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対話進めて憲法守ろう 建国記念の日不承認のつどい開く

2014年02月23日

 「建国記念の日不承認」府民のつどいが11日、大阪市天王寺区内で開かれ、約460人が参加しました。「建国記念の日」反対大阪連絡会議主催。  集会では大阪歴史科学協議会の村田路人さんがあいさつし、東京大学大学院教授で九条の会事務局長の小森陽一さんが講演しました(別項)。

 府立高校教員の飯田光徳さんと大阪民衆史研究会の尾川昌法さんが発言。飯田さんは、国旗国歌法について「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と記した実教出版の高校日本史教科書の選定をめぐり、「維新の会」からの圧力があったとし、「出版社や研究者、高校生らと手を携えて教育を守る運動を進めたい」と述べました。

今こそ草の根から運動を
小森東京大学大学院教授九条の会事務局長が講演

 「憲法の危機、どう打開するか」と題して講演した小森陽一さんは、集団的自衛権の行使容認が、安倍政権が目指す「戦争する国」づくりで決定的だと述べました。

いま直面している「別れ道」

 アデン湾で海賊哨戒活動をしている自衛隊は、同湾に面するジブチ共和国に海外基地を持っています。同国内には米・仏両国の基地があり、シリアのアサド政権が化学兵器を使用したとして両国が軍事制裁に踏み切ろうとした昨年、自衛隊が共に活動できるかが問題になったと小森さんは解説しました。
 武器と隊員を分けられる陸空自衛隊に対し、「武器に乗って行く海上自衛隊は分けられない。攻撃され自衛官に死者が出たら、一気に軍事ナショナリズムがあおられ、全ての運動がつぶされる」と小森さんは警告。「9条がなくなればまた戦争に行かなくてはいけなくなる。分かれ道に私たちは直面している」と述べました。
 最初の9条の危機は朝鮮戦争だったと小森さんは話しました。
 1951年、朝鮮戦争で日本はサンフランシスコ講和条約に調印。同時に旧日米安保条約を結び、再軍備の道を歩み始めます。対米従属の国民の不満を利用し、「アメリカ押し付け憲法を変え自衛隊を日本軍に」のスローガンを編み出したのは、日本民主党の岸信介だと小森さんは指摘。改憲のため国会の3分の2の議席を狙い、55年、自由党との「保守合同」で自由民主党が誕生しますが、同年の選挙で3分の2を得られませんでした。
非戦闘地域の縛りの突破へ

 小森さんは、2度目の危機は90年のイラクのクウェート侵攻だと紹介。米軍中心の多国籍軍に自衛隊を出すよう米国から圧力がかかりますが、内閣法制局長官は憲法違反と指摘し、世界中に憲法9条の存在が知れ渡ることになったと語りました。
 91年の湾岸戦争で、日本は約130億ドルを差し出しますが、米国の圧力は弱まらず、国連平和維持活動(PKO)法が成立。自衛隊が初めて海外に出ますが、「非戦闘地域」にしか行けない制約を受けます。安倍政権は、この縛りの突破を狙っていると述べました。

「股裂き状態」歩む安倍政権

 小森さんは、オバマ大統領は、大統領の専決事項であるシリア攻撃を議会に諮って取りやめたことを紹介しながら、「世界は戦争しない方向を明確にしているのに、日米安保と戦争する国づくりの『股割き状態』を歩まざるを得ないのが安倍政権だ」と指摘。「今こそ草の根から、安倍内閣がどのような国をつくろうとしているのか訴えていくことが必要」と述べました。
 小森さんは自民党新憲法草案の危険性を指摘。草案は、閣議決定で「緊急事態」を宣言でき、「在外邦人保護」のため「国防軍」が海外で武力行使できるとしています。国防軍の中に審判所を置き、緊急事態では閣議決定の政令が法律と同じ効力を持ち、司法・行政・立法の全権を内閣総理大臣が占有。「地方自治体を戦争に巻き込むために、首長言いなりの教育委員会制度への見直し、教科書検定強化、道徳教育教科化という教育現場への攻撃が、『教育再生』の名で先取り的に行われている」と小森さんは指摘しました。

世論は変えることができる

 小森さんは、04年6月、九条の会が結成され、06年には全国に4800の会が誕生する中、読売新聞の世論調査でも護憲派が少数から多数に変わったことを挙げ、「世論は変えられる。一人一人が選挙に挑むつもりで、対話に踏み出そう」と述べました。(2014年2月23日付「大阪民主新報」より)

投稿者 jcposaka : 2014年02月23日

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