集団的自衛権行使容認の閣議決定 憲法破壊のクーデター許すな 共産党・民主団体が宣伝
安倍政権が集団的自衛権の行使容認を閣議決定しようする中、日本共産党は、「反戦平和の歴史と伝統を持つ党として、集団的自衛権の行使容認を断固阻止しよう」といっせい宣伝を展開。議員・候補者を先頭に「憲法破壊のクーデターを許すな」「平和憲法を守ろう」と訴える中、通行人からも「こんな暴走は許せない」と共感の声が寄せられています。
高槻で宮原府議ら
日本共産党高槻・島本地区委員会は15日、JR高槻駅前で街頭宣伝と、集団的自衛権の行使容認ストップを求める署名行動を行いました。
宣伝では宮原たけし府議、宮本雄一郎高槻市議、出町ゆかり市議候補が、日本の自衛どころか他国の戦争に協力するのが集団的自衛権行使容認の本質だと厳しく批判。「武力で国際紛争は解決できません。二度と海外で戦争はしないと誓った平和憲法の精神を守ることこそ日本が果たす責任だ」と訴えました。
「かわいい孫たちの未来に戦争なんて許せない」と署名のペンをとったのは2歳の女の子を連れた女性(67)。小学生2人の子どもを連れた夫婦もそろって署名。「これまで憲法違反と言ってきた海外での武力行使がなぜ認められるのか。こんな暴走は許せない」ときっぱり。「毎晩ニュースが気になる」という高校生もビラを熱心に読みながら署名しました。「平和国家の日本が戦争する国になるなんてイヤ」と話していました。
いっせい宣伝
日本共産党の各支部・後援会が、府内の各ターミナルなどでいっせい宣伝に取り組んだ13日、大阪市市都島区のJR・京阪京橋駅前では、山中智子・大阪市議、岡本孝志・城東区府政対策委員長、清水忠史・府副委員長らが宣伝=写真、政府が憲法解釈で集団的自衛権を認めようとしていることを批判し、「自衛隊はこれまで憲法9条があったから誰も死なず、死なせもしなかった。この平和憲法を守らせよう」と訴えました。
訴えを立ち止まり聞いていた19歳の男性=兵庫県在住=は、「政府が憲法を変えられなかったからと、憲法解釈を変えるだけで集団的自衛権を認めるのは軽すぎる」と言います。ビラを受け取り、署名した60代女性=城東区在住=は、「戦争をできるようにするのは嫌だ。消費税や年金、景気のことに取り組んでほしい」と語りました。
各団体も抗議
大阪憲法会議・共同センターは、各団体・地域で、緊急の宣伝・対話に取り組むとともに、憲法解釈の変更を閣議決定で決めないことを要請するファクスを安倍首相、自民・公明両党、両党国会議員に集中させようと呼び掛け。大阪革新懇は14日、大阪平和委員会は13日、自民、公明両党首らに閣議決定しないよう求める文書を送付しました。
平和外交の輸出で国際貢献を
ジャーナリスト西谷文和さんに聞く
安倍政権が強行しようとしている集団的自衛権の行使容認について、紛争地域で取材と支援活動を続けるフリージャーナリストでNGOイラクの子どもを救う会代表の西谷文和さんに聞きました。
集団的自衛権の行使容認は間違いなく自衛隊が海外に行く歯止めをなくします。「限定的に運用する」と言ってみても、消費税がどんどん増税されるように、第2のアフガン、イラク戦争に自衛隊が連れて行かれるでしょう。
いま歯止めがなくなれば自衛隊の派兵先はウクライナかシリアの可能性大です。アメリカから一都市を任され、パトロールや検問、家宅捜索もやらなければならない。検問所で「止まれ」という言葉が通じないと撃たざるを得ない。当然、住民から恨みを買うでしょう。
米軍が皆殺し作戦を展開したイラクのファルージャでは、公式発表でも民間人14万人、米兵5千人が殺されました。自爆テロの場合、犯人の男性がブルカを被って女性を装ったり、障害者や子どもを使ったりもします。自衛隊員には誰もが敵に見えて、全てを撃つことになります。実際に米兵はイラクでたくさんの市民を誤射してしまいました。
私は自爆テロの現場を何度か取材しました。爆弾を体に巻き付けた若者が警察署の前でドカンといく。犯人の頭は10b先に飛び、50b先に腕が、近くの車のフロントガラスに腸がべっちゃりとくっつく。
自衛隊員が今度はそうなることになる。安倍首相はそんなところには行かないと言っていますが、アメリカの要請があれば断れるわけがありません。
アフガニスタン戦争ではイギリスやフランス、ドイツの兵士が1千人以上死にました。北大西洋条約機構(NATO)軍が無実の村人を誤爆し殺している実態も私は多々見ました。自衛隊がインド洋での給油活動に留まり一人も殺し殺されずに済んだのは、NATOに入っていないからではなく憲法9条があるからです。
おかげで日本の評価は非常に高いのです。私は2004年4月にバグダッドの激戦地サドルシティで民衆側を取材した時、「日本人だから取材させる」と部族の長に言われました。09年6月にカブールで取材した穏健派のムタワッキルという元タリバンの外務大臣は「日本の憲法9条は素晴らしい。その平和主義を理想とする」と言っていました。
平和を願う人たちにとって憲法9条は「理想」なのです。改憲や集団的自衛権行使を狙う人たちは日本を「普通」の国にすると言いますが、「理想」から「普通」に戻すことはありません。
アフガン和平をベルリンでやろうとしても、ドイツ軍はアフガン人を殺しているからタリバンは行きません。しかし日本にはタリバンは来ます。日本で和平を成立させることができれば、まさに憲法前文にもあるように平和を願う国際社会で「名誉ある地位」を占めることができます。平和外交の輸出で日本は世界に貢献するべきだと思います。(2014年6月22日付「大阪民主新報」より)
投稿者 jcposaka : 2014年06月22日