「大阪都で黒字」は大ウソ よくする会・明るい会が学習会 真実を知らせよう
清水共産党府副委員長がズバリ解説
大阪市をよくする会(よくする会)と明るい民主大阪府政をつくる会(明るい会)は3日夜、大阪市北区内で学習会「『大阪都』構想って何?」を開きました。日本共産党府委員会の清水忠史副委員長が、新婦人東住吉支部の池邊裕子さんのインタビューに答えながら、大阪市の橋下徹前市長の辞職に伴う出直し選挙の道理のなさや、「大阪都」構想の問題点について分かりやすく解説。橋下・維新の会が盛んに振りまく「『大阪都』で黒字になり、お金が貯まる」という宣伝のでたらめぶりを明らかにしました。
橋下氏は、出直し市長選に向けた街頭演説や各地のタウンミーティングで、こんなことを語っています。
現状維持だと大阪は赤字?
「いまのままの大阪市役所でいけば、20年先まで赤字。『大阪都』構想を本気でやれば、黒字になり、お金が貯まる」
橋下氏はグラフをパネルにして、「大阪都」構想を実現すれば「再編効果額」は2033年に約2917億に達し、約1375億円の「活用可能額」が生まれると説明。逆に「現状維持」だと約2323億円の累積赤字になると危機感をあおり、「これだけでも都構想を先に進めなきゃいけない」と叫んでいます。
関係ない数字計算に入れて
橋下氏らは法定協議会に示された財政シミュレーションを基にしていると言いますが、「再編効果額」は地下鉄民営化など「大阪都」構想と関係のないものを計算に入れて積み上げただけで、それらを除けば502億円の赤字になります。
「活用可能額」も橋下氏が「禁じ手」にしてきた土地売却代金(540億円)を含めたもの。逆に「現状維持」のままでも、橋下氏らが進める「大阪都」構想と無関係の施策を加えると2033年までに518億円の黒字になります。
こうした宣伝は「まったく根拠がない」と清水氏。「『大阪都』構想にしなくてもできる削減も入れたもので、実際はむしろ赤字になる。極端な数字を持ってきて、『大阪都』構想をやらないと赤字、やれば儲かるなどとウソとペテンで府民・市民をだますものだ」と批判しました。
無駄な開発を看板を変えて
清水氏は、「大阪都」構想で「一人のリーダー」にして橋下・維新の会が狙っているのは、「関空アクセス改善」の名によるなにわ筋線建設などの巨大開発やカジノ誘致だと指摘。「(府と大阪市で)別々に無駄遣いしていたのを、看板を付け替えてやろうというのが『大阪都』構想」と述べました。
さらに橋下・維新の会が「二重行政をなくす」と言いながら府民・市民の施策や施設を削減・廃止していることや、特別区間の財政格差が生まれる問題などを解説。昨年の堺市長選で「都構想ノー」の審判が下ったのをはじめ、府民・市民のたたかいが広がり、世論調査でも「大阪都」構想に「反対」が「賛成」を上回るように変化していることを紹介。「橋下・維新の会がウソを平気で流している中、真実を市民的に知らせよう」と訴えました。
よくする会と明るい会は、この学習会の様子を編集したDVDを近く作成。地域や団体での学習会、市民・有権者との対話に活用するよう呼び掛けています。
○…9日告示の出直し大阪市長選に向けて橋下徹前市長が1日、「街頭タウンミーティング」を行いました。聴衆からの質問に橋下氏が答えるというやり方で、最初の住吉区では「本邦初公開」という触れ込みでした。
質疑応答で「大阪都」に大賛成という高齢の女性は、「娘は40歳半ばだが、まだ結婚していない。娘は美術館に勤めているが、(派遣労働で)年収100万円しかない。夫は81歳、私は77歳で、これではいかんと、預金はしているが…」と訴えました。
○…橋下氏は「要は、なんとかしてほしいということですね」と応じ、「非正規雇用の方の給料が上らないという問題がある。最後は経済をよくするしかない」と話し始めました。ところが例として挙げたのは、「松井知事と一緒に観光政策に力を入れてきた」というものでした。
○…「大阪都」の「一人のリーダー」で橋下氏がやろうとしているのは、なにわ筋線建設などの巨大開発やカジノ誘致。府民・市民の懐を直接温め、中小企業を応援しようという視点はありません。
「大阪都」の正体、狙いを知らせ、暮らしや雇用への切実な願いにいかに逆行するか、住民を守る自治体の本来の役割は何かについて、いまこそ対話を広げるときだと感じずにはいられませんでした。(す)(2014年3月9日付「大阪民主新報」より)
投稿者 jcposaka : 2014年03月08日