産経新聞社7/21付朝刊の社会面報道への抗議 日本共産党大阪府委員会
日本共産党大阪府委員会は7月28日、産経新聞社に対し、7月21日付「産経新聞」朝刊の社会面の報道に対し抗議しました。以下は、抗議文全文です。
産経新聞社 御中
7月21日付貴紙「産経新聞」朝刊は、「生活保護不正」「東大阪の医療生協支部」「詐欺容疑逮捕支部長『共産党費に』」などと社会面で大きく報じました。
6月11日に生活保護費不正受給容疑で逮捕された小林輝子容疑者の事件に、あたかも日本共産党や医療生協かわち野がかかわっていたかのような報道です。
生活保護費の不正受給はいかなる事情があっても許されないことは明白です。日本共産党の市会議員の相談者で政治活動にも参加していた小林輝子容疑者が、「生活保護費不正受給」していたという報道が事実であるならば、違法行為であり社会的批判を浴びることは当然のことです。
しかし日本共産党東大阪地区委員会や党市議は「生活保護費不正受給」にいっさい関与していません。
貴紙は「小林容疑者は平成22年2月に生活保護を申請した際、共産市議を伴っており、市の福祉事務所で『仕事が見つからなくて生活がしんどい』と、訴えた」と報じています。あたかも「共産市議が」不正受給に関与したとの印象を読者に与える報道です。
わが党の地方議員が、生活が立ちゆかなくなった市民から相談を受けた際、セイフティネットとしての生活保護制度を紹介し、求められれば申請に同行し同席することは、住民の命と暮らしを守ることを使命とする日本共産党の地方議員の活動として当たり前の姿です。
とりわけ最近の生活保護行政において、生活保護の受給を抑制するために受給要件を満たしているにもかかわらず、窓口で保護申請の受理を拒否する「水際作戦」が少なくないもとで、党地方議員が同行、同席して保護法と制度にもとづき、真に保護が必要な人の申請受理を見届けることは、当然必要なことです。同行、同席はどの自治体でも行われていることであり、違法であるという指弾はまったくありません。
いわんやわが党の市議が小林容疑者に同行、同席したのは、生活保護申請時であり、小林容疑者がアルバイトで収入を得たのは、生活保護受給が決定されて以後のことです。
今回の事件は、小林容疑者が生活保護を受給後、アルバイトで得た収入を福祉事務所に報告せず、保護費を詐取した疑いが問題になっているのであって、わが党の市議が申請に同行、同席したことと、不正受給の疑いとは何の関係もありません。
さらに貴紙は、「支部長(小林容疑者)は、詐取した保護費について『組合(医療生協)の出資金や生活費、日本共産党の党費に使った』と供述しており、生活保護と政治活動の関係が問われている」と報じ、保護費の大半が日本共産党や医療生協かわち野にわたっているかのような「相関図」まで掲載しています。
貴紙も紹介しているように、医療生協かわち野や日本共産党が、詐取されたお金と知って、これを受け取ることはありえません。わが党の党費は「実収入の1%」と定められ、生活困窮者党員は軽減、免除しています。
貴紙の「政党の政治活動に流用」との報道は、読者へのいちじるしい誤解を与えるものです。
小林輝子容疑者に限っていえば、生活保護費詐取の容疑で逮捕され、容疑を認めていることが判明した時点で、所属している日本共産党東大阪地区委員会が除籍を決定しました。日本共産党は党員が社会的道義を厳しく守ることを規約でうたっている政党であり、それに反した党員は党内にとどまることはできません。
そもそも、生活保護受給者が自らの意思にもとづいて、団体や政党に加入して活動することは、憲法に保障された思想信条の自由に属します。生活保護受給者が生活協同組合や政党の活動に加わることは、あたかも問題であるかのように報道する報道機関の方こそが、憲法に保障された思想信条の自由と生存権を攻撃する立場に立っていることを示しています。
以上、貴紙の報道に厳しく抗議するものです。
2015年7月28日
日本共産党大阪府委員会
日本共産党東大阪地区委員会