おおさかナウ

2014年12月21日

衆院初当選
清水ただしさんに聞く

暴走政治ストップへ
国民目線で鋭く追及

 衆院選で比例代表・大阪4区重複候補として奮闘し、当選を果たした清水忠史さん。投票日から一夜明けた15日、選挙戦を振り返ってもらい、今後の決意などを聞きました。

——歴史的な総選挙での当選ですね。

 ご支援いただいた皆さんに、心からお礼を申し上げます。
 今回の選挙では、「安倍政権の暴走ストップ、日本の政治の5つの転換」を訴えましたが、これまでにない反響がたくさんありました。

知らない所で支持が広がる

清水ただしインタビューwebminpou 宣伝カーに近寄ってきた男性が、「おれは自民党やけど安倍が嫌いや。あれは保守ちゃうぞ。右翼やからな。今度、家族で共産党に入れるからな」と言われたり、「小選挙区で勝つ気あるんか」と言われて「あります」と答えると、「ほんならいまから票取ってきたる」と言ってくださる方がいたり。

 若い女性や子連れのお母さんも、集団的自衛権や秘密保護法など憲法の問題で足を止めて聞いてくれる人が多かったし、「保育所に入れない。何とかしてほしい。保育料が高い」と切実な声を寄せ、「今度は共産党に入れます」と言ってこられる人もいました。

 遠慮がちに手を振る人、「期日前投票済ませましたから。頑張って、応援してます」と話し掛けて来る人がいたりと、私たちの知らないところで支持が広がっていることを実感しました。日本共産党の政策、公約、訴え、論戦力が切り開いた結果であり、背景には維新への失望や二大政党の破綻、それと対比してブレない日本共産党があり、去年の参院選で躍進し、数々の実績を広げてきたことへの信頼など総合的に認められての躍進だったのだと思います。

——特に有権者の心に届いたもの、訴える上で力を注がれたことは?

具体的に丁寧に「別の道」を

 やはり消費税です。消費税が上がるのが仕方がないと思っている人に、私たちは、そうじゃない。消費税に代わる別の道があると訴えましたが、具体的な中身について、より丁寧に分かりやすく訴えることに傾注しました。
 「内部留保」という言葉はできるだけ使わず、「ためこみ資金」「へそくり」「耳かき一杯程度取り崩して」などと表現したり、集団的自衛権の問題も難しい漢字を並べたり「戦争する国づくり」と決めつけて言い放つだけでなく、具体的な根拠を丁寧に語りました。

対案をリアルにわかりよく

消費税10%ダメwebminpou

「消費税10%ダメ」と訴える後援会員ら=12月7日、寝屋川市内

 宣伝している時に、「応援するけど国防頼むぞ。沖縄がとられたらあかんからな」と言う人がいました。「ご心配なく。万が一どこかの国が攻めてきたら、自衛隊を活用して国民の生命財産領土を守るべきやと考えていますから」と話すと、「共産党ってほんまにそうなんか」と驚かれる。「もちろんそうですよ。ただそうならないように外交の力があります。私たちはそういう道を選ぶよう頑張っています」と話すと、納得して「安心して応援できる」と言ってくださいました。

 中央市場に入って皆さんの声を聞き、規制緩和が進んで買出人が減り、消費税が上がって大変になっている。この上まだ消費税を上乗せするのかと。どの問題でも日本共産党の対案を、リアルに分かりやすくイメージしてもらえるようにしました。

 私はこの間、中小企業団体の方のお話を聞いたり、ラジオを通じて若者の叫びを聞いたりしてきましたが、公示直前に東大阪市で開かれたブラック企業根絶のトークセッションで、雨宮処凛さんとお話した時、高学費問題とブラック企業がつながっていることを実感したことも、論戦の力になりました。

税金の使い方を変えていく

 高学費のためにブラックバイトをしなければならない、借りた奨学金を返済するために、ブラック企業でも我慢して勤めなければならない。

 学費が軽減されたり、返済義務のない奨学金制度ができれば、若い人たちが個性や可能性に応じて自己実現できる仕事探しができること、高学費の問題を正すためには税金の使い方を変えなければならないこと、無駄な公共事業、軍事費、原発推進関連予算、政党助成金、税金の使い方を変えれば福祉や教育を充実できるという訴えを丁寧にやる中で、説得力のある訴えができました。

——清水さんが作った動画も注目されましたね。

他党の追随を許さない政策

清水さんが消費税などテーマ別に分かりやすく語り、インターネットで拡散された動画「シミズバ」

清水さんが消費税などテーマ別に分かりやすく語り、インターネットで拡散された動画「シミズバ」

 突然の解散ということもあって、どの党もやりたいことを十分できない状況だったと思いますが、私は解散風が吹くと同時に、「清水ただしがズバッと語るシミズバ!」という総選挙特集の動画を、消費税、集団的自衛権、原発、雇用などテーマ別に8本作り、公示後に1本ずつ、ツイッターやフェイスブックで上げ、たくさん拡散されていきました。中身があってこそ、語るべき正しい政策があってこそ作れるもので、ここでも他党の追随を許さない活動ができたと思います。

——来年はいっせい地方選挙が控えています。

維新政治に退場の審判下す

 維新政治に退場審判を下していくたたかいになります。維新は大阪で議席を減らしたとはいえ、今回も支持をつなぎとめている感じがいなめません。政策的には、維新は受け皿になりえない政党だということがはっきりしました。

 大阪都構想が明確に否決され、住民財産を略奪し、福祉を切り捨て、無駄な開発を進め、カジノをつくる。百害あって一利なしという批判をするとともに、中小企業の町大阪の活性化などどんな大阪をつくるかという展望をお伝えしながら、今回の衆院選をバネにもう一回り二回り広い活動をして、「日本共産党が伸びてこそ政治が変わる」と訴えていきたいですね。

——いよいよ活動の舞台が国会に移ります。

政権と国民との矛盾は激化

 自公巨大与党は決して積極的な支持で多数の議席があるわけではなく、自民党などは現有議席を減らしています。沖縄県では1区で共産党が風穴をあけ、すべての選挙区で基地建設容認派の自民党を打ち破りました。

 基地問題もそうですが、原発、TPP、消費税、憲法9条などすべての分野で、安倍政権と国民との矛盾は激化してくるでしょう。アベノミクスそのものは暮らし破壊、景気破壊の経済失政で、この道しかないのではなく先がないのですから、国民の皆さんが政治の転換を求めることは、早晩やってくるでしょう。

提案権の確保と党首討論も

 日本共産党は21議席になって議案提案権を獲得できました。去年の参議院選挙で議席を増やした力で質問回数や時間が増え、ブラック企業規制法や秘密保護法廃止法案を提出するなど大きな運動ができました。
 衆議院でも政策提言を行って法律を出せて、すべての委員会に議員を送ることもでき、党首討論もできるようになりました。

数十倍の破壊力持つ共産党

 ある週刊誌が、「共産党の10議席は他の野党の数十倍の破壊力を持つ」と書きましたが、政治とカネの問題に切り込めるのも政党助成金をもらわない共産党だけです。他党の5倍10倍と働いて、あらゆる専門分野に精通するオールラウンドプレーヤーになり、プロ野球選手で言えば3割30本30盗塁と、どんな球でも打ち返す議員になって、舌鋒鋭い追及を国民の目線でやっていきたい。

 これまでも「バッジのない国会議員」のつもりで活動してきました。活動の軸足は国民運動。とことん現場主義で、清水を国会に押し上げてよかったと思ってもらえる活動をして、皆さんの期待に応えていきたいと思います。

(2014年12月21日付け「大阪民主新報」より)

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