大阪市立幼稚園19園廃止案 14園の廃止を否決 市議会本会議 5園は廃止・民営化に 寺戸議員廃止は公的責任放棄
11月29日の大阪市議会本会議で、橋下徹市長が提案していた市立幼稚園19園を第1期分として廃止する条例改正案について、14園の廃止を日本共産党、公明、自民、民主系の反対多数で否決しました。残る5園の廃止・民営化は日本共産党と無所属を除く賛成多数で可決。反対討論に立った日本共産党の寺戸月美議員は、「公教育の責任放棄になる市立幼稚園廃止は認めることができない」と主張しました。
廃止が可決されたのは津守(西成区)、堀川(北区)、中本(東成区)=2014年度末=、瓜破(平野区)=15年度末=の4園。泉尾(大正区)は16年度に民間の認定こども園に移管します。
寺戸議員は、大阪市では私立・公立幼稚園の双方が役割分担しながら幼児教育を担ってきたと指摘。公立幼稚園を廃止すれば、支援を要する児童を受け入れ、セーフティーネット機能が低下し、多様な幼児教育を市民が選択できなくなると強調しました。
さらに各区で開かれた幼稚園協議会や説明会などで保護者や関係者から怒りの声が上がってきたことを示し、「公でなければできない教育内容はない」などと、公立幼稚園つぶしに突き進む橋下市長を厳しく批判しました。
生涯学習センター・市音も廃止
本会議では5館ある市立生涯学習センターのうち、弁天町(港区)、城北(旭区)の2館を今年度末で廃止する条例改正案も、維新、公明の賛成多数で可決。日本唯一の自治体直営のプロ楽団として吹奏楽の発展に大きな役割を果たしてきた大阪市音楽団を廃止し、社団法人化する条例案を、日本共産党以外の賛成多数で可決。「経営基盤の確立に向け必要な期間に支援を講じる」との付帯決議が付きましたが、今年度末で廃止となります。
環境学習センター「生き生き地球館」(鶴見区)の廃止条例案も日本共産党以外の賛成多数で可決。討論で同党の北山良三団長は「事実上府内唯一の環境学習施設であり、存続させながら事業を発展させていくことが求められている」と廃止に反対しました。(2013年12月8日付け「大阪民主新報」より)
投稿者 jcposaka : 2013年12月08日