がしっかり責任を」
「若い人の頑張る姿に元気もらった」

 「弱いものの味方、共産党らしい質問や!」。大阪市中央区の玉造後援会は11人が参加し、辰巳議員の初質問をインターネット中継で視聴しました。
 6歳と1歳の子どもを育てる女性(38)は、「官僚の事務的な答弁に対して、脱法ハウスの現場を調査して対策を迫る姿勢はすごいと思った」と語りました。
 新熊貞雄さん(83)は11回目の抽選で府営住宅に入居できました。「年金は下がっても家賃と後期高齢者医療は上がるばかり。住宅確保は生活の土台。国がしっかり責任を果たしてほしい」。
 97歳の藤原寿賀子さんは「共産党の質問を聞くと国の政治の問題がよく分かります。若い人が頑張る姿に元気をもらいました」とにっこり。「他政党が取り上げない視点の質問で迫力があった」「貧困対策から国民全体の住宅施策まで暮らしを守るために政治の課題を明らかにしてくれたと思う」との感想もありました。(2013年11月10日付「大阪民主新報」より)

投稿者 jcposaka : 2013年11月10日

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