日本共産党大阪府委員会は大阪市長選について声明を発表しました。
大阪府委員会の声明
いまこそ「大阪都」ストップ・維新政治打破への一大共同を――橋下市長の「出直し市長選挙」にたいする日本共産党の立場
(1)
橋下徹大阪市長は、「大阪都」構想などがゆきづまるなか、みずから市長の職を投げだしながら、市長選挙(3月9日告示・23日投票)に再出馬することを表明しています。
この「出直し市長選挙」には、何の大義も道理もありません。市民多数が橋下氏の態度を「評価しない」と怒っています。
日本共産党大阪府委員会は、橋下市長による「出直し市長選挙」に反対します。この立場から、「大阪都ストップ・維新政治打破」へ、幅広い勢力との共同候補の擁立を追求します。
共同候補擁立が実現しない場合は、「維新政治打破」を求める共同を大切にする見地から、「独自候補擁立」という立場はとらず、橋下氏と「維新の会」に痛打をあびせるたたかいへ、ともに力をつくすものです。
(2)
「出直し市長選挙」のでたらめさは、橋下市長みずからの言明をとおしても鮮明です。
民意とかけ離れた「大阪都」構想――きっぱり断念せよ
第1に、「大阪都」構想議論をすすめるための「出直し市長選挙」などといいますが、それは民意とかけ離れたものです。
橋下市長の辞職は、1月31日に開かれた「法定協議会(大阪府市特別区設置協議会)」において、彼がだした「5区(北区・中央区分離)案」に絞り込んで議論したいという提案が、「維新の会」以外のすべての会派に反対され、否決されたことに端を発したものでした。
自分の思惑が通じないとみるや、「法定協議会」の議論を無理矢理閉じたのは橋下市長と松井知事の側です。そして2月3日、「大阪都の設計図をつくらせてもらうための議論を前にすすめるため」などと称し、「市長辞任・再出馬」などという暴挙にでたのです。
「大阪都」構想は、昨秋の堺市長選挙で「大阪都ノー」をかかげた竹山修身市長が「維新」候補に圧勝し、痛烈な審判を下した問題です。また最近の世論調査でも府民・大阪市民の多数が「反対」しています。加えて、今回の「法定協議会」における議論のとん挫です。二重にも、三重にも破たんをきたした「大阪都」構想は、きっぱりと断念し、橋下市長は辞職して、そのまま大阪市政から去るべきです。
「選挙」を「独裁の道具」に仕立てる橋下市長の手法
第2に、橋下市長が、「出直し市長選挙」によって、議会も、反対勢力も押しつぶそうという、そのあまりにも乱暴な手法に、市民の大きな怒りが呼び起こされています。
橋下市長は、「再選されても議会が動かなければ再々選挙にでる」「自分が勝てば、法定協議会から反対派は出て行ってもらう」「反対派は入ってもらうが、維新過半数の構成に変える」などと、口を開くたびに次々と話を変えながら、一貫して「議会つぶし」の狙いを隠しません。
議会での反対にたいして、理をつくして議論するのでなく、乱暴勝手に選挙に持ち込み、勝てば、「自分が民意」として、みずからの思惑を押しつける。これは「選挙」を「独裁の道具」に仕立てるものにほかなりません。
市民のくらしを守る市長の責任を投げ捨てるもの
第3に、橋下市長の「出直し市長選挙」論議のなかには、260万市民のくらしを守るという視点は一切ありません。
いま市民の多くはくらしの苦境にあえいでいます。そのうえ4月から消費税増税が待ち受けます。どういう政治的立場があろうとも、大阪市長として第一義にやるべきは、これらの市民生活を守るための対策であるはずです。
ところが、橋下市長は、市民生活にかかわる新年度予算案を論議するもっとも大事な時期に、その責任を投げだし、税金6億円もムダにつかう「出直し市長選挙」を強行しようとしているのです。仮に橋下氏が当選しても、その任期は来年秋までで変わりません。
むきだしの独裁的野望
これらのどこに「大義」があるというのでしょう。あるのは、ただ自分の政治的思惑をとおすために、「民意」の名で反対勢力や議会の抵抗を押しつぶす――まさに市民に敵対する独裁的な野望ではありませんか。
(3)
いま橋下市長のこうした野望を許すのか、それとも市民共同の力で打ち破るのかが大きく問われています。それは「大阪都」をストップさせるとともに、大阪と日本の民主主義を守るうえで、きわめて重大な岐路になります。
橋下市長の暴走を、一歩一歩追い詰めてきたのは、大阪における「維新政治ノー」をかかげた共同の力でした。
堺市長選挙において、竹山市長が「維新」候補に圧勝した原動力は、さまざまな立場の違い、政党の垣根などをこえて結集した「オール堺市民」の力でした。岸和田市長選挙でも、この力が発揮されました。そして、府議会では「泉北高速鉄道(株)」売却案に対し、「維新の会」からも4人が反対票を投じて否決。「維新の会」が過半数割れする事態が生まれました。橋下市長の「慰安婦」問題での暴言に対する怒りの世論と行動が大きく広がっています。
大阪市議会においても、橋下市長によるくらし切り捨てと市民病院つぶし、「なんでも民営化」方針、市職員への「思想調査」にたいして、民主団体はもとより連合町会などからも、市民的な反撃が展開されてきました。このなかで地下鉄・市バス民営化案は三たび成立させられず、府大・市大統合関連案や、市立幼稚園全園廃止・民営化案にもストップがかけられています。
「維新」政治を許さない大阪府民・市民の共同の力は、ここまできずかれているのです。この力を、いまこそ大きく発揮しようではありませんか。
「出直し市長選挙」の形がどうなろうと、橋下市長の独裁的野望を許さず、「大阪都ストップ・維新政治打破」をかかげ、もっとも幅広い共同を組み、それを発展させ、彼らにもっとも手きびしい打撃を与えようではありませんか。そのために必要な、ありとあらゆる知恵と力を総結集して、たたかいに臨みましょう。そして、これを土台に、文字通り市民のくらしを守り、民意を生かす、まともな大阪市政へと踏み出そうではありませんか。
日本共産党は、「大阪都ストップ・維新政治打破」の一点で一致するすべての政党、団体、個人のみなさんとさまざまな立場の違い、これまでの経緯をのりこえ、胸襟を開いて話し合い、共同の発展と勝利へ、全力をつくす決意です。
以上
投稿者 jcposaka : 2014年02月14日