「戦争する国」づくりを許すかどうかの試金石 「慰安婦」問題 共産党府委が集い 「河野談話」の継承に確信を 笠井衆院議員が講演
日本政府が日本軍「慰安婦」問題で強制性と軍の関与を認めて初めて謝罪した「河野談話」の検証報告を20日に出した中、日本共産党大阪府委員会は21日、笠井亮衆院議員を迎えて「歴史の偽造は許されない 日本軍『慰安婦』問題の真実―講演と懇談のつどい」を大阪市中央区内で開き、250人が参加しました。
「河野談話」継承は「靖国派」への痛打
開会あいさつした太田いつみ府副委員長は、橋下徹大阪市長の「『慰安婦』は必要だった」との暴言(昨年5月)など歴史を偽造する動き、安倍政権による集団的自衛権の行使容認への暴走に対して、「歴史の逆流を許さない運動を広げよう」と呼び掛けました。
笠井氏は、「河野談話」の検証結果報告を受けて談話の見直しを行わず継承すると明言したことは、安倍政権や維新の会など歴史を改ざんする勢力への痛打になったと強調。「『慰安婦』被害者の叫び、それと連帯した全世界の運動が追い詰めた。歴史の真実に背く勢力に未来はない。声を上げてたたかってきたことに確信を持とう」と語りました。
反戦平和貫いた党として役割発揮を
笠井氏は、ことし3月に同党の志位和夫委員長が発表した「慰安婦」問題での見解は、「河野談話」見直しを狙った「靖国派」の主張に正面から反論したもので、談話作成にかかわった人からも「大変励まされた」などの声が寄せられるなど、内外から大きな反響がある一方、見直し派からの反論が一切ないと紹介しました。
さらに「『河野談話』を引き継いで何をするかが問われる」と笠井氏。「韓国の『慰安婦』の認定被害者237人のうち生存者は54人で、『命のろうそくが1本1本消えている』と訴えている。『慰安婦』問題は、過去の侵略戦争を美化し、『戦争をする国』づくりを許すかどうかの熱い焦点、試金石。反戦平和を貫いた92年の歴史を持つ日本共産党として役割を発揮したい」と語りました。
池長大司教らも訴え
特別発言した寺沢勝子弁護士は、「慰安婦」訴訟の原告弁護団として中国人被害者から聞き取りをした内容を詳しく報告。「まさに性奴隷としての『慰安婦』の事実を裁判所は認定した。『なかった』などとはとんでもない」と訴えました。
オランダ人の司教が虐殺された理由
カトリック大阪大司教区大司教の池長潤氏は、日本の中国侵略当時に修道院に避難した中国人を「慰安婦」として差し出すことを拒否したオランダ人司教が、軍に虐殺された事件を紹介しました。
会場から「政府が『河野談話』を継承するとしか言えなかったのは、橋下市長の暴言を許さない議会質問や運動があったから。歴史の真実は一つしかない」(川本幹子新婦人府本部会長)などの発言がありました。友人に誘われて参加し、発言もした在日コリアンの男性(28)=京都市在住=は、「『慰安婦』問題の集会は何度か参加したが、共産党が主催する会は初めて。熱気を感じたし、大変勉強になった」と話していました。(
2014年6月29日付「大阪民主新報」より)
投稿者 jcposaka : 2014年06月29日