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泉北高速鉄道 南海電鉄に売却へ

2014年03月02日

松井知事が府議会で表明
運動と論戦で転換勝ち取る

 大阪府の松井一郎知事は2月府議会開会日の府政運営方針説明で、泉北高速鉄道などを運営する府の第3セクター「大阪都市開発」(OTK)の株式を南海電鉄へ売却すると述べました。5月にも関連議案を提出する見通しです。住民の運動と日本共産党などの議会論戦で、府の方針転換を勝ち取りました。しかし依然として松井知事は、売却益を北大阪や梅田の開発に集中投資するとしており、課題も残ります。

 泉北高速の運賃は、堺市南区から難波まで往復1千円を超えます。通学など利用者の負担は大きく、企業が通勤費負担を嫌うケースも出ています。住民らが運賃値下げの署名運動をしていました。  方針説明で松井知事は、南海電鉄から公募時を上回る売却額750億円が示されたと述べました。乗り継ぎ運賃は一律80円引き下げされ、その他のサービスは公募時の案を維持、15年間転売を禁止します。  南海は昨年の公募時、720億円を提示しましたが次点で、781億円を提示した外資系投資ファンド・ローンスターが、優先交渉権を得ていました。乗り継ぎ運賃の値下げは南海の80円に対し、ロ社は10円にとどまりました。  これに堺市など周辺自治体や住民、沿線の大学などが、運賃引き下げ幅や売却益の行き先、売却先が投資ファンドであることへの不安から、ロ社への売却に反対していました。12月議会では、維新以外の会派と4人の維新府議の反対で、ロ社への株式売却案を否決。4人の府議は除名され、府議会で維新は過半数割れになりました。  松井知事は、売却益を北大阪や梅田の開発に集中投資するとしています。沿線住民や周辺自治体は、泉北高速鉄道を育てた地域のために、売却益を使うことを求めています。  日本共産党のくち原亮府議は、「住民運動と議会論戦の力だ。府政を変える大きな力になる」と述べました。

売却益は地域の再生に
住民ら集会これからが本番

 泉北高速鉄道の運賃値下げなどを求める住民らでつくる実行委員会は2月25日に堺市南区で集会を開き120人が参加しました。中山徹奈良女子大教授が講演し、「売却益の相当部分をニュータウン再生に使うのは、歴史的経過からみて妥当だ」と強調しました。
 中山教授は、維新の会の狙いがなにわ筋線の建設にあると述べ、「大型開発の財源を生み出すための府民財産の売却にあたり、それぞれの地域で考え運動することが重要だ」と指摘。「街の再生は住民が主人公で」と、運動を励ましました。
 槇塚台校区連合自治会長の西野健造さんと前堺市南区長の戎野隆さん、桃山学院大学学生の柚木崎修平さんと刑部匠さん、谷池一真さんが発言しました。
 谷池さんは、就職活動で梅田や難波に行く際の運賃負担の重さを訴えました。西野さんは投資ファンドへの売却に反対した自治会の動きを紹介し、「会合を通じて地域の意見を集約することは重要」と述べました。戎野さんは、「高い運賃に苦しむ高齢者や学生などをどう救済するか。これからが本番だ」と話しました。(2014年3月2日付「大阪民主新報」より)

投稿者 jcposaka : 2014年03月02日

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