ブラック企業根絶・正社員が当たり前に 東大阪で実行委員会結成 社会的連帯の輪広げよう
2013年12月15日
ブラック企業をなくし正社員が当たり前の社会にしようと、東大阪市内で6日、「『ブラック企業なくせ・働くのは正社員があたりまえ』非正規労働をなくす実行委員会」の結成総会が開かれ、約200人が参加しました。前日弁連会長の宇都宮健児弁護士が講演しました。
宇都宮日弁連前会長が講演
同実行委員会は、趣旨に賛同する連合系労組も含む労働組合や市民団体、個人で準備が進められてきました。
講演した宇都宮弁護士は、GDP(国内総生産)は増えているのに労働者の賃金は下がり、一方で株式配当や役員報酬、高額所得者、大企業の内部留保が増えていると指摘。「金持ちはケチでためるだけだが、労働者は賃金が上がれば使うし、内需拡大につながる」と述べ、消費税も「上げるより、富裕層に課税すべき」と述べました。 宇都宮弁護士は、失業保険や年金、医療、奨学金など、欧州と比較して、日本の社会保障制度の脆弱性を指摘。生活保護の基準切り下げと同法改悪を厳しく批判しました。 雇用破壊をさらに進めようとする安倍政権を批判した宇都宮弁護士は、貧困問題を解決する課題として、雇用の改善、社会保障の充実、富裕層への課税強化を挙げ、それを実現するための運動と社会的連帯の輪を広げようと呼び掛けました。「こんな思い私を最後に」「ブラック根絶都市宣言を」
青年がブラック実態″数ュ
総会では、青年がブラック企業の実態を報告しました。
全国の百貨店で店舗展開するブランドに入社した女性は、「手の届くはずのない憧れのような会社で、希望を胸に入社」しました。しかし過重な仕事に加え、店長が客の前で叱責したり怒鳴りつけた揚げ句、ペンを投げつけるなどのパワハラも受け、腹痛や耳鳴り、吐き気がたびたび起こり、不眠症になりました。
この会社は毎年関西では15人程度採用するものの、1年後に残るのは1〜2人です。「こんな思いをするのは私で最後にしてほしい」と訴えました。
東大阪市の学童保育の指導員をしている男性は、「有償ボランティアで、労働保険は9割以上が未加入。社会保険や厚生年金、有給休暇、時間外手当の割増など一切の権利が認められていない」と、無権利状態を告発。「子どもたちが生き生きと放課後を過ごすためには、私たち自身が安心して働ける労働環境が必要」と訴えました。
男性は、東大阪市がブラック企業をつくり放置していると批判。「ブラック企業根絶都市宣言」を市にさせたいと話しました。(2013年12月15日付け「大阪民主新報」より)
投稿者 jcposaka : 2013年12月15日