おおさかナウ

2020年08月02日

「大阪の共産党です!」第7回ライブ配信
大阪市廃止は「百害あって一利なし」
山中日本共産党大阪市議団団長がきっぱり

 新型コロナの感染が広がっているにもかかわらず、大阪市を廃止して「特別区」に分割する、いわゆる「大阪都」構想の住民投票実施へ維新の会が暴走している中、「こんな時に住民投票?『都』構想?」と、日本共産党府委員会のネット番組「大阪の共産党です!」の第7回目が7月25日、動画配信サイト・ユーチューブでライブ配信されました。

コロナ禍の下 切実な悩みが

 同党の山中智子大阪市議団長が出演。JCPサポーターの片方真佐子さんの進行で、コロナ禍の下での大阪市民の苦難軽減のための市議団の活動や、大阪市の廃止の問題点について語りました。
 山中氏は、これまでから「熱があるのに検査してもらえない」という声や、学校が休校中の子どもをどうするのか、介護施設を利用できない高齢者の認知症が進んだなどの悩みが寄せられてきたと紹介。一つ一つ市政に届けて改善を求めてきたと語りました。
 大阪市の廃止・分割は「百害あって一利なし」と一貫して訴えてきた山中氏は、大阪城天守閣や美術館、大規模公園などの貴重な財産を府に移すだけで、中身が変わるわけではなく、「二重行政の解消」などのうたい文句はまやかしだと指摘しました。

住民サービスの低下は必至

「大阪の共産党です!」で語り合う(右から)山中氏、片方氏=7月25日、大阪市天王寺区内

「大阪の共産党です!」で語り合う(右から)山中氏、片方氏=7月25日、大阪市天王寺区内

 「特別区」は自主財源も乏しい「半人前の自治体」になると同時に、設置コストや職員増などで住民サービスの低下は必至だと強調。「特別区」に新庁舎を造らず中之島の現市庁舎を共同利用する「合同庁舎案」とするなど、自治体の体をなしていないと述べました。
 さらに「特別区設置協定書案」は、コロナ以前の経済成長や財政見通しを前提にしたもので、コロナ禍の下では使い物にならず、「虚偽でさえある」と批判。「にもかかわらず、どさくさの中で住民投票をやるのは許されない」と語りました。
 山中氏は、1人一律10万円の特別定額給付金の支給が大阪市で極めて遅い背景に、公務員削減によって緊急対応で職員を配置する力が奪われている問題があると指摘。市が今やるべきは、公務員の増員や医療・公衆衛生機能の拡充、少人数学級の実現などであり、そのために1千数百億円もある財政調整基金を使うべきだと述べました。

一日でも早く 一人でも多く

 コロナ禍で市民は「特別区」制度などについて落ち着いて考える環境になく、「住民投票は絶対やってはならない」と重ねて指摘。政党支持を超えて、一日でも早く、一人でも多くの人が、自分の言葉で「大阪市をなくしたらこうなる」と冷静に語り掛けていけば多数派になれると確信していると語りました。
 最後に山中氏は、「ただ『大阪市を守る』というだけでなく、『より良く変えていこう』を合い言葉に、大阪市がもつ大きな力を、市民の命と暮らし、商売を守ることに使う、新しい大阪市のスタートを切りたい」と述べました。

(大阪民主新報、2020年7月26日号より)

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