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カジノ誘致!?また巨大開発!? 「都」構想の狙い浮き彫り 財界奉仕 住民そっちのけ

2014年01月12日

 「二重行政のムダをなくす。豊かな大阪をつくる。大阪都構想」――橋下・維新の会は昨年末から、こんなキャッチフレーズのポスターを大阪市内各地に張り出しています。大阪市を廃止・解体する「大阪都」構想にしがみつく橋下徹大阪市長ですが、実現して何をしようというのか。その中身は「豊かな大阪」どころか、刑法で禁止された賭博場=カジノの誘致や不要不急の大型開発にすぎないことが、年末年始の橋下氏らの動きから浮き彫りになっています。

府市一体に急ピッチ――カジノ誘致

 昨年12月24日、府咲洲庁舎(旧WTCビル)で「府市IR立地準備会議」の第1回会合が開かれました。IRはカジノを核にホテルや劇場などが一体になった「統合型リゾート」の略。本部長には松井一郎知事、副本部長には橋下氏が就きました。
 昨年の臨時国会に自民、維新などが提出したカジノを合法化する法案は継続審議となり、今月末に開会予定の通常国会で審議入りする可能性も。この動きに便乗して、「ぜひIRをこの大阪に誘致したい」(松井知事)と設置されたのが準備会議です。

賭博のまち

 橋下氏らはベイエリアの舞洲への立地を念頭に置き、「いろんな用途に使える広いエリアの空き地がある。事業者にとってすごいメリット。自分たちで白地のキャンバスに絵を描ける」と松井知事。泉佐野市の千代松大耕市長が関空対岸の「りんくうタウン」への誘致を表明していることについて、「(全国的な誘致合戦に勝つには)大阪の中であっちや、こっちやと言うのはやめよう」とも語りました。
 橋下氏は知事時代に「こんな猥雑(わいざつ)なまち、いやらしいまちはない。ここ(大阪)にカジノを持ってきて、どんどんバクチ打ちを集めたらいい」(09年)などと公言。
 「『大阪都』構想のための試金石。府市がタッグを組んで招致成功を」との号令を受け、準備会議は「IRの認知度を高める」との目的で1月から2月にかけて府民シンポジウムや府民アンケートを行い、3月にはIRの「基本コンセプト案」をまとめるなど、急ピッチで動いています。

無駄な鉄道具体化へ――なにわ筋線

 「新年早々なので、夢のある、前向きの話を」――6日の年頭記者会見で橋下氏が持ち出したのは、大阪市中心部と関西空港を直結する鉄道新線「なにわ筋線」の整備です。
 JR新大阪駅から大阪駅北側の再開発地区「うめきた」を経てなにわ筋の地下を通り、JR阪和線や南海本線に乗り入れる構想があり、整備する駅数により事業費は1900〜3900億円とされています。「関空アクセス鉄道の利便性は格段に高まる」(橋下氏)と言うものの、現在の鉄道利用から短縮される時間は「7〜8分」(同)に過ぎません。
 知事時代から同線の整備が持論だった橋下氏は「正式に大阪市として府と共同で検討したい。行政手続に乗せる」と表明。事業主体や財源については明言しない一方、決まってもいない市営地下鉄の民営化を挙げ、株式の売却益を財源の一部に充てる考えもほのめかしました。さらに高速道路・淀川左岸線延伸部建設も「大阪全体で考えれば必要」、将来の関空リニアも「やっていかないといけない」と発言しています。

財界の宿願

 府と大阪市の「二重行政解消」や淀川左岸線延伸部建設などは、関西財界がこれまでから要求してきた、まさに宿願。IR誘致についても関西経済同友会は12年3月の提言「関西統合型リゾート『KIR』実現に向けて」で、「全体面積の5%に過ぎないカジノが統合型リゾート全体の7割にあたる収益を稼ぐ」と強調。「(カジノ合法化の)関連法制定の暁には、機を逸せずに統合型リゾート誘致に名乗りを上げるよう」と求めています。
 6日、大阪市北区内で開かれた大阪新年互礼会で、「経済界の長年の提言だったが、言うだけで誰も実現できなかった」と自らの実行力≠アピールした橋下氏。「この方向性に向かって、経済界の皆さんはお力をお貸し下さい」と呼び掛けると、関西経済同友会の加藤貞男代表幹事(日本生命副会長)は「うま年に集まった、うまの合う仲間がみんなで力を合わせ、関空を盛り立て、関西を盛り上げよう」などとエールを返しました。(2014年1月12日付「大阪民主新報」より)

投稿者 jcposaka : 2014年01月12日

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